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よくある日常生活を切り取った一部

2012/11/03

ポケットから小銭を出す。

自販機が小銭を吸い取り、お返しに頼んだコーラをくれた。

コーラを手に取り、階段に腰掛ける。

空を見上げると月の光がまるで俺に何か話したい事があるかのようにこちらをジッと照らしていた。

聞こえてくる漏れ出たクラブミュージックの音。

後ろじゃつまらないパーティーが開かれている。

俺は大きくため息を吐き、目線を足下へやった。

1時間前、半日前、昨日、先週、先月、昨年…何なら10何年も前の事を振り返る。

何者かになりたかったけれど、なろうとはしたけれど、結局何者にもなれなかったし今のところ何も成し遂げていない。

そんな自分に…いや理想としていた人生とはかけ離れた人生を送っている現実に嫌気がさし、そんな嫌気がさしている自分に対しても自己嫌悪を感じ今すぐ消えてしまいたいという思いが脳裏をよぎった。

ひと足先にと、扉の向こう側へと進んでいく友人たちを見て少なからず焦りを感じているのだろうか。

いや、彼らを友人と言っていいのだろうか。

俺には何人か友人はいた。

けれど、1人は羽目を外しすぎて刑務所暮らしをしているし、1人は知る必要がなかった真実に触れてしまった事で心に深い傷を負い部屋に引きこもってからずっと出てこない、もう1人はこの街の閉塞感に耐えきれずに出ていったきり音沙汰がない。

もしかすると、これも一つ生き方なのか。

もう、なるようにしかならない。

…いい言葉が出てこないからひとまずこれまで。

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