Web小説発掘記 その233 美少女眼鏡っ娘チートで性癖ハーレム!しごできメイドロボと共に異世界スローライフを送りたい☆ 作者 T-time様
本編URL
https://kakuyomu.jp/works/16817330664495983151
前書き
この記事は作品のネタバレを含みますのでご注意。
こちらの記事はあくまでも筆者の個人的意見です。
評価の基準としては200円~700円前後の書籍を購入し、読んだものとして付けさせていただきます。そのため基本的には厳しめとなります。
※こちらは記事を書いた時点での最新話である『第39話 食卓を囲む』までを読んでの感想、レビューとなります。
あらすじ
研究に没頭し、いつの間にか50歳を迎える主人公は、最高の発明品を開発した!
かけるだけで頭が良くなる眼鏡!
これさえあれば俺好みの美少女も喜んで眼鏡をかけてくれるはずなんだ。
自らが作り出したメイドロボットに邪魔されながら、美少女ハーレムは完成するのか!?
だいぶキてる博士に、眼鏡彼女はできるのか?
異世界スローライフ眼鏡コメディー爆誕!!
ストーリーと見所
こちら眼鏡っ子を題材としてコメディ小説。
主人公は無類の眼鏡っ子好きで、そのために合法(どう見ても合法ではない)に眼鏡っ子にできる眼鏡を女の子に掛けさせることで眼鏡っ子ハーレムを築いていく……的な物語となっている。
あらすじやらタイトルからわかる通り、本作は大半がコメディ。基本的にゆるりとした雰囲気で進行して行く。
天才科学者の主人公が、掛けるだけで頭がよくなる眼鏡を開発し、それによって異世界転移した先での女の子達の悩みを(眼鏡を掛けさせることによって)解決していくというのが一先ず最新話までの主な物語の進行となっている。
作品の空気感としてはドタバタしているというよりは、まったり系のコメディ。主人公のキャラクターは一見するとかなり激しめなのだが、ストーリーが始まってしまえば以外にも常識人。
年齢的にも登場人物達よりもかなり年上ということもあってか相応に(特殊な事情を除いて)落ち着きがあるので、そちらに引っ張られている感もあったりする。
話としてはよくいえば王道、悪くいえば最初のインパクトとは裏腹にそれほど強烈な内容ではない。出会った人の悩みを解決したり、モンスターを討伐してギルドに報告したりといったものが多い。
その辺りに関しては人による……というかあまり突飛すぎる話を持ち出されても、ただでさえそもそもが眼鏡っ子大好き物語という前提があるのでこれ以上お話を混線させられても困るので実際、落としどころとしては妥当だろう。
お話としてはかなり丁寧な進行が魅力で、とんでもないテーマとは裏腹にしっかりとヒロイン達との交流を深めていく姿がなかなかに微笑ましく読んでいて楽しいものとなっている。
主人公とメインヒロイン(?)のメイドロボ娘もいいキャラクターをしており、時には周囲を困惑させたりしながらも絶妙な掛け合いで物語を楽しませてくれる要素となっているのも魅力。
キャラクター
四目矯太郎
物語の主人公。
なんともうすぐ50歳。
眼鏡っ子が大好きな眼鏡狂いなのだが、物語の最中は意外と常識人的な部分も見せてくれる。
その辺りのバランスが程よく、物語がカオスにならないように上手く舵を取っているといえなくもない。
キャラクター的にはいい塩梅ではあるのだが、逆にいえば特徴が例の眼鏡しかないので、物語としてはちょっと落ち着いてしまっているようにも思える。
メイ
主人公のお供のメイドロボ。
メイドロボってなんか懐かしくない……?僕だけ?
それはそれとして所謂クール毒舌系だけど恐らく主人公にちゃんと愛情を抱いている系のメイドロボ。
こういうのでいいんだよ、こういうので。
作中のヒロイン達の中で唯一眼鏡を掛けていないその真意や如何に……!
総評
評価点
物語の雰囲気が明るくほのぼのとしていて、読みやすい。
主人公のキャラクターは特に絶妙で、ヒロインとの掛け合いで程よく物語を盛り上げつつ時折無茶なことをしては話を進めてくれたりもする。
話の進行は丁寧なので、ヒロインの魅力を一人ずつ確認しながらじっくりと読み進めることができるのも良き。
全体的な空気感がちゃんと作られており、コンセプトを理解しやすく楽しみやすいのも特徴の一つ。
問題点
コメディにしてはインパクト不足……というか初見のインパクトに対して道中の大人しさが些か気になるところ。
丁寧といえば聞こえがいいが、ストーリーの方向性も少しばかりどっちつかず感があったりもする。掛け合いでカバーできている部分もあるのだが……といった感じ。
最終評価 55点(Web小説としては充分な良作)
タイトルにある通り、個性的な設定の数々が光る良作コメディ小説。
物語の進行は丁寧で、ヒロインの魅力をしっかりと立たせるような書き方は読んでいて彼女達の魅力がすっと頭の中に入ってくる。
主人公の立ち位置がこれまた絶妙で、異常な点と変に常識人な部分が合わさってなかなかに物語を上手く転がしてくれているようにも思える作品。
キャラクター同士の掛け合いや眼鏡に対する熱いこだわりが魅力の本作。
眼鏡っ子好きは勿論のこと、コメディ小説を読みたい方にも是非お勧め。
所要時間は『第39話 食卓を囲む』までで凡そ1時間ほど。
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