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降水確率0%の通り雨3《君の遠雷 僕の健忘性体質》4

・・・いんたーばる・・・

透明な屋根の向こうに星空が広がっている。夏の夜、星座の位置も何もかも違うけれども、ずっと続く夜空は一緒。
「寝てんの」
「起きてるよ」
「隣いい?」
「もちろん」
あいすは少し横にずれて、あきらの為のスペースを空ける。
そこへ、あきらがきて、そっと横になった。
「あいす」
「ん」
「僕ね、今日はなんだか、ずっとあまねだったときのことを思い出してた」
「俺も、あきつ時代を、思い出してたよ」
「この4人でご飯食べたのあの時以来かな」
ねえさんたちもいたよね。
「そうだな」
「あの時のあずさねえさんのご飯も、今日の母さんのと同じくらい美味しかったなあ」
「なあ、あきら」
「うん?」
「その時何話してたか覚えてる?」
「んーあははは」
「覚えてないんだね」
あいすはそっと溜息をつく。
「ごめん」
「いいよ、たいしたことじゃなかったから」
(あの2人は覚えているだろうか、覚えてるだろうなあ、しつこいから)
「ね、あきら」
「ん?」
―ずっと、一緒にいるよ―


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