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きのちゃんの梅の香日記(#百人百色)

小倉百人一首
古今集 春 42

35.  人はいさ 心も知らず ふる里は 花そ昔の香に匂ひける

紀貫之


私の名前はきのちゃん

生まれた時から「女の子みたい」って、もてはやされ育った。性別は男だけど、女の子への憧れが捨てきれず、自称「きのちゃん」として、今を生きてる。

この地球にこうして私が産まれてきたのには、きっと理由があるはずだ。男として生まれながらも、女のように振る舞って生きていくことが、私にできることならば、それも甘受して、生き抜いてやろうじゃないか。

そんな私が日記を書き始めたのは、あの有名な「あのちゃん」が芸能界に出てきてからだ。完全にライバルだと意識してる。あの可愛さは罪だ。そして彼女は自分のことを「ぼく」と呼ぶ。私は「ぼく」なんて、口が裂けても言えない。

心の内を綴るのはちょっとためらいもあるけれど、可愛い自分になるためのひとつの修行だと思えばいいのよ。そういえば昔、古今集に名を残した、あの人だって、女性に成りすまして、日記書いてたはず。

男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり。
紀貫之 土佐日記


2025年 2月20日 はれたりくもったり。

けさ、すごいゆめをみたの。

いろあざやかな、うつくしいけしきだった。

そのなかに、むかし、おとずれた奈良のけしきがあった。

かれんにさいた梅のかおりが、あたりいちめんにひろがっていた。

そこへとつぜん、あの「あのちゃん」がやってきて、

あの『ぼくがおっことした、星のカチューシャしらない?』

ってきいてきた。

わたしはまったく、なんのはなしなのか、さっぱりわかんなかったけど、なぜか、あのちゃんとならんであるくことになり、梅のつづく、きよらかなみちのまんなかで、こうつぶやく。

「よその人はさ、どうかんじてんのかわかんないよ。でも、わたしがいぜんここにきたとき、あのときとまったくかわらずにむかえてくれたのは、この梅の花たちとすばらしいけしきだ。わたしがたとえ男だろうが、女だろうが、そんなことはおかまいなく、へいぜんとただ、そこにさいててくれたの。」

あの『ぼくはそんなこと聞いてるんじゃない!』

きの「えっ!!」

あの『星のカチューシャをしらないかって、きいてるんだ』

そしてあのちゃんはとつぜん、あのこえでうたいはじめた。


とさ~の~こうちの~はりまやば~しで~

あのさ~ん 髪飾り 落とすのみた~

よさこ~い~よさこ~い~.。o○

🎶♬🎵♫

ちょっとまて、ちょっとまて、おじょうさん。

ここは奈良の都なんだから、あなた、ちがうところにおとしてきてるよ。

そんなもの、あるわけないじゃん。ジャン。ジャン。
(ふぇーどあうとエコー)

あの『そっか!あははは。あはははは。』

このゆめこわい。なんなのこれ。

どうかはやくゆめからさめて.。o○

そして、わたしはぶじにめをさました。

でもふしぎなことに、梅のかおりだけは、あのゆめからつれてきちゃって、ずっとこのへやじゅうを埋めウメつくし、ただよっていた。

🌺きのつらゆきちゃん。うめ~な~🌺

きょうもがんばったね!きのちゃん🍀

おしまい。

☆ミッケ☆


梅の花、持って帰ってきちゃった💝

この度、ご縁をいただき、私の書く百人百色に絵を書いてくださいました。
三羽兄さんのところのコメント欄で、上下同じくらいのタイミングでセレンディピっちゃいました!!

私の頭の中のえんぴつさん✏︎ 




昔話から飛び出してきてくれたかのような、素敵な絵を書いて下さり、本当にありがとうございました。爽やかな梅の都を、星のカチューシャの橋がやさしく包む世界🌈えんぴつさんとコラボできて、すごくうれしかったです。(人''▽`)ありがとう☆ございました🌈


💚なうなう💚🦌







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