名詩鑑賞2

DAYDREAM / ANARCHY & BADSAIKUSH (prod.GREEN ASSASSIN DOLLAR)



この詩を耳にした我々はまず、3分44秒の白昼夢へと誘われる。短い居眠りが終わる頃には昼下がり、目の前には春の暖かい空が広がっているはず。

Anarchy

ゆっくり感じる朝日が登るスピード

なんとも美しい叙景。ハワイのバルコニーから熊谷へと旅立つ前の幸せな時間。

THUGはどこで何をしていたって額の絵になる

正に。これはきっとバダサイと自分のこと。
何かしらのシンパシーを感じているに違いない

余計な話なんていらない テンダーロインステーキと赤ワイン

”高級料理よりもドミノピザとコーラそれでOK” からずいぶん豪華になった
「とりあえず美味しいものを食べてゆっくりしよう」のマインドは健在。

どこの街を歩いてても俺の地元

確かに彼が熊谷にいても、舐達麻の中に混じっていても違和感はないかもしれない。それ程バダサイとこの曲にうまく溶け込んでいる。

タトゥーが疼く明日雨かな

寂しさと郷愁を感じる詩的なフレーズ。どこの街も俺の地元と言っていた彼も、この時だけは自分の生まれ故郷の空を想ったに違いない。

Badsaikush


黙々と煙を焚いて 文字の羅列磨いて

詩を書くことに対して、文字を磨くという何とも美しい表現。彼が言葉を如何に大切にしているかがよくわかる。

静寂の中に置く身 書く行為が祈り

書く行為とは祈りである、叙景歌の名手に僧が多い理由はここにある。

G-Plants

晴れない 日ですら 曲が雨を上げた

思うに、素晴らしい芸術とは作者の名前を見なくても、それが誰による物かわかるものである。彼は曲中には登場していないが、この詩を聞いた瞬間にそれが彼のものであることが分かった。


冷めない 果てない 起きて見る夢なら

「DAYDREAM」というタイトルにピッタリ嵌る言葉。
覚(冷)めない、という掛詞と倒置 曲に美しい余韻が残る。

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