コスモスとカオス
最後にこの両者が残った。
規則正しく並べられた等間隔の椅子を、いち・にい・さん・1・2・3と同じリズムを刻みながら時計回りにまわる光銀渦と
ONビートとOFFビートをバラバラに刻みながら行きつ戻りつを繰り返す、気ままな不協和音のダンスを楽しむ暗黒風
この椅子取りゲーム
どちらに軍配が上がるのか!
辺り一面に咲き誇るコスモスの花たちは、カオスと呼ばれるとんでもない横風を受けながら今にも飛ばされそうに大きく揺れ狂う
だが、その表情はにっこりと余裕の笑みを浮かべたまま、一枚も花弁を飛ばされることはなく、全て同じ方向に傾いて強風になびいている
野の会場に高らかに流れるフォークダンスソングの音が止まった
両者、一斉にものすごいスピードで椅子へなだれ込む・・・
ふと気が付くとそこには、マイケルジャクソンのように斜めった一輪のコスモスと、脚が一本強風で折れて、膝をついて崩れ落ちた椅子が互いを支えあい、そこに残り在った
混沌とした野原の暗雲立ち込める中、二人は完全に調和していた
『この戦い、両者イーブン〆とさせて頂きます』
「人」という字は、コスモスが椅子に寄りかかり、椅子がコスモスを支えできた、極めて整然と置かれた宇宙の光と影から形成されたものある。