高校物理の学び直し Vol.011 力学的エネルギー保存の法則
皆さま、こんばんは。
物理の学び直しです。テキストは鈴木誠治の物理の初歩からしっかり身につくの力学・熱力学編を使っています。
今日は、14章の力学的エネルギー保存の法則を学び直したいと思います。
まずは、言葉の意味の理解から始めます。ChatGTPを使って調べています。
位置エネルギー(Potential Energy)は、物体が特定の位置にあることによって持つエネルギーのことを指します。位置エネルギーは、物体の高さや位置に依存しており、一般的に重力や弾性力などの力場によって引き起こされます。
特に重力による位置エネルギーについては、次の式で表されます:
$$
Ep=mgh
$$
ここで、
Epは位置エネルギー(J: ジュール)
mは物体の質量(kg)
gは重力加速度(9.8 m/s²)
hは基準面からの高さ(m)
この式の意味するところは、物体が高い位置にあるほど、また質量が大きいほど、位置エネルギーが大きくなるということです。この位置エネルギーは、物体が落下する際に運動エネルギーに変換されます。
たとえば、高い場所にあるボールが地面に落下すると、位置エネルギーが運動エネルギーに変わり、ボールが加速します。
保存力(Conservative Force)とは、物体が力場の中で運動するとき、物体に働く力が物体の位置だけに依存し、力がその物体に対して行う仕事が物体の経路によらず、初めと終わりの位置だけで決まる力のことです。保存力の代表的な例として、重力やばねの弾性力、電気力などがあります。
保存力の特徴は以下の通りです:
(1)経路に依存しない: 保存力が物体に対して行う仕事は、その物体の初めの位置と終わりの位置だけで決まり、どの経路を通ったかは関係ありません。つまり、物体が元の位置に戻ると、力が行った正味の仕事はゼロになります。
(2)位置エネルギーと関連: 保存力が働く力場では、物体は位置エネルギーを持ちます。保存力によって物体が動くと、その位置エネルギーが運動エネルギーに変換されたり、その逆が起こったりします。
(3)エネルギーの保存: 保存力の場では、力が働いても全エネルギー(運動エネルギーと位置エネルギーの和)が保存されます。これは力が物体に対してする仕事が経路に依存せず、全エネルギーが一定のままであることを意味します。
非保存力(例: 摩擦力)とは対照的で、非保存力が物体に対して行う仕事は経路に依存し、エネルギーが熱などの形で散逸します。
弾性エネルギー(Elastic Potential Energy)とは、物体が変形したときに蓄えられるエネルギーのことを指します。一般的に、ばねやゴムのような弾性体が元の形状に戻ろうとする力に関連して発生します。弾性エネルギーは、変形が一時的であり、外力が取り除かれたときに物体が元の形状に戻る場合にのみ蓄えられます。
弾性エネルギーはフックの法則に従うばねの場合、次の式で表されます:
$$
E_e = \frac{1}{2}kx^2
$$
ここで、
Eeは弾性エネルギー(J: ジュール)
kはばね定数(N/m)、ばねの硬さを表す値
xはばねの変位(m)、ばねの自然長からの伸びや縮みの距離
この式からわかるように、ばねの変位が大きいほど、またばね定数が大きいほど、弾性エネルギーは大きくなります。
弾性エネルギーの典型的な例としては、次のようなものがあります:
(1)ばねの伸び縮み: ばねを引っ張ったり押し縮めたとき、その変形に応じてエネルギーが蓄えられます。
(2)弓と矢: 弓を引いたときに蓄えられるエネルギーが、矢を放つときに運動エネルギーに変換されます。
(3)ゴムバンド: ゴムバンドが伸びることでエネルギーが蓄えられ、放すとそのエネルギーで元の形に戻ります。
弾性エネルギーは、物体が変形する過程でエネルギーを蓄え、そのエネルギーが物体の形を元に戻す力として働く場面で重要な役割を果たします。
仕事と力学的エネルギーの関係:
