北風フーと青空スー
「子どもの頃好きだったものにもう一度触れてみて」
ある方の言葉を聞いて思い出したのが、タイトルのお話でした。
このお話は福永令三さんの
「クレヨン王国いちご村」
という短編集の中のお話です。
久しぶりに読んで、なぜこのお話が心に残っていたのかわかりました。
お話の中で、風の男の子フーと青空の女の子スーは、嵐の海でいかだにしがみつく人間の大人達を見つけます。
真っ暗な空の中に、スーの小さな青空が現れ、大人達は喜びの声をあげます。
フーとスーは南風の大群(台風?)に耐え、いかだの頭上にとどまり続け、人間の大人達は無事救助されました。
「子どもたちが、大人を助けた。」
子ども心に、この事がとても衝撃だったのです。
小さな小さなスーの青空が、大人達の生きる希望となった。
自分にも何か、思いもしない大きな力が秘められているのかもしれない。
主人公達と同じく小さな子どもだった自分が、勇気を貰ったお話だったのだと思います。
久しぶりに読んで、幼い頃の自分の心に触れたような気がして、うれしくなりました。
この短編集、他にもすてきなお話が載っているので、良かったら読んでみてください。