ルネッサンス計画~プロローグ
名物看板女将ともてはやされた私も今は闘病中。店には時々顔を出す事はあっても今までのようにお客様を出迎えることは出来ない。アメリカにこんなに長く住んでいようと日本国籍を離脱することはしなかった。日本人で生まれてきたんだもの死ぬ時も日本人として死にたい。その思いは35年経とうと変わりはない。そして最期はやっぱり日本に帰りたい。
そう思った時生まれ故郷に近いおばあちゃんの家があった歴史とロマンの島、私の第二の故郷。
かつては唯一海外貿易で栄えた素晴らしい観光地なのに 今は.....。うちの夫が私よりも先に惚れ込んで自分の両親の故郷よりもこちらに移住して来たいと言っていた。私がやりたいことを実現させるには今ある問題点を1つずつクリアしていかなければならない。そこで私が立ち上げた3年構想とは総合観光旅行情報会社として町中を巻き込んでの古き良い時代へのルネッサンス。市民一人ひとりが観光大使!本当の意味での町おこしなのだ。新しく作らないといけない事はそんなにない。今、私にはいろんなアイデアが湧いてくる。今あるその土地を、その建物を、その人材を最大限に活かすだけの事なのだ。日本人としてみんな生まれつき持ってる美徳、それはおもてなしの心だ。ただその使い方が自分で気付いていないというか発揮出来てないのはとても残念。私に言わせれば本当にもったいないのである。一旦外の空気を吸って生活してみないと見えないこともたくさんある。
それともう一つ。お陰様で私も夫も両親が健在でふるさとに帰る場所がある。でもこのまま親、兄弟兄妹姉弟の高齢化が進んでいけば帰りたくても帰れないという状況が増えることだろう。『お帰りなさい』と暖かく迎えてくれるひとのいる心のふるさとになりたい。何故ここまでルネッサンスにこだわるのか?と考えたのは温故知新..…むかしの古き良き時代への復古である。大切なのは変わっていくこと、変わらずに居ることだ。
さてこの大きな夢がただの夢に終わらせないためにアメリカ帰りの旋風を巻き起こしていきたい。