「銀河鉄道の父」

みなさま、おはようございます。

お元気でお過ごしでしょうか?

 

詩人、童話作家、宮沢賢治誕生の経緯と彼の周りの家族のお話。

彼の作品や農業への貢献は知っていましたが、精神の不安定さ、宗教への傾倒などは初めて知りました。

そして物語(本編中、小説や文学という言葉はあまり登場せず、専ら「ものがたり」と言われていたのでここでもあえて採用)を書くようになったきっかけ(の1つ?)の妹の死。

菅田将暉さんのまっすぐな眼差し、決して多くを持っていたわけでもなく、毎日土と故郷に根差して暮らしていたんだなということが納得できるちょっと粗さもある存在感が賢治を蘇らせていました。

そんな彼を見守る父、母、祖父、弟妹たちもみんな家、家族というものへの結びつきが強く、映画の世界観としてはなにか安心させてくれるものがありました。

 

宮沢賢治は、生は明治、育ちは大正、没年は昭和という人物なので、その時代の岩手県花巻地方の風俗、生活の様子、人々のいでたちも興味深かったです。

坂井真紀さん演じる賢治のお母さんは、賢治誕生から幼少期までは日本髪、青年期以降は大きな髷、着ているものはずっと着物という恰好。

素敵でした!

賢治の妹たちは銘仙に袴、頭にリボンの女学生スタイルでとてもかわいい。

冬休みかな?おうちで団らんのときの青の羽織がかわいかった!

賢治が持ち運んでた白のトランクもかわいい。

おうちの襖なんかの建具の色柄もかわいい。

撮影はいつ頃だったんでしょうか?

おうちの様子を見ていると場面ごとに床の間に花が活けてあったり、床に伏せた妹の枕元に花が添えてあったり、いいなと思ってみていたのですが、菖蒲やシャガが多く、なんとなく初夏のころの撮影だったのかなと想像していました。

昔の書物の装丁や(きっと)上質な紙の質感も画面を通して伝わってきました。

いいですよね、新しい本の感触やインクの香り。

 

そしてなにより、賢治の父、政次郎を演じる役所広司さんがとにかくすてきなお父さんで。

実際どのくらい子煩悩だったかはわかりませんが、役所広司さんの持つ安定感ある存在、チャーミングさ、まっすぐさ、きっと人のいいところに気づける人だなという信頼感、そういうものが役にそのまま反映されていたように思います。

 

自宅に何度トライしても途中までしか読めていない「銀河鉄道の夜」があるので、ちゃんと言葉を味わって最後まで読みたいと思いました。

それではみなさま、今日も良い日を。

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