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哀しみのプリズナー
<曲・アレンジ>
―特にレコーディングで難行した曲というのはありますか?
桑田佳祐
「1曲目の『哀しみのプリズナー』がそうなんですよね。メロディーが全然違っていたんですよ。最初はジョージハリスンみたいな曲だったんです。僕がスライドギター弾いて。でもどう考えても古いんですよね、その曲が。
ちょっとカントリーを匂わせるような、暗いイギリスの雰囲気がしたんです。
で、ちょっと新しさを出すためにTR-808のタムを入れようということになって、"スッテケ、スッテケ"っていう、ちょっとハネた感じのを入れたんです。そしたら、今度は歌がハマんなくなっちゃったんですよ。
それで、16ビートを強調しようって事で、小林君が"デケデケデケギャーン"ってフレーズをキーボードで入れたんですよね。もう完全にナウくなってきちゃって、まずAメロの歌を入れなおしたんです。その場でAメロを考えて、当然Bメロも合わなくなってきたんでどんどん付け足してったんです。Cメロも考えて付け足して・・・
だから、イントロの"スッテケ、スッテケ"と、小林君の"デケデケデケギャーン"、それだけのことで、もう曲が変わらずを得なかった。凄く微妙なことにこだわったんですよ。スリルがあって非常に面白かったけど。」(1988年)