名詩鑑賞3
BADSAIKUSH 舐達麻 feat. KENNY-G OUTLAW (Official Music Video)
バダサイ史上で五本の指に入るほど素晴らしい詩だと思っていますが、HOOKが残念・・・。ビートはもちろん、原曲であるPlease Tell Me Why という曲も本当に秀逸なだけに惜しいです。ちなみにHOPEというイベントではG-PLANTSとデルタにもそれぞれバースがあって、HOOKはなんとAwitchさんが詠っています。幻のコラボ。曲としての完成度はもちろんそちらのほうが優れていますが、正式な音源とリリックが見つからないのと何よりバダサイの前半のバースがカットされているのが何とももどかしい・・・。
気づけばこの曲が終わってるように、一日はあっという間に過ぎていく。そんな中でも育っていく雑草と自分を重ねているのではないでしょうか。
私は窓を閉め切って吸うのが好きですが、確かにこんな日には窓を開けて、カーテンが揺れるのを眺めるのもきっといい。まさにそのまま、いつまでも飛んでいけそうな心地である。
本当に一番好きかもしれないフレ―ズ。彼らは本当に言葉を、詩を愛している。引き出しに大切にしまってある言葉たちを紡ぎ、一つの歌にした時の、何事にも代えがたい感動をここで詠っている。まさに宝の在処と言えよう。
彼らはいかにもワルそうな見た目をしているが、”こめかみに銃なんて俺は見たくもない”これこそが本心であり願いである。キーフを塗したいのも勿論言うまでもない。彼らこそ、真の平和主義者と言えるのではなかろうか。
彼らは確かに日本では犯罪者と呼ばれ、何かを隠して生きているかもしれないが、彼らの作品には間違いなく罪はない。せめて曲の中では正直でありたい、本心を歌いたいという願いだろう。普段なら言えないようなことも、歌にすることで言えるようになるのは、きっと千年前から変わらない。
大げさに感じる人もいるかもしれないが、これが誇張でも何でもないことはこの曲を聞けば聞くほど伝わってくる。それ程の熱量と覚悟がこの詩には込められている。
この詩を締めくくるにふさわしい決意。これほどまでに熱い想いを詠っているにも関わらず、どこか飄々としていて、サラッとサインを残して、まさに煙のごとくどこかへ去っていくようである。そこがまたドープ。
おまけ
冒頭で述べた、Awitchさんとのライブ音源。メロウなHOOKが癖になる。
いっそこの4人で曲出してほしいですね・・・。
歌詞を正確に聞き取れたわけではないですが、特にG-PLANTSのバースは相変わらず押韻が自然で聞き心地が良い。それでいてリリカル。非の打ち所がない。デルタの”罪に問えぬ声を枯らし響かせた音楽”ってところもイイですね。
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