レイシストじゃない
予備校で、障害を持つ人と自分の間に無意識のうちに線引きをしていた主人公がふとしたきっかけで自分の考えを改める作品(要約)を作った。
講評の時間、僕は持ち前の口下手さで誤解に誤解を重ねがけし、結果として僕の作品は障害者を差別する作品のように受け取られてしまった。
本当に絶望した。今年一絶望した。普通に嘘だ。総合型に落ちた時の方が絶望した。とにかく、僕は晴れてレイシストのレッテルを貼られてしまった。いや、勉強するにはなんら支障はない。ないけど!ないけど最悪な気分だ。障害者を差別する人間だと思われたことも最悪だし、身内に障害者がいる人を不快な気持ちにさせてしまったら本当に本当に最悪だ。いや、元はと言えば障害者という題材を扱う上で、簡単な質問に答える用意すらしていなかった自分が一番最悪だ。
「まあ、難しい題材だよね……」と、先生が慰め程度のフォローをしてくれたのが辛い。そんなつもりはなくても差別的な作品を作れば差別主義者だし、人を殺せば人殺しなのだ。
唯一の救いは、これがまだ予備校の作品だったことだ。これをフォーマルな場でやって、尚且つ作品をどうしようもないくらい下手くそに解説してしまったら……と考えると、肝が冷える。
次からは、こうしたセンシティブなテーマを扱う際は自分の中で質問されそうなことを考えて、それに対する答えを10パターンくらい用意しておこうと思う。次に活かせる失敗でよかった。そう思うことにしよう。