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ピティナステップに参加した話
初めてのピティナステップ参加。
これまで、ずっと子どもたちの足台準備や応援をしてきて、
自分が舞台に立つ日が来るとは。
*ピティナステップとは、ピアノ学習者から趣味の方まで幅広く参加できるステージ。全国各地で開催されています*
ピアノは趣味で習っている。
3歳~中学3年生まで習い、大人になり再開。
子どもがピアノを習い始めるタイミングで自分も弾きたくなった。
大人の趣味だから、こっそり家で弾く程度で良いと思っていた。
しかし、子どもたちが発表会など大きな舞台で堂々と演奏する姿を見て、私もやってみたいと思うようになった。
今年の初め、レッスン時に先生に相談し、
一生懸命練習することを誓いステップに出ることを決めた。
練習期間は半年程度。
曲はショパンの革命のエチュード。憧れ。
よし、やるぞ!
しかし・・・
本番1週間前、私はかなりナーバスになっていた。
舞台上で鍵盤が分からなくなったらどうしよう。
真っ白になったらどうしよう。
たかが趣味で人前に出ようだなんて、恥ずかしい。
決めたのは自分なのに、
逃げ出したくなった。
本番前の追い込みの時期に、弾くことができない日があった。
ステップと発表会の違うところは、アドバイザーからの評価やコメントがいただけること。
私はアドバイザーの存在をとてもプレッシャーに感じていた。
アドバイザーは、著名な先生や演奏家、プロのピアニストなのである。
それから、参加する大人も趣味を超えてコンクールを目指す人も多い。
完全に、場違いな自分を感じた。
参加はこれが最初で最後にしよう…。
うじうじとしていた本番直前、
ピアノの先生が現れた。
多用な中、時間を割いて来てくださったのだ。
私の前に立ちはだかり、私の目をのぞき込み、静かに、ゆっくりと話し始めた。
「うまく弾こうと思わない。
なぜ、この曲を弾こうと思ったのか。
あなたは何を伝えたいのか。
細かい間違いなんて気にしなくていい。
ただ伝えたい気持ちだけに集中すること」
先生からの言葉で、張り詰め過ぎていた気持ちがぷつんと破れて涙が出そうになった。
私がこの曲を弾きたかったのは?
なぜこの曲でステップに出ようと思ったのか?
それは。
3年前、心を崩した。
原因は複雑なことが絡んでいる。
自分自身が体調を整えていなかったことが大きい。
坂道を転がり落ちるように動けなくなり、
普通の日常も送れなくなり、トイレと布団の往復の日々。
良くなることの希望が持てず、ほとんど諦めていたが、本当にわずかな希望に賭けて体調を戻していった。
振り戻されることはたびたびあった。
そういうときは、砂嵐が過ぎるのをただひたすら待つように耐え、
何とか一日を終えることを積み重ねた。
時間はかかったけど
家族の見守りや友人のおかげで、日常生活が送れるようになり、仕事も再開することができた。
でも、これで満足ではない。
もどかしく諦めかけたけど、私は生きる。
自分に限界を決めないで、挑戦をする。私は前進する。
この思いを、「革命」で演奏したかったのだ。
本番直前に、目が覚めた。
肩の力がふっと抜けた。
力は抜けたが、内側から湧いてくる想いがあった。
本番はあっという間に終わった。
プレッシャーに感じていたアドバイザーの方々のことを考える時間はなかった。
ひたすらに思いを音で表現することに集中していた。
ミスもあったが、後悔は何もなかった。
小さい頃からピアノの発表会は全身ガクガクで辛い思いの方が多かった。
こんなに充実して、楽しいと感じた舞台は初めてだった。
新たな境地を見つけたような経験だった。
ピアノ、最高!
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