降水確率0%の通り雨4《君の雷雲 僕の離脱性体質》8
「おい、たける、時の神が呼んでいるそうだ」
「そうか」
「何の話だろう」
「時止めの事だろう」
「まあ他にはないものな」
たけると門脇は笑う。最近、姫の力が安定してきたから、そのことだろうか、とたけるは思っていた。
「君の任を解くよ」
「はい?」
「姫ももうすぐ成人だ。ここのところ力も安定していると聞いている。もう十分一人で力を制御できるだろう。君に頼ることもない。国へ帰っていいよ」
「ちょっと待ってください、私は!」
「帰りなさい、と言っているんだ。君の役目は終わった。今