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電子書籍より古本

・2万円がすべて電子書籍に

誕生日にプレゼントとして、血縁関係である人々から合計2万円のアマゾンカードを貰った。2万円あるという謎の高揚感により、調子に乗って大量の電子書籍と少しのエロ漫画を立て続けに買った。
そうこうしているうちに、2万円あったお金をほとんど使い尽くし、残り千円になってしまった。

湯水のごとくお金を本に費やしているから、すぐなくなった。

もちろん、買った本は夏休み中の暇な時間に全部読んだ。小説以外は。
(小説は気が向いたら読むタイプ)

湯水のごとくお金を使うのは馬鹿のやることだと高を括っていたが、私もその馬鹿になってしまった。


・電子書籍は高い

昔、社会の先生がよく電子書籍を読んでいたことを思い出した。

その先生はいわゆるイケオジと呼ばれるような人だった。
年齢は60歳くらいだった気がする。背筋がピンとして、ビール腹ではない。年齢にしてはスタイルがよかった。

舘 ひろしに似ているから、同学年の中で一人くらい好きになる女子がいるのではないかと思ったが、韓国アイドルを好む女性たちにはウケなかったようだ。

生徒のことを諸君と呼んだり、ヒトラーのことをヒットレルと呼んだり、言葉遣いが昔の知的な人っぽくて、僕は好きだった。
ヒットレルなんて人名、昔の本にしか書かれていないのに…と聞いた時驚いた記憶がある。

(ヒトラーには時代によって3つ呼び名があって、最近はヒトラー、昔はヒットラー、大昔はヒットレルと、出版される時期が昔ほど、名前が長くなっていた。政治や宗教、神話など、どの分野でもそうだが、出版された時期が昔になればなるほど、名前がより長くなる傾向がある。正確な発音の名前を記そうという気持ちがあったとか何とか。)


ある日、そのイケオジ先生の授業が終わり、チャイムが鳴るまで少し時間がある時に、生徒たちが暇だろうからと、先生が電子書籍の話をし始めた。

チャイムが鳴るまで、例え授業が終わっても、教室からは出てはいけないルールがあったからだ。

その先生はタブレットを使って、授業中にスライドを見せながら授業をする人だった。まだプロジェクターにつないでいたタブレットで、黒板に自分が読んでいる電子書籍を映し、少し紹介してくれた。kindleのやつだ。

社会の先生だからか、ビジネス書ではない、専門的な政治の本や、宗教の本を読んでいた。

驚いたところは、画面をパッと見ただけでも本を300冊読んでいたところだ。
kindleは、タブレットやPCなどの画面が大きい機器の場合、左側にライブラリという、本の分類と冊数がわかる欄が表示される。

その先生は政治、宗教などの1つ1つの分類が100と表示されており、大量の本を読んでいることが瞬時に分かった。

先生は、その画面を見せながら、電子書籍のメリットを話していた。

電子書籍はいつでもどこでも、タブレットと充電さえあれば読める。
電子書籍は紙と違ってスペースをとらない。
などと普通のことを言っていた気がする。

その時の僕は図書室の本で満足していたため、電子書籍の本を読んでいなかった。
電子書籍ねぇ、ふぅん…くらいしか当時は思っていなかった。

しかし、今は違う。
電子書籍を読み始めたから分かった。

電子書籍は高い。

あの先生は公務員だから、電子書籍をあんな大量に買えるのだと痛感した。

電子書籍は紙の本より、20~100円安い。
しかし、安いからといって、1000円の本が980円になるなど、ちょっとの差にしかならない。

僕が読む電子書籍は大体千円くらいなので、紙の本とさほど変わらない値段の電子書籍をバカスカと買っていたら、すぐにお金が尽きる。

・やはり古本、古本はすべてを解決する…!!

その時期に図書館にあった○○入門などの本を読んでいたおかげで、色々なことを知れた。

今はもっと深く掘り下げたものを読みたくなり、いわゆる専門書?を読むようになった。

しかし、専門書の大抵のものは電子書籍がない。
しかも、そういう重厚なものは新品で三千~五千円する。

僕にとって、三千円は高い。

高いけど読みたい…けど電子書籍もない…金もない…
近隣の図書館にあるか調べたが、やっぱりない…
ならどうするか

古本を買うしかない!


・古本といえば神保町

古本で有名な町、神保町。

先日、そこに行って、何冊か本を買ってきた。
新書が100円と、お手頃価格で買いやすい。
新品や電子書籍は出版時の値段とあまり変わらない価格をしているが、中古というだけで、100円で読めるとは。
しかも、古本独特の酸っぱい匂いもしない。

お目当ての専門書はなかったが、いろいろな本を買えたので大満足だ。

100~500円で、文庫本や新書を買えるのは大変ありがたい。最近は新書でも980円と、とても値段が高い。昔より値上がりしているように思える。

去年の七夕の時、ショッピングモールに飾られてあった七夕用の笹に、本の値段を安くしてほしいと、願いを書いた短冊をかけたのだが、一向に叶うような気がしない()

このまま本の値段が上がり続けたら、いつかツイッターで文化資本の格差が話題になってしまうのではないだろうか。

神保町にある、とある古本屋の一角


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