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節目迎えたからせっかくだし、自称ミニマリストの人生を構成するものを紹介する②エッセンシャル思考

前回の記事で紹介した通り、僕のアイデンティティを確立する上で自分の土台になっていることの一つは、タッチタイピングです。
2つ目は自分がミニマリズムに目覚めたきっかけの本です。


2、『エッセンシャル思考』の矢印



というわけで、ミニマリズムという考えに根差すようになったのはこの本の影響が大きいです。


随分前に、この下書きを書いてまして、それはもはや1年前か2年前か忘れましたが、最近本屋に行ったら「エッセンシャル思考 10周年」の文字が見えました。
確か読んだのは社会人になる前なので、わりと読んだのは早かったと思いますが、10年以上も平積みされているのには、それ相応の訳があるということですね。


ちなみに本紹介だけならAmazonレビュー見ればいいですし、本要約系のYouTuberでも紹介されているので、そっち見たほうがいいんじゃないかと思います。中田敦彦の動画なんかでもやってたようなやっていなかったような。

なので、僕なりにこの本を読んで思ったことや、どんなところがこれまでに影響を及ぼしたか、そんなことを書いていきます。

例の矢印のやつ

エッセンシャル思考では、本の内容を分かりしやすく説明するために、度々図解で紹介している箇所が出てきます。本の表紙にそもそも書いてますし。

その中の一つに、上の図が出てくるページがあります(上は自分がExcelで5分くらいで作ったやつで、実際は違います)。
言いたいことを1枚で表すならこの図だなと思い、載せることにしました。この本の言いたいことは簡単に言うと、以下に尽きます。




「無駄なことはやめて、自分が本当に大事だということに専念しようぜ」



しかし、このメッセージは深いです。
なぜなら、人生は無駄を楽しむところにも価値があると思えるからです。
エッセンシャル思考ではこの矢印を阻害するものを防ぐための考え方としていくつか記載されています。


その中にはミニマリストの考えにまさに合致するような事がたくさん書いています。巷のミニマリスト本よりもより本質的なことが書かれている印象です。



①トレードオフ~父親とアルミンの共通しているマインド~


僕は、尊敬している人物は誰かと聞かれたら、一番最初に父親と答えるくらいに親を尊敬しています。

幼少の頃から飽き性な性格をしているので何かを続けることが苦手でした。
そんな父がある日、僕に言ってくれたことですごく印象に残っています。

「世の中成功している奴は、1つのことを極めているやつだぞ」


後々振り返ると、この教えはエッセンシャル思考に非常に密接しています。なぜなら、1つのことを極めるには、それ以外のものを捨てるということをしなければならないからです。

まさに3章のトレードオフのそれです。

進撃の巨人のアルミンもトレードオフの大切さについて、同じようなことを言っています。

何かを変えることのできる人間がいるとすれば、その人は、きっと…大事なものを捨てることができる人だ

出典:進撃の巨人 7巻

このセリフは7巻なので、割と序盤です。マーレの「ま」の字もでていない頃ですね。
このセリフは結構有名で、エルヴィン団長が仲間を犠牲にして、女型の巨人を捕獲することを決断した姿を評しての発言です。

進撃の巨人はそのストーリーもさることながら、一人一人のセリフに重みがを感じる場面が多い作品です。名言多い。

共通するのは、二人ともトレードオフの大切さを言っていることです。

何かを捨てられる人というのはいつの時代も強いです。



②洞察~必要なものを見極める力~


エッセンシャル思考の各章には、欧米の自己啓発本にあるあるな、「〇〇社の⚫︎⚫︎は会議中、必ず〜〜することで有名だ」みたいな逸話が多いです。
そんな中で、この“洞察“の章の逸話は僕にはとても印象的でした。

内容は簡単に言うと、有名な作家が体験した話で、ハイスクール時代のジャーナリズムの講師から、本質を見極めることについて教訓を得た、という話です。

話の要約を書くという課題が与えられたある授業で、講師は以下のストーリーを要約するように課題を与えました。

内容はこうです。


『ビバリーヒルズ高校のピーターズ校長は今朝、職員一同に研修旅行の知らせを告げた。来週木曜、職員全員でサクラメントへ行き、新たな教育メソッドに関する会議に参加する。当日は人類学者のマーガレット・ミードや教育学者のロバート・M・ハッチンズ、カリフォルニア州知事のパット・ブラウンんによる講演も予定されている』

出典:『エッセンシャル思考』 著:グレッグ・マキューン



ここでの正しい要約は何でしょうか?






