グローバル人材に必要な異文化理解力とは
部下の勤務評定をつけるときに頭を悩ませている人は多いのではないでしょうか?
改善点を指摘することでプライドを傷つけてしまわないか?
やる気をなくしてしまわないか?
ただでさえ忙しいのに、悩みすぎて多くの時間を費やしてしまいますよね。
前回の記事では、日本人がメッセージをほのめかして伝えることが多く、はっきりと口にすることは少ない文化と書きました。
部下にネガティブなフィードバックをするときは、なおさらそうではないでしょうか。
多くの人が、まずは良い点から伝え、この点を直せば更に良くなるという言い方をするでしょう。
ネガティブフィードバックの仕方にも文化的な違いがあります。
率直に、単刀直入に、正直に伝える国は、ロシア、イスラエル、オランダ、フランス、ドイツなどです。
一方、ポジティブなメッセージでネガティブなメッセージを包み込み、さりげなく、やんわりと伝える国は、日本、タイ、インドネシア、サウジアラビア、韓国などです。
アメリカはその中間です。
アメリカは率直にものを言う文化でありながら、ネガティブな批判を伝える際は遠回しで間接的に言うことがあるというのはおもしろいですね。
前者の国と後者の国がネガティブフィードバックを与える側と受ける側になると、批判があまりに直接的で傷つき、相手への嫌悪感につながってしまうことがあります。
反対に、「全体としては良いと思います。特にこの点はよかったです。ちょっとしたことですが」と前置きしながら、いくつかほんの少し修正した方がいい点がある、という言われ方をしたのに、後に人づてで最悪の仕事ぶりと思われていることを知ったら、嘘つきや偽善者と思われるでしょう。
自分たちのやり方が当然で一般的なため、別の文化には別の見方があると想像するのは難しいことです。
多文化のチームを率いるリーダーにとっては、異文化理解は決定的に重要です。
いまや私たちも世界中のクライアントや取引先や同僚たちと働くために、文化の違いを読み解く力が必要になっているのです。