JAPANEGGAE 4 YU-SUKE O-SHITA 2023年7月20日 16:40 <タイトル>桑田佳祐「ジャパンとレゲエをあわせた造語なんですが、でも特に深い意味があるってワケじゃないんです。この曲は仮タイトルがそのまま本タイトルになったんだっけ・・。ええと、レコーディングのときって、メンバーそれぞれにこの曲がどんな感じなのかを伝えなきゃダメでしょ。みんなは“JAPANEGGAE”というタイトルを知らされて、それぞれ勝手にイメージをふくらませるわけですよ。まあ、やり方としては古いジャズみたいなんだけどね。」(1984年)<詞>桑田佳祐「辞書いっぱい引きましたよ(笑)。僕ら英語は好きだけれど、うとい。こういう古文調にももちろんうとい。でもこれは、日本語だから、その分意味としてはリアルなんです。サウンドの距離は英語と同じくらいある、ただやっぱり日本語だからこっちのほうがリアリティ感じる。あと、この古文調というのは、現代人のしゃべっている口語よりも、同じ字数で情報量がすごくあるような気がするんだ。それにこういう世界って日本人そのものでしょう、粋とか艶とか、実際音楽やってる人間って、粋、艶、R&Bっていうのは不滅のテーマですからね。」--語感があって、後で漢字がついてきたのかしら。「そうなの。だから当然、歌詞づくりはこの“愛苦ねば”というところから始まったんですよ。“アイ・クッド・ネバー”というところから。フランス語でいえばヌ・バ。ネバーというのは日本語も英語も共通ということを私は発見しました(笑)。ちょっと違いますけどね。“ネバー”と“ねば”…。サザンの場合、仮歌ってものすごく大事な要素なんですね。メロディが先にきて、それを後で本題に移し替えるやり方をするでしょう。そこでやっぱり様相が変わるんですよね。で、仮歌では『アイ・クッド・ネバー・ノー・ウォント・ゴー』とか歌ってたのね。その辺ってできたら生かしたい。バンドのメンバーにはそういう歌として伝えてるしね、演奏とかアレンジの部分で。だから変えたくない箇所がちょこちょこできるんです。たとえば『ゴー』とか『ボー』とか『ジョー』とかいう、英語では絶対韻を踏む部分ね。これでいうと『業』『某』『情』という漢字の部分とか。漢字の羅列というのは、とっても大陸的な感じでいいんだよね。要するにちょっと現実じゃないロマンがあるんだ。でも漢字の字面のどぎつさ見てると、全く現実だったりとかしてね。」--情報量が多いんだ、漢字って。「はい、これから情報量の時代です。歌詞も(笑)。やっとパソコンに追いつきました。」--たとえばワープロというのは『ボー』というカタカナを打つと、漢字がディスプレイに並びますよね。そこから漢字を選ぶという思考パターンがあるわけですが。「僕は逆に漢字から入るの。漢字と、漢字の持つ情緒から入る。機械的な作業じゃないみたいですね。」(1984年)同年1984年にリリースされた佐野元春のアルバム『VISITORS』に収録されていた『SHAME~君を汚したのは誰』の漢字の単語の羅列(策略・謀略とか)に感銘を受けたって、当時言ってた事をこれを書きながら思い出した。「よどみ萎え枯れて舞え」の歌詞にも相通ずる部分である。<曲・アレンジ>桑田佳祐「これはサザンオールスターズとして新しいこころみに挑戦しようということで、冒険心に燃えて作った曲でして、僕らの“意気込み”みたいなものを感じて欲しいのです。タイトル通り「JAPAN+REGGAE」というわけでして、オートドラムやMC4というマイクロコンピューターなどを駆使しております。お気付きだと思いますが、もうこの曲は音数の少なさは天下一品みたいでございます。ただ、この曲へのイメージづけは思案を重ねまして、例えば、原坊のコーラスをハーモナイザーで音程をずらしたり、新劇調の台詞を盛り込んだりしまして、イメージをふくらめたという曲でした。『“私は見た!!”“何を見た!!”“大衆の良心的なイメージ!!”“それが悪い!それが悪い!”』」(1984年)間奏部のセリフ、よーく聞くと言ってる言ってる。上のセリフを。これは福耳サザンに登録すべきか?「夢の遊民社っていうイメージがすごくあってね。聞こえないかもしれないけど、バックで新劇ごっこやってたりするのね。それから『泥の河』ね、映画の。あのランニングシャツがよかったり、画面のトーンがよかったり。」(1984年)メンバーのコメント毛ガニ「今回のLPの“きっかけ”の曲なんだ。最初リズムとかやってるころはさ、ポリスっぽいねェとかみんなで言ってたんだけどさ・・、完全に桑田に裏切られた!詞がのったとたん、エッ!?オヨッ!?ヘェー!?多分、詞と一緒に見ないとわかんないよ」松田「ドラムのパートを別々に録音してるんだけど、フレーズのつながりと“からみ”を、あらかじめスゴ~ク考えて、なおかつ遊び心と冒険心も加えて、やったのです。誰が何と言おうとも、今回のアルバムの中で、一番の自信作だね、この曲。」関口「“新しい”です。日本のスティングを意識しました。スタインバーガーのフレットレスを使ったんだ。音程と音色を決めるのに苦労した・・。」大森「ポリスのアンディー・サマーズに聞かせたら、どう反応するかな。ロバート・フリップみたいな変拍子のリフを作って、さらにその上に音を重ねようと思ったんだけど・・イマイチ。」原 「大好き!こういう和製フュージョンぽいのって初めてだから。“汝は女詣…”のところのストリングスのメロディーライン、スタジオで考えた。なんか追いつめられた感じだった。」(1984年)<2000.06.07記> ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #音楽 #邦楽 #jpop #80年代 #サザンオールスターズ #桑田佳祐 #レゲエ #POLICE 4