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降水確率0%の通り雨3《君の遠雷 僕の健忘性体質》5

「ひとつだけ、みんなにお願いしたいことがあります」
翌朝、あまねが意を決したように言う。
「私はみんなと一緒にいたい。ずっとずっと一緒にいたい。でも、私は追放された者で。どうして追放されたのかわからないけど、そうされるだけの何かが私にあったんだと思う。そして、その何かはみんなに危害をもたらすものなのかもしれない。だから、もしも、その兆候があらわれたなら、すぐに私を切り捨ててください。お願いします」
「わかった」
「ありさねえさん!?」
「だけど、その切り捨てる方法は私たちに任せてもらえるかしら」
「あずさねえさん、、そっか、うん、あまねそれでいい?」
「え?、ええ、お願いします」
「決定ね、約束破りっこなしだからね」
「?」
「つまり、あなたの運命は今私たちに託されたの」
「あきつ?」
「運命って信じる?」
一瞬迷って、あまねは首を横に振った。
「今、この瞬間から信じて」
「?」
「私たち三姉妹には別名があるの」
「別名?」
「運命の女神」
「そう、私たちを信じると良いことが起こるわ」
「そういうことです」
「運命の上をいくものなんてないわ。あまねが私たちを、そして自分の運命を信じるなら、怖いものなんてないわよ。あまねは自分を信じているでしょう?」
「、、ええ、私は必ず運命を超えていくと信じてる」
「最高!なら、あなたのその信念を私たち三姉妹が叶えてあげる。運命を切り開いてあげる。だから、ずっと一緒にいましょ。なにがあってもよ」
「あ、ありがとうございます!ふつつかものですが、宜しくお願いいたします」
「言葉を間違えているのか、言う相手を間違えているのかどっちだ」
部屋の入口にたけるが立っている。
「おい、たける」
「なんだ」
「なんで、お前がそこにいる」
「夕べ、泊めてもらっただろう」
「そんな覚えはない!」
「いや、夜明け前に入口をノックしたらあずささんが入れてくれたぞ」
「早朝突撃かい。それ泊めてないし、迷惑だし、非常識だし」
「夜が明けてないんだから泊めてもらったで間違いない、実際30分は寝た」
「何なんだこいつ、ねえさんもどうして?」
「大音量で喚かれたかったのでしょうか、あきつは?」
「はい、了解しました、いいです」
「で、これからどこへ向かう予定でしょうか、ありささん」
「そうねえ、サイロンの町でワンシーズン過ごそうかと思っている」
「サイロンの町ですか、、」
「ねえさん、なんでいうんだよ。おい、一緒に行こうなんて誘ってないからな」
「あきつには聞いてない、たまたま行き先が同じということはありですよね、ありささん」
「ありだよ、皇子」
「皇子はやめてください、では、これで。あまね、あの菓子は食ったか?」
「うん、大切に食べてる、とても美味しいよ、ありがとう」
「そっか、なら、俺にも、『ふつつかものですが―』の挨拶するべきじゃないか?」
「??あきつ、そうなの?」
「んなわけあるかーーー!」
「ははは、いつかききたいな、じゃ、あとで」
たけるは、颯爽と去っていった。
「~~ねえさん、飛空艇いっぱいの塩がいるわ」
「あはは、ゆかいな皇子じゃない」
「変態よ、ストーカーだわ」
「まあ、あそこまでやっても、まったくあまねちゃんには通じてませんけどね、」
「??お菓子のお礼には、ふつつか?ふつつかって美味しいって意味なのかしら」
あまねはぶつぶつとつぶやいており、あきつは今後の展開を想像して、そこにいないたけるにざまあみろとつぶやいた。

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