天の邪鬼

しばらく息を潜めていたけど、
ここででますか天の邪鬼
知っていたけど
ええ、ええ、よーく知っていたけど
それでも言わせて、今ですか？
褒められるのが何より嫌いで
いい人認定されるのが、とてつもなく嫌いで
歩調を合わせるのが壊滅的に超ド下手
そんな、人として欠落ありまくりの私でも
ようやくここまできたんじゃない
曲がりなりにも仕事を持って
人並みに恋なんてものもして
やっとのスタート地点じゃない
ああ、ああ、なのに何でよこのどあほう
今どこにいるのかわかってるの？
人生の最高峰
真白い衣装に身を包み
結婚式の真っ最中なんだよ！？
あんたなんか出る幕じゃないの
何で出てきた天の邪鬼！

結婚？そうですね人生の墓場じゃないですか

どんな家庭を築きたいですかの質問に、ついっと言ったは天の邪鬼
ちがうちがう、本音じゃない
焦ったって、冷えた空気は戻らない
ああ、空気が白いよ真っ白だよ
私も白く燃え尽きる
傍には腹を抱える人ひとり
そうだね、あなたはそんな奴
天の邪鬼を抱えて障害物走のできる人
鬼と遊べる桃太郎
だから一緒に走ろうと思った
ふと周りを見渡すと
白い空気の中
笑いを堪える真っ赤な顔がぽつりぽつり
ああ、あいつらも桃太郎軍団
人が好きなのに人が苦手で
愛されたいのに悪態をつく
攻撃することでしか愛を示せない私を
怒るでもなく笑ってくれる
天の邪鬼を
天の邪鬼を
愛してくれて
ありがとう
いつかわたしもきび団子食べて
世界の鬼と笑いに行くわ