仕事、運動エネルギー、位置エネルギーは、物理学においてエネルギーの保存や力の作用に関連する重要な概念であり、密接に結びついています。それぞれの関係を順に説明します。
(1)仕事 (Work)
仕事は、物体に力を加えてその物体を移動させたときに、力が物体に対してするエネルギーの変化のことです。仕事は以下の式で表されます
$$
W = F \cdot d \cdot \cos\theta
$$
ここで、
Wは仕事(J: ジュール)
Fは物体に加えられた力(N: ニュートン)
dは物体が動いた距離(m)
θは力と物体の移動方向の間の角度
力が物体に対して正の仕事をした場合、その物体のエネルギーは増加し、逆に負の仕事をした場合はエネルギーが減少します。
(2)運動エネルギー (Kinetic Energy)
運動エネルギーは、物体が運動しているときに持っているエネルギーです。運動エネルギーは、物体の質量と速度に依存し、次の式で表されます:
$$
E_k = \frac{1}{2}mv^2
$$
ここで、
Ekは運動エネルギー(J: ジュール)
mは物体の質量(kg)
vは物体の速度(m/s)
物体が加速するにつれて運動エネルギーが増加し、減速すると運動エネルギーが減少します。物体が静止しているときの運動エネルギーはゼロです。
(3)位置エネルギー (Potential Energy) (上に記載したことと同じ内容)
位置エネルギーは、物体が位置や高さに応じて持つエネルギーです。特に重力による位置エネルギー(重力ポテンシャルエネルギー)は以下の式で表されます:
$$
E_p = mgh
$$
ここで、
Epは位置エネルギー(J: ジュール)
mは物体の質量(kg)
gは重力加速度(9.8 m/s²)
hは基準面からの高さ(m)
物体が高い位置にあるほど、位置エネルギーが大きくなります。このエネルギーは、物体が落下するときに運動エネルギーに変換されます。
(4)仕事と運動エネルギーの関係(仕事とエネルギーの原理)
仕事と運動エネルギーの関係は、「仕事とエネルギーの原理」によって説明されます。この原理は、物体に対してなされた仕事が、その物体の運動エネルギーの変化に等しいことを示します。
$$
W = \Delta E_k = \frac{1}{2}mv_2^2 - \frac{1}{2}mv_1^2
$$
ここで、
Wはなされた仕事
$${Δ E_k}$$は運動エネルギーの変化
$${v_1とv_2}$$ はそれぞれ仕事がなされる前後の物体の速度
つまり、力が物体に対して正の仕事をすると物体の運動エネルギーが増加し、負の仕事をすると減少します。
(5)位置エネルギーと運動エネルギーの変換
保存力が働く系(例:重力場)では、位置エネルギーと運動エネルギーが相互に変換されます。このエネルギーの保存の法則によって、エネルギーの総量は一定に保たれます。
例えば、高いところから物体が落下する場合、物体の位置エネルギーが減少し、それに伴って運動エネルギーが増加します。このとき、エネルギーの保存を考慮すると、位置エネルギーの減少分が運動エネルギーに変換されます:
$$
E_p + E_k = \text{一定}
$$
落下する物体が地面に近づくにつれて、位置エネルギーが減少し、運動エネルギーが増加していきます。
(6)仕事と位置エネルギーの関係
位置エネルギーの変化も仕事と関係しています。保存力(例えば重力)が物体に対して行う仕事は、その物体の位置エネルギーの変化として表されます。例えば、物体を持ち上げるとき、その物体の位置エネルギーが増加し、それに対応して外部から物体に対して仕事がなされていることになります。
---
まとめると、仕事はエネルギーを物体に与えたり、取り去ったりする作用であり、運動エネルギーや位置エネルギーの変化に関係しています。エネルギー保存の法則により、位置エネルギーと運動エネルギーは相互に変換されることが多く、その変化の総和は一定に保たれます。
では、基本演習の1と2を解いてみます。
続いて(2)ですが、手書きの解答と図を貼り付けます。
次回は演習問題に挑戦したいと思います。