天孫降臨の国。宮崎県西臼杵郡。グーグルマップをゆく㊹
グーグルマップ上を適当にタップして、ピンがった町を空想歴史散策する、グーグルマップをゆく。今回は宮崎県西臼杵郡。
西臼杵郡には高千穂というところがあり、ニギギノミコトが天孫降臨した場所である。私は日本神話について知識が乏しく、神話を読み解く能力も持ち合わせていない。ニニギノミコトはクマソを退治しにやってきたのだろう。くらいの想像しか働かず、何を意味するかはわからない。
三毛入野命(みけいりののみこと)という人物がいた。ニニギノミコトのひ孫で、神武天皇の兄である。神武天皇が天皇即位前に日向の高千穂から奈良に向けて征伐に出た際、従軍した。
途中、暴風に遭い、三毛入野命は常世に渡った。つまり亡くなったと言われている。しかし、実は常世に渡ったのではなく、途中で神武天皇たちとはぐれてしまい、高千穂に戻ったとも言われている。
高千穂に戻った三毛入野命は、二上山の洞窟に住む荒ぶる神・鬼八を退治したという伝説が残っている。鬼八は相当に強く、不思議な妖術を使った。三毛入野命が何度打ち負かしてもすぐに回復し、やっとのことで退治したと思って土に埋めても一晩で息を吹き返して岩を投げて暴れたという。最終的には退治して頭と胴体、手足を切り離して別々の場所に埋めたところ、復活することはなかった。
その後、鬼八の怨念により、祟りによって早霜が降り、作物に被害を与えた。三毛入野命は高千穂神社に魂を鎮めるために猪を供えて祭りを行った。これが「猪掛祭」として今に受け継がれていると言われている。
ここからは少し、妄想を膨らませたい。明治以降、高千穂では硫砒鉄鉱(りゅうひてっこう)という砒素を含んだ鉱石が見つかった。ヒ素の代表的な鉱石鉱物で、古くは毒砂(どくしゃ)と呼ばれた。昭和には公害問題にまで発展する。
硫砒鉄鉱は、焼くとヒ素が分離して猛毒の亜ヒ酸ができあがる。これらは猛毒であるものの、ガラスのつや消しや緑色顔料、農薬、殺虫剤として大量に用いられていた。
鬼八は、岩を持って暴れたとある。ひょっとすると硫砒鉄鉱のことで、妖術とは亜ヒ酸だったのではないか?もちろん、化学的なことはわからなかったであろうが、何やら人を苦しませることのできるものだということ知り、それを使って暴れて好き放題していたのかもしれない。
鬼八亡き後、怨念によって作物被害があったと言われているのも、硫砒鉄鉱によるものだったかもしれない。
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