『創造の現場』 『ここへきて やむに止まれぬ サンサシオン』 アーティゾン美術館
「サンサシオン」という単語を知らなかった為、何故か「サンショウオ」と読み間違えており、何のことやらと思っていたのですが、色んな方のレビューを拝見して、これは行かねばと訪問。
山口晃さんの事は詳しく存じ上げませんでしたが、展覧会HPを拝見すると、かなりのイケオジ風の方。私が勝手に想像するアーティゾン美術館のイメージにぴったりの方だなと。
作品はどれも緻密でひとますごとに時間をかけて見つめていたいものばかり。山口さんの人柄を感じるユニークな描写が随所にあり、毎日眺めてクスクスしたい。
キャプション替わりに山口さん直筆の解説漫画(?)が多数あり読み応えあるのですが人が多くあまり読めず。
そして改めて思うのが、アーティゾン美術館のコレクションの凄さ。ジャムセッションするのが、セザンヌと雪舟。。。別フロアでもゴッホ、マネ、ピカソにルノワール。重要文化財の青木繁《海の幸》も展示。しかし何故かコレクションのフロアは人が少なかったです。
実は6Fのサンサシオンよりも、5Fの『創造の現場 映画と写真による芸術家の記録』の方が個人的には見応えありました。
石橋財団の凄いところは作品を収集するだけでなく作品の制作者の記録を残していたところですね。しかも映画として。1953年から1964年まで61人の芸術家を取材して17本の記録映画を作っていたと。
横山大観、高村光太郎、川合玉堂、前田青邨、奥村土牛、川端龍子などなど。映画といってもナレーション中心で作家の自宅での日常や制作風景を綺麗に撮ってるだけなのですが、やはりスチールよりムービーの方が伝わる情報多いと感じました。
特に鏑木清方の映像は興味深かったです。清方作《一葉》が展示されている横で映像が流れていたのですが、その映像にも《一葉》が出てきて、展示されてるホンモノの《一葉》と見比べて不思議な感じに。さらに《築地明石町》《三遊亭圓朝像》も映像の中で紹介されていて、重要文化財に指定される前から特別な作品として扱われていたのだなと。
映像の中で作品を描いている最中に手元にカメラが寄ってるシーンがあったのですが、清方の指が長くて手が綺麗なんですね。で、改めて《一葉》を観ると、その手元もとても綺麗だなと。
安齊重雄が撮影したアーティストのポートレートも素晴らしかったです。
中でも最もかっこよかったのが、彫刻家の豊福知徳(とよふくとものり)
作品とアーティスト、共にリスペクトしていることが強く伝わる展覧会でした。
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