降水確率0%の通り雨2《君の雷鳴 僕の過敏性体質》12
ここ、どこ
みすぼらしい長屋、ボロボロの着物、
僕誰だっけ、えっと、僕は、
なんだかくらくらする、
ー第2のシナリオ発動ー
誰の声?えっと僕は、陰陽師、そう陰陽師の子で、
でも、平民の子で、で、ここに住んでいたんだ、なんで忘れていたんだろう
今は、病気と日照りと、って考えていたら猛烈にのどが渇いてきた。
「水、み、ず」
台所に行く、でも水なんてどこにもない、枯れてしまった井戸
何だろう、なにかがよぎる、ずっとずっと昔、覚えているのが不思議なくらい遠い昔、
「あきつ・・」
なにかの気配がする、大きな獣、みけさん?隣に立っているのは、あき、、
またかよっ、なんでお前は
とにかく、ここから離さなきゃ、ここはゆがみが強すぎる、たけるの力をまともに食らったあきらにはきつすぎる。
「みけさん、たのむ、あきら、を」
最後まで言う前にみけさんはあきらを背に乗せ、次元をつなげ始める。どこにとは言わない。たぶん、絶対あいつのとこだ。
「あきら、先に行ってるよ」
あきらの身体にエネルギーを流し込んで、僕はそこを離れた。この後のことをねえさんたちと相談しなきゃ。
「誰?」
誰かわからない、ただじっと僕を見ている。
「お兄ちゃんいくつ?」
「ぼく3歳なんだ」
ー3年待ってやった、だから早く来い―
「またね」
貴族の屋敷で、男の子から水と食料をもらって、山を登る。おもいがけず、社と小川に遭遇し避暑のような―避暑地?
『皆で行きたいね』
『ねえさんたちとたけると門脇とー」
何!?この記憶、知らない、だって僕はずっと長屋で暮らしていて、
頭がくらくらする、わからない、僕はー
ただ、胸が苦しい、、
やがて僕は地震に追われるように山の奥へと進み
明るい洞窟の中で、彼女たちと会う
「あきら!!遅かったじゃないの!」
「えっと」
「ねえさん、あきらの様子が変じゃないですか」
「あの、どちら様ですか」
「またなのー!」
「と、こういうことになってる。わかった?」
「はあ、おぼろげながら」
「まったく、全力出す度、分裂するわ、記憶なくすわ、」
「ごめんなさい」
「違うの、怒っているわけじゃなくて」
ありさねえさんが、慈悲の女神のような表情をする。
「あなたといると退屈しないわ」ウィンク一つ
「ほんとうに。じゃ、今後の事を詰めましょう。実はね、あいすはもう先に向かっているのよ」
「どこに?」
「私たちが今から行く次元」
「転生ですか」
「私たちの場合は少し違うの、私たちは時の女神だから普通の転生はしない。変態になる。」
めちゃくちゃ嫌な字ずら!!
「仕方がないのよ、私だって言いたくはないから、そうねあれになるとでもいう?」
それも微妙に嫌!!
「魂に設計図があって、それが周囲の元素を引き寄せて設計図通りの身体になる、長く言えばそういうことですよ」
なるほど、理解しました。
「身体に魂が宿るのではなく、魂が身体を創るのですね。」
「そう、だから私たちはずっと同じ身体でい続けることになります。どこにいようと」
「で、どこにいくかというと、ここ!」
ありさねえさんの示した地図の上には、でっかく
たけるの家!
って書いてあった!!
「ちょっと待ってください、たけるって、最後に大喧嘩して、そのせいで魑魅魍魎があふれて、退治して回る羽目になったというあの、たけるーー!?」
いや、魑魅魍魎は知らないけどさ、なんか、因縁の相手っていってなかった?ねえさん?
「はあ、しかたがないのよ、あなたを連れて行かないと、あの坊や何するかわからないしねー」
「そうですね、めちゃくちゃ会いたがっていましたから、このまま放置するのは危険かもしれませんね」
ちょっとまって、そんな危険人物のとこにつれていくの?しかもお礼参りしたがっているんじゃないの!?
「ま、人身御供だと思ってがんばって!」
アハハと笑うねえさまたちに嫌だ―との叫び声は届かなかった。
そして、あきら君は、記憶をなくしたまま、たける君の幼馴染になるために現世へと向かいました シナリオ by あずさ
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