講師の答えはこうです。






『来週は学校が休みだ。』

出典:『エッセンシャル思考』 著:グレッグ・マキューン





本質を見極めること、これすなわちミニマリズムのそれです。



突然ですが、よくミニマリスト界隈では、「シンプルとミニマルの違い」が話題に出ることがあります。

端的に違いを書くとこんな感じです。

シンプル:簡単にすること、わかりやすくすること
ミニマル:極限まで削ぎ落とすこと、強調すること



ここでの「強調」がまさにそうなのですが、何かを強調することはミニマリズムのそのものです。
僕はそれを「本質」というんじゃないかなって思っています。

本質を見極めることはこの本を読んでから今まで、仕事でもプライベートでもとにかく意識しました。


人生で本当に大事なことは何か、考えることはとても大事です。




③選抜~90点ルールの実行はマジでムズイっていう話~



エッセンシャル思考をすべて実施することは本当に難しいです。なぜなら、あまりにもルールが厳しすぎるからです。


そして、その最たるものが第9章「選抜」に記載されている「90点ルール」じゃないでしょうか。



90点ルールの本質は、本書でもこう書かれています。


絶対にイエスだと言いきれないなら、それはすなわちノーである。

『エッセンシャル思考』 グレッグ・マキューン


本書では、特に仕事面においてはそれを受けるかどうか「自分の基準」を設けろ、と言っていますが、これはまさにその通りです。


至極その通りすぎて、90点ルールが実践できればいったいどれだけ自分が楽になるかはよくわかっていますが、このルールはとにかく実践が難しい。
特に人間関係や恋愛では。



最近映画化されたことで、また脚光を浴びた辻村美月の小説『傲慢と善良』の主人公の架は、ある飲みの席で、恋人の真実との結婚したいのは何パーセントくらいか悪友から聞かれた際、


「――――70%くらい?」



と答えています。それに対して、悪友は「ひどい」と一蹴し続けて「それは架が真実ちゃんにつけた点数そのものだよ。」
さらに畳みかけるようにこう言います。


「アユちゃんだったら100点か、120点をつけたでしょ」


点数で評価してしまうところは、まあさておき、

エッセンシャル思考的に言えば、婚約者に対して70%は普通にアウトですね。
架、何言ってんねん、と思ってしまったのは僕だけではないはずです。



ですがもう一つ、「傲慢と善良」での超重要人物である結婚相談所の「小野里夫人」と架と話す場面があります。
行方不明になった真実を探すヒントを遡るうちに、過去に群馬県時代にお見合いをしていたことが判明し、登録していた結婚相談所に行き着いた、という流れです。

物語の内容はだいぶ端折りますが、小野里夫人は架と会ってくれた理由についてこういいます。



「こちらでご紹介したお相手のどちらともうまくいかなかった真実さんが、ご自分に見合うと判断したお相手がどのような方なのか。―――真実さんが、ご自分につけていらした値段がいかほどのものだったのか。西澤(架)さんには、ぜひ、お会いしてみたかったの」



これは、物語が進めばわかることなのですが、エッセンシャル思考的に言えば真実は正しい選択をしています


つまり自分なりの「基準」があったのです。
(まあ、その「基準」が生み出されてしまったのには、真実のあまりにも歪んだ背景が関係しているのですが、それはここでは省きます)



ここで架はエッセンシャル思考をしていなく、真実はエッセンシャル思考をしていた、という話をしたいわけではありません。



僕が言いたいのは、「90点ルールは自分矢印であれば最高のルールになるものの、こと人間関係においては通用する場面としない場面があるので、人間関係でも実践するには実行する勇気や、やり方の工夫が必要」ということです。




実際に仕事における人間関係でも、90点ルールを採用しようとすると難しいです。


職場で関わりたくない人も当然いる中で、それが同僚のどんな人であったとしてもすべて無視するわけにはいきません。

仕事はそういうものです。



しかし、自分の意見を言うことはとても大事です。


上司の言う言事も聞きながらも、自分の意見もしっかり通すところでは通す、うまく生きなくちゃいけない、それが社会というものなのでしょうか。



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勝手にまとめると、トレードオフのところで記載した通り、「何かを選ぶということは、何かを捨てるということ」
これがエッセンシャル思考の本質です。

あまりにも実践が難しすぎる「エッセンシャル思考」ですが、自分にとって本当に大切なことは何かを今日も探っていこうと思った次第です。

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