短怪談
たった今、起きた出来事。
いつも午後9時位に夜のウォーキングに出る。
緑地公園まで歩いて行って園内を1〜2周した後に、最寄りの小学校の校庭をジョギングして帰ってくる。
今日はいくぶん調子が良かったので、最後に校庭の百メートルコースをダッシュした。
そのコースラインの半ば位は、校内への昇降口や職員室があるので明るく照らされている。
走りながら、ふと昇降口に目をやると…
階段の柱から身を乗り出して体操服の子が、こっちを見ていた。
「えっ…」
今は夏休み。
しかも夜…
青い短パン姿ということは男の子だろうか?
いや、今は女子も昔と違って共有の青い短パンだな。
俺らの時代の女子はブルマーだったから、体育の時間が楽しかった。
気に入ってる子のケツをずっと見てた気がする。
食い込みを直すところなんて、もうね…
話を戻そう。
その子は紅白帽子を被っていたんだ。
赤い方を被っていた。
だから、俺は気がついたんだと思う。
赤い物って目立つから…
俺はその子をチラッと見て、頭に「?」が浮かびながらもコースを走りきった。
それから、確かめに戻ったんだ。
どちらかというと、コースの両端の方が照明が無いので暗い。
その子のいる場所の方が、照明があるので明るい。
暗い方から明るい方へ疑惑を確かめに行く。
正直言うと全然怖くなかった。
なぜなら、それだけハッキリと見えてたからいるものだと思っていた。
曜日は分からないがママさんバレーが体育館を使用している日もあるし、キッズトレーニング教室みたいなのも行っている日もある。
だから、きっと体育館から抜け出してきた子だろうと考えていた。
職員室前の照明に照らされた国旗掲揚台の裏に回り、昇降口を覗く。
誰もいない。
階段付近も覗き込んで体操服の子を探す。
いない。
体育館に帰ったのかと思い、連絡通路から体育館に向かう。
体育館は真っ暗で今日は使用されてない。
ここで、一気に全身に鳥肌が立った。
俺は見えない者を探してた。
さっきは見えたのに、今は見えない者を…
とりあえず急ぎ足で帰ってきた。
不思議と恐怖心はそれほどでもない。
たぶん、それは俺がアノ子を人間として認識したからだ。
もっと幽霊というかお化けっぽい登場のされ方をしていたら、叫び声の一つも上げただろう。
でも、俺は素通りしてしまったのだ。
いや、本当にいたのかも知れない。
子どもなんて隠れようと思ったら、大人が見つけられないような隠れ方するからね。
俺が近づく前に隠れ潜んだのかも知れない。
……なんで?
真夏のよるに。
分からないので、オチも何もないけどこれで終いとします。
明日からウォーキングコース変えようかな…
おやすみなさい。。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?