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テーピング(伸縮)を比べてみた ! !

新型コロナ感染症による部活動制限で院が暇ですので、1年ぶりにnoteを開いてみました。
正直、使い方もかなり忘れています。
テーピングに関しては、超初心者向けに記事を1本書いていますが、今回の記事は・・・

大袈裟に言うと伸縮テープの機能評価

Twitter世界は、流行に敏感な施術者も多く、物療器だけではなくこのテーピングに関しても良く目にし耳にします。
しかし情報量が多い分、「それ本当かぁ・・・」というような内容もしばしば。
自分自身は現認主義ですので、なら使ってみて感想を書いておこうと思いました。
参考になるかならないかは知りませんwww


比べた伸縮テープは3種類

まずその前に、伸縮テープはめんどくさいのでテーピングの呼称にします。
ホワイトテープの事は今回は触れないので、混同されることもないと思います。
今回比較したのは3種類。

  1. ワーデル(竹虎)

  2. キロテープ

  3. キロテープHL

キロテープといえば、業界Twitter民が大好物のテーピングです。
「テーピングはキロテープしか勝たんわ」
「最強まである」
使用した方には大好評のテーピングです。
一方、ワーデルは私自身4~5年位前から伸縮と言えばコレという感じで使っている商品です。

Ⅰ 見た目

ワーデル(1)とHL(3)は厚みがあり、それに比べてキロテープ(2)は薄いです。
編み込みの細かさというよりも繊維の太さの違いのような気がします。
キロテープの売りに繊維の編み込みの細かさもあるようですが、メーカーではないのでご了承下さい。
1と3は約1mm、2は0.5mm程度の厚さでした。

Ⅱ 伸張率

患者に巻いた際の使用感としては1と3が硬く2が柔らかい。
つまり固定感があるのは1と3で、2は固定感がないという声が多くありました。
3種とも10cm切り出しています。

  1. ワーデル→135%

  2. キロテープ→140%

  3. キロテープHL→135%

キロテープが140%に対し、ワーデルは135%程度。
(手で引っ張りスケールで図ったのであしからず)
キロテープよりもワーデルの方が固定感あると言っていた患者の感覚は約5
mmの違いを敏感に感じ取った結果だったのですね。
人間の感覚器って改めて凄いですね。

Ⅲ 減退

一定の負荷をテーピングにかけ続けた場合、いわゆるヨレてしまい元通りにならなくなります。
それがどの程度のヨレるのか。

  1. ワーデル→110%

  2. キロテープ→110%

  3. キロテープHL→120%

ワーデルとキロテープが同じくらいヨレで約10mm伸びたのに対し、HLの20mm戻らず。

Ⅳ 考察

キロテープの特徴としては、良く伸び良く戻る

キロテープHLはその名の通り厚み伸びすぎない伸張性を持ち、キロテープに比べてハードな固定ができる。一方で負荷(荷重)に対する耐性は今回の中で一番低く、限界を超えて使用された場合緩みやすい

ワーデル2本の中間的な性質を持っているが、キロテープHLと同じ使い方となる。

最適な使用例を考える

障害の程度にもよるが関節の固定はとりあえずホワイトテープという考えを持っている方がいるとすれば、ハッキリと否定させて頂く。
テーピングは、単純な話、「動いて欲しいところは動き、止まって欲しいところは止まる」がベストなのである。
足関節の違和感程度でホワイトテープは重すぎる、しかし伸縮性の高いテーピングでは関節はグラグラ。
選手がプレーに集中できないのは当然である。

【 キロテープ 】

キロテープの特徴である良く伸び良く戻る。
これを有効に利用するためには筋や腱の動きをサポートし、動きやすさをメインとするのがよいと思う。
貼り方としては、筋の走行に対し縦張りである。

筋の負荷を軽高校生モデルがいない為、汚いオッサンの前腕を代用

筋の負荷を軽減し、収縮方向では収縮しやすく、伸展方向では牽引に働く貼り方が良いように感じる。
前腕、上腕、大腿、下腿。
長い筋の走行をトレースして貼ると良いだろう。

【 ワーデル&キロテープHL 】

厚みと伸びすぎない、この特徴からホワイトテープに至らない程度の障害や、違和感の解消、関節の安定化など固定をイメージして使用できる。
筋や関節に対して横貼りで有効なのがこのテープである。

筋の負荷を軽高校生モデルがいない為、汚いオッサンの前腕を代用

手関節、肘関節、膝関節、足関節などの障害は多々あるが、この関節の動きを抑制しまたは安定性を高めることが可能である。
当院では患者に好評であり、伸縮系テーピングを使用したことのある患者はこれを使うと他のテーピングではしっくりこないなどと、最大の評価を頂いている。
これは、テーピングの機能の他に、巻き方も重要であるが、今回は巻き方には触れない。(企業秘密www)

撥水性に関してはキロテープ&キロテープHLに軍配

キロテープの売りである撥水性。
これは水をかけて実験したが、さすがであった。
ワーデルは少量であれば問題ないが、量を増やすと水を吸いヨレヨレに。
見た目にもハッキリと分かる結果であった。

【 注意点】
これはあくまでも貼った状態での撥水効果であった。
一度剥がしたテープの再接着は驚くほど低いので要注意。
テーピング全体に言えることだが、この撥水性を勘違いしている人もみかけるので・・・

糊(ノリ)

皮膚炎を引き起こす原因となる糊。
テーピングを使用する際には最大の注意点となるが、この3本ともアクリル系の同じ糊を使用していると思われる。
なので、皮膚炎のリスクは同程度と考えてよい。
ちなみに、テーピングを巻いた際、皮膚のしわや重なりなどを作ってしまうと皮膚炎になりやすい。
むしろ、ここを気を付けるべきである。


道具は正しく最適に使用する事で効果を発揮するのは誰でもわかる。
でもやっている人は少ないように感じる。
〇〇しか勝たないという発想の時点で負けていると思う。
テーピングも物療器も、使用するのは自分であり、自分を信用してくれる患者の為に使用するものなので、安易に考えずしっかりと吟味し評価することは重要である。

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