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クリスマス・ラブ(涙のあとには白い雪が降る)

<曲>

桑田佳祐
「今回のは臆面もないクリスマス・パーティー・ソングというか、ビーチボーイズのあれ(『クリスマスアルバム』)みたいな考え方。
前の2曲(KUWATABANDの『MERRY X'MAS IN SUMMER』、サザンの『CHRISTMAS TIME FOREVER』)には深読みさせるようなところがあったけど、今回は純粋。どこに飾られてもけっこうでございますって。おもちゃ屋さんでもいいし。
最近の歌手はなんかこうリアリティのないロマンスばっか歌いやがってみたいなことあるじゃないですか。でも、ぼくはあえて、それをやってみるっていうのが好きなんです。『真夜中のダンディー』があるからこそ開き直れたのかもしれないけど、安請け合いのラブソングなんか人間としてあるまじき行為だ、みたいなのを書く人いるけど、いいんじゃない、ボクは好きなんだっていう宣言でもある。」(1993年)

丸井のクリスマスキャンペーンのCM曲だったので、まずタイアップありきで作られたんでしょうね。

桑田佳祐
「"クリスマス・ラブ"ってシングルを去年作ったんだけど、フィル・スペクターみたいなことをやりたかったんですよ。
で、フィル・スペクターは当時2チャンか3チャンでやろうとしてできてるから。だから『ああ、かわいそうだなあ。いま48チャンあるぜ。ざまみろフィル・スペクター、そんなことはいまの世の中簡単にできるんだ』と思って。
だから音楽ってのは細分化していけば同じことじゃないかと思ってて。で、できてきたものは『あれ!?これはちょっと違う。違い過ぎる!』と思ってね。

だから、やっぱりせーのでやってしまったあの時の割り切り方とか潔さ、フィル・スペクターの頃の時代背景とか、何かがきっとあったはずなんですよね。やっぱりドラム・ベース・ギター・ギターみたいなそういった編成というのが、これは意味があるんじゃないかと思い始めたんですよ。だから、そういう挫折がすごくあって、その分『頭に来た!』って思ったんですよね。」
(1994年)

<2001.12.12記>

レコーディングエンジニア今井邦彦氏
「クリスマス・ラブは現代のレコーディング技術でフィル・スペクターをやりたいっていう・・・。本当に苦労したんだけど・・・結局『できねえんだ!』で終わりました(一同爆笑)」(2013年)

ー『世に万葉の花が咲くなり』の時期からレコーディング現場でコンピューターが使われるようになり、それまでは実現できなかったようなことも具現化できるようになったと言われていますね

レコーディングエンジニア今井邦彦氏
「そのテクノロジーを使ってクリスマス・ラブで『フィル・スペクターのウォールオブサウンドをやりたい』という話になっていろいろとやったんですが、最後には『ならねえわ』で終わりましたね(笑)」(2019年)

そういえばこのシングルでサザンと小林武史との共同作業が最後だったのですよ。
<2024.11.24追記>

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