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Rハウス・3rd

あまり、良い記憶ではないので書きそびれていた思い出を一つ。

ちょうど一年前くらいかな、
まだ、残暑御見舞申し上げる時期でした。

日中の暑さのせいで悶々としていた夜のこと。
女装さんと遊びたいなと思い、酒々井のアノ場所へ。

入館料を払い、ロッカーに私物を入れて、一服しようと喫煙室へ入りました。

煙が充満する打ちっぱなしのコンクリートルームの奥の座席に、一人の派手なギャル女装さんが…

話しかけるために近くに座り、挨拶をする。

「こんばんわ、とてもお綺麗ですね」俺

「はぁ…どうも」派手

iPhoneを片手にiQOSを燻らせながら、冷めたような眼差しで生返事をしてくれた。

「何時頃から来られたんですか?」俺

「まぁ…少し前に」派手

iPhoneで何か操作をしながら、面倒臭そうに答えてくれる。

「凄い付け爪ですね!シザーハンズみたい」俺

「…………」派手

怒ったのだろうか?

まぁ、俺も反応が悪いから少し小馬鹿にした言い方して、どんな感じになるか試したんだけど。

それからは、終始無言を貫かれました。

仕方ない。

煙草を吸い終え、大部屋へ行くと数名の方が乱交されてました。

「うわぁ〜…」
と、男の身体が何体も重なっている情景に魅入っていると、出入口から見たことのある女装さんが入って来られました。

この発展場では、かなり有名な方なので御挨拶もかねてお近づきになりたいと思い、隣に座らせてもらい座談を始めました。

「はじめまして、○○さんですよね。お会いできて嬉しいです!」俺

「あ、どうも〜フォロワーの方?」有名

「ゴメンナサイ、フォロワーとかではないのですが、いつも拝見させていただいてます」俺

「ん、そう。ありがとう」有名

ここで乱交の塊の中から、一人の常連女装さんが○○さんに気づいて近づいてきた。

「○○ちゃん久しぶり〜」常連

「お久しぶりです〜」有名

「こないだの………だったでしょ?」常連

「あ〜私は…………でしたね〜」有名

女装子さん同士の会話が始まり、内容が全く分からない為に置き去りになってしまった。

だが、正直ここで隣に座れた優位な状況を手放す気になれず、分からないながらも会話の節々で相づちをうったり、軽く質問してみたりと俺なりに食い下がった。

この有名女装子さんとヤりたかったから。

目の前では乱交パーティー、隣では女子会と自分の立ち位置が不明瞭な状況に段々と耐えられなくなってきた時、隣の会話が少し途切れた。

ここで行くしかない!と思い、有名女装子さんの耳元に話しかける。

「もし、宜しければお相手願えませんか…」俺

すると、有名女装子さんはスッと右手を俺の方に押し出し…
「今日は…ゴメンナサイ」有名

俺は悲しみを堪え、
「しつこくしてスミマセンでした。また、機会があれば…」俺
と、席を立ち大部屋を出た。

意気消沈の体でニ階に上がり、空いてる個室で一人物思いにふける。

「何が良くなかったのかな〜反省点を見つけないと同じ事繰り返すし、嘘でもおだてたり盛り上げたりすれば良かったかな…でも、それは不自然だし嫌だな」

数分間、部屋で一人悩んで気を取り直す。

「今日は帰ろう」

こうゆう日もある、ここは風俗ではない。
ただのコミュニティスペースなんだ、意気投合出来る相手がいなければ去るのみ。

ソファーから立ち上がりドアを開けようとすると、突然二人の女装子さんが部屋に入って来た。

「えっ?!」俺

「あっ…ごめんなさい!」女装さん

背のスラッとした方の女装さんが、慌ててドアを閉めようとする。

「すいません、俺はもう出るのでどうぞお入り下さい!」俺

「いえ、ちょっとどんな感じか見て周っているだけなので気にしないで下さい」女装さん

「なるほど、初めて来られたんですか?」俺

「はい、こうゆう所に興味があって、二人で来てみました。笑」女装さん

聞けば二人は付き合っているらしく、遠方から物見遊山に訪れたとのこと。

「ならば、どうぞこの部屋お使い下さい」俺

「ありがとうございます。でも、近くのラナンキュラスにも行ってみたいので、また後ほど来ますね」女装さん

「それは、良いですね。どうぞ、楽しんで来てください」俺

俺は二人に会釈し、立ち去ろうとした。

「あの…」女装さん

「はい?」俺

「もし、宜しければ御一緒してもらうことってお願い出来ますか?私達、初めてなので…無理にとは言いませんので!」女装さん

俺の頭の中で色々な考えが駆け巡った。

もしや…
もしかすると

「ご案内します、三人で行きましょう」俺

俺の心に炎が宿った。

続く…


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