備忘録03:今年の覇権がきた! リコリス・リコイル
2022年夏。
今年の覇権アニメが決まってしまいました。
「リコリス・リコイル」
絵がきれいで、キャラが可愛く(格好よく)、アクションシーンのテンポも最高!それだけでも楽しめるのにストーリーも深い!!
ちょっといまのところ、対抗馬が見当たりません。
まず設定
日本の治安世界一が「DA」なる極秘の治安維持組織で維持されていている世界。そのDAは、女性の孤児を集めて殺人技術を身に着けさせた集団で、その暗殺者を「リコリス」としてJKの姿で日常に潜伏。犯罪者・予備軍を暗殺することで、「安全・安心」な国を維持していた…。
狂ってますね、すでに。
正義の基準が違うだけで、テロリストや犯罪者とやっていることが変わらないように感じました。
錦木千束と井ノ上たきな
中心に位置するキャラクターは千束とたきな。
千束はDAに所属する最強のリコリス。至近距離からの弾丸もよけることができるチートキャラ。戦闘では無敵。喫茶「リコリス」の看板娘として働きながら潜伏中。
たきなもリコリスとして活躍していましたが、命令違反で中央から外され喫茶「リコリス」へ。合理主義といえばそうですが、価値基準が任務遂行に集約されているため私服すら持っていない。
そんな2人が出会うことからストーリーが動いていきます。
現代的な千束と旧世代のたきな
団塊ジュニアのおじさんとしては「テストの順位」や「昇進」を至上とする価値基準を親世代から今考えれば押し付けられた経験から、たきなのような人をたくさん見てきたように感じます。
とにかく他者を追い越すことで自分を形作っていきたいたきな。
日本の治安を守るという大きな任務の中で、頑張りすぎて空回りし左遷されてしまう姿は見ていて結構苦しく思いました。
一方千束は、たきなと対照的に周りの困っている人を助けたいという考え方で動きます。幼稚園の手伝いや店に来る漫画家のお手伝いなど、任務と関係ないこともどんどん引き受けていきます。最強のリコリスという、もしかしたら自分が目指す姿がそこにあり、でも全く自分と考え方が違うということが全く理解できないたきな。
そのたきなが、リコリコで働きいろいろな人と関わりながら千束を理解し認め合うように変わっていく姿が、この物語の最大の核であると感じました。
鬱展開にならなかったこと
物語途中から、リコリスたちが任務遂行中にかなりの数死んでいきます。
展開によっては、エヴァやまどか☆マギカ的な方向にもっていくことも可能だったと思いますが、全くそうならなかったことが新世代の物語と言えるかもしれません。
一人で世界の危機に立ち向かう主人公。
一人の人間の他者との関係性や思考が世界の危機に直結。
一人の主人公の内面・自意識をぐいぐい掘り下げて重大な選択を託される。
厳しいですね…重いのです。
まどマギは2周目見れないでいます。
千束はせいぜい周りの人たちしか救えないことを知って、その中で全力を尽くしていきます。これが新しい価値観ではないかと感じました。
コミュニティの分断が問題視される現代ですが、ここでいう分断は価値観のが多様であることと定義すると、分断はずっと存在していたと思うのです。黒か白という2択から、グレーだけではなく赤や青など複雑に変化したのが現代なのではないかと思っています。DAという組織の人材育成は学校のようなあ仕組みになっていて、組織内の成績でのランク付けやそこから外れた人を組織から外してしまう(外れてしまう)ようにできています。このような仕組みは昔から今までずっとあります。会社も同様です。つまりは価値観の押し付けでテストで上位をとることや出世・昇進が至上、そのために努力し続けなければならない日常…それが幸せなのかという問いを投げかけられているような気がしました。
文章が鬱展開になったので別の話を…
いけませんね。
こうならないようにしたかったのですが。
もっと作中のギャグやアクションシーンを楽しむのがこの作品の本道と思いますので、その話を最後に。
①拳銃を持っているのにわざわざ至近距離まで接近し、肉弾戦の中で射撃するスタイルは文句なく格好いい!未見のかたはぜひ見てほしいです!!
②喫茶リコリコの日常場面。2人の主人公と他のキャラクターとのやりとりが最高でした。声優さんの力量なのでしょう。名物になったう〇こ型のホットチョコパフェ、どこかでたべられないものかなぁ。
③キャラが可愛く最後まで絵が丁寧できれい。専門知識は全くありませんがレベルの高さを感じました。また特に女性が来ている衣装が多彩で、とにかく可愛く描くことにて手を抜かない熱量を感じました。
とにかく楽しめたリコリス・リコイル。
これを超える作品に今年出会えるか。
そうなったらしあわせだなぁ。