見出し画像

同人誌はなぜ有料なのかを自分なりに考えた

誰も皆、各々が思い描く同人誌を描け(書け)ばいい。
でも、自分の好きな作品を書いているのに「誰も買ってくれない~」って嘆く人は、いったい何を目的に同人誌を作っているのか、自分の中で言語化出来る答えを分かっているのだろうか?

言語化出来ない答えは、自分が明確にわかっていない答えだから、「わかっている答え」ではないと、私は思っている。

「たくさんの人に読んでもらいたい」。こう思う人は多いと思う。
中には私のように「お金出してでも読みたい少数の人に読んでもらいたい」という人もいるかもしれない。
「友達とだけ交換するために書く」と言う人もいるかもしれない。
「誰にも見せるつもりはない。自分のためだけに書いている」っていう人もいると思う。

同人の楽しみ方は人それぞれだと思う。
どんなあり方にしても、皆望むものがあって活動をしていると思う。

では、はじめのほうでお伝えした「誰も買ってくれない~」の方の目的はなんだろう。

「お金が目的じゃなく、たくさんの人に本を受け取ってもらいたいから無料配布したのに、誰にももらってもらえなかった~」
ということなのか?
それとも、
「お金は取るけど、手に取ってくれる人が独りもいない~」
ということなのだろうか?
でも私が過去あった活動者には、
「全部完売しない作品なら、自分の作品に価値はない」
という方もいた。激しい0か100の人だった……。


別に、どんな理由で同人活動するのかは本当に自由だと思う。
思うけど……。

少なくとも一番初めの「お金が目的じゃなく~~……」っていう人は……即売会に出るの辞めれば?って個人的に思う。
出たければ出るのは本人の自由だけど、その……ペーパーなどならともかく、グッズも厚みのある同人誌も、無配でご自由にお取りください、っていうのは、「自分の作品に価値がないので、ゴミをもらってください」って聞こえてくるので、とてももらう気になれないんだよ……。

あと、即売会は「対等な場」だ。
買い手も売り手も、どっちが偉いとかはないと思う。

これはあくまで私の例えなので、実際の即売会の在り方がどうかはわかりませんが、

各々の書いた本をお見せし合う交流会の延長戦

だと思っている。

友だち同士で自分が描いたマンガや小説を見せ合うやつ。昔やったことがあるが、それを「欲しい」という子がいたら、「じゃあ私とあなたの分をコピーするから、あなたの分の印刷代はあなたが払ってね?」なのだと思っている。(昔のコピー機って今ほど気軽に使えないから、あくまで例えだけど)
人数が多くなると、コピー機より印刷所に頼んだほうがいい。欲しい人が90人くらいいる。
「印刷所は100部からしか受け付けていないから、とりあえず印刷代を100で割ろう。印刷代が50000円なら、100で割ると500円だから、一人500円ずつ負担してね」という感じ。

でも、それが通じるのはあくまでも書き手同士の話。
一般参加者にも頒布する際、「イベント参加費」「交通費」「イベントにかかる費用」「書き手の労働時間の換算」を同人誌代に入れて頒布するのは、「あなたたちは私たちに渡す同人誌はないのに、書き手と同じ金額で受け取れると思っているの?」と本来断られても仕方がないことだが、書き手が「なら、参加費とかかかる費用、打ち上げ代を一部負担してくれるのなら、お譲りしますよ」と言ってくれたことで、印刷代と、書くのにかかった費用を一部お支払いすることで、ようやく対等な立場として同人誌を手にすることが出来るのだ。

だから一時期よく聞いた、買い手ならぬお客さんが「原価もっと安いだろ! もっと安くしろ!」と言ったり「同人誌って趣味でしょう? 趣味なのにお金取るの?」って人には売らなくていいの。
だって、趣味ですから。

売れと言われたら売らないといけないなんてことは、趣味でも商業でもないのだ。
それが商売なら、お客様を大事に考えこちらが下手に出て商品と引き換えに代金を得ることも出来るでしょうが、この時でも、お客だけが偉いなんてことは、絶対ないのだ。
お金を払ってくれる客がありがたいのは確かだが、代金以上のサービスや物を要求してきたら、その時点で「ただの迷惑なやつ」なのだ。

「お金を払わせてもらう」ということはあくまで「お願いする」という前提が大事なのだから。


話が少し横道にずれたので、同人の話に戻ると……。

同人誌即売会は、「対等」であるべきなのだ。
その定義で行くと、書き手の提示した金額を支払わないということは、書き手を見下していることになり、対等じゃなくなる。
その逆もあるのだ。
書き手が自分の時間を削って生み出した萌えという作品を、印刷代もかけスペース代もかけ、それなのに「無料」で頒布するというのは、対等ではないのだ。
どちらも、相手を見下している行為だ。

提示額を支払わない人は「書き手を見下している」し、
自分が作った作品に、自分が正当だと思う金額を提示しないということは、「買い手を見下している」のだ。

本当に、どういう頒布方法を取ろうがそのサークルの自由である。

だが、無料にするということは、自分の作品を無価値だと言っているようなものだし、その無価値なゴミを持って行ってもらおうというのは、買い手を「ゴミ箱」扱いしているようなものなのだよな……。

「ならお金取るよ。100円で」とかいうのもふざけてるけどね……。
自分の作品に値段付けられないなら、それこそ「Web公開にしたら?」なんだよなあ。

高すぎたら買い手はいないかもしれないので、そこは難しいと思う。

でも、相手の財布事情を気にする前に、まずは自分の作品を、自分が「お金取ってもいいくらい自分の好きが詰まっている~~!」っていうものに仕上げればいいじゃないか。

他人の財布事情を気にするのは、その後。

「この本を読んでほしい層は、多分この値段は高いかもしれないなぁ。ならこれは部数を増やして単価を下げるか、部数が少ないのならコピー本を作るのもありかな」など考えればいい。

まぁ、その辺は一旦置いておき。


なんか伝えたいテーマが横入りしまくってごちゃごちゃしましたねw

ひとまず伝えたいことは伝えられたので、今回はここまでにします。



いいなと思ったら応援しよう!