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連載小説 奪われし者の強き刃      第2章23話 「千代の休日 悠と過ごす昼」

中央部から帰還して林杏から報告を受けた悠は総司令のもとへやってきていた。

 悠:
 「以上が中央部であった出来事とその後の処遇です。」

 千代:
 「報告ありがとう。本当にどいつもこいつも市民の皆様と悠を巻き込まないと気が済まないのかねぇ。」

 悠:
 「千代さん、口調が戻ってますよ。」

 千代:
 「いいじゃない今は私と悠しかいないんだし。」

 悠:
 「よくないですよ。官邸ですよ家ならともかく。」

 千代:
 「仕方ないでしょ。仕事しすぎて疲れてるのよ。」

 悠:
 「俺が言うのもあれですが休んだ方がいいですよ。次の休みはいつですか?」

悠がそう聞くと、総司令はスケジュールを確認して

 千代:
 「3日後ね。それまでにはある程度やっておかないと。」

すると、総司令は何かを思い出したかのように

 千代:
 「そういえば、悠はこの前休みもらったんでしょ。何してたの?」

 悠:
 「桜たちと水族館や映画に行ってましたよ。」

 千代:
 「まさか二人きりとか。」

 悠:
 「いえ、みんなで行きましたよ。最近あいつらに構ってあげられなかったですし今度休みもらってまたあいつらとも過ごそうと思ってます。」

 千代:
 「そうなのね。ちなみに休みはいつとるの?」

 悠:
 「まだ決めてないですけど。近い内ですかね。」

 千代:
 「じゃあ、私と休み合わせない?」

 悠:
 「千代さんとですか?」

すると、夜行が急に人化して

 夜行:
 「ちょっと総司令さん。私たちのあるじ君を誘って何をするつもりかしら?」

 千代:
 「なんでもいいでしょ。私もたまには昔みたいに悠と過ごしたいの。」

 夜行:
 「あるじ君は私たちと過ごすの。」

 悠:
 「千代さん、夜行変な言い合いはやめてください。他の人に聞こえます。」

 夜行:
 「あるじ君もあるじ君よ。」

なぜか夜行の怒りの矛先が悠に向いた。

 夜行:
 「なんで業や姫たちとは添い寝するのに私たちとはしてくれないの?私たち結構長い付き合いだよ。」

 悠:
 「いや、流石にお前たちと寝るのは倫理的にアウトだろ。姫たちは子供だからいいんだよ。」

悠は冷静につっこんだ。

 夜行:
 「いいじゃない何もしないわよ。一緒に寝ましょうよ。」

 悠:
 「普通は自分の身を心配するんだぞ。わかったまた今度な。」

 夜行:
 「やったー-。約束ね。」

そして、夜行は刀の姿に戻った。

 千代:
 「大変ね。」

 悠:
 「まぁこのくらいのわがままなら安いですよ。休みの件ですが流石にそんなにすぐには取れないですが、時間を見つけて会いに行きますね。」

 千代:
 「本当!いいの?」

 悠:
 「はい、魔物次第ですが大事な会議や訓練はなかったので。」

 千代:
 「わかったわ。待ってるわね。」

総司令は悠を満面の笑みで見送った。

3日後、総司令はすごくそわそわしていた。

 千代:
 「いつ頃来るのかしら。いろいろ準備しないと。」

 智慧:
 「お姉ちゃんそわそわしすぎじゃない?悠兄来るとは言っても多分そんなに居れないでしょ。」

 千代:
 「そうかもしれないけど少しでも休んでほしいでしょ。それに・・・。」

 智慧:
 「それに?」

 千代:
 「あんなマウントとられて黙ってられるわけないでしょ。」

 智慧:
 「前から夜行たちと相性悪いよねお姉ちゃんって。特に悠兄のことになると。」

それから少しして、草薙邸の呼び鈴が鳴った。

 千代:
 「来たわね。」

 千代:
 「いらっしゃいよく来たわねってなんであなたたちまでいるのよ。」

総司令が扉を開けるとそこには悠と悠の武器が全員人化していた。

 悠:
 「すみません千代さん。絶対行くって聞かなくて。」

 夜行:
 「あなたが何もしないとは限らないからね。」

 千代:
 「何もしないわよ。失礼ね。」

 智慧:
 「あっ悠兄来たんだ。いらっしゃい。」

 悠:
 「智慧ちゃんお邪魔するよ。これお菓子ね。」

そう言って悠は菓子折りを渡した。

 智慧:
 「ありがとう。上がって。」

 悠:
 「みんな行くよ。」

そして、みんなでリビングへ向かった。

 悠:
 「さてとなにしましょうか。結構人数いますし。」

 千代:
 「ねぇ悠、みんなでこの映画見ない?」

総司令は1枚のDVDを取り出した。

 悠:
 「何の映画ですか?」

 千代:
 「最近話題のホラー映画。かなり面白いのよ。」

 悠:
 「相変わらず好きですね。いいですよ。」

 悠:
 「みんなはいい?」

全員了承したのでホラー映画を見ることになった。

映画を見終わると、時計の針は12時を回っていた。

 業魔:
 「悠、お腹すいた。」

 悠:
 「そうだな。お昼だもんな。」

 悠:
 「千代さんキッチン借りますね。」

 千代:
 「いいわよ。お昼はこっちで準備するわよ。」

 悠:
 「いえ、大丈夫ですよ。業も多分待てないでしょうし。パパっと作りますよ。」

そういうと、悠は手際よく調理していきあっという間に料理を完成させた。

 悠:
 「どうぞ、簡単なものですが。」

 千代:
 「ありがとういただくわ。」

 智慧:
 「いただきます。・・・相変わらずおいしいね。」

 悠:
 「ありがとう。」

悠のご飯を食べた総司令はお腹いっぱいになったのか眠ってしまった。

 悠:
 「やっぱり疲れてたんだね。ゆっくり休むように言っといて。」

 智慧:
 「わかった言っておくよ。悠兄も無理したら駄目だよ。」

 悠:
 「気を付けるよ。」

悠は夜行以外の武器を指輪に戻し、夜行を刀に戻して草薙邸を後にした。

翌日、総司令の顔からは疲れを感じさせないほどすっきりしていた。

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