2024年1月のジミーソウルラジオ

Jimmie Soul Radio、通称ジミソラジオはDJのジミーソウルさん(日本人)が"メロウ&グルーヴィー"をキーワードに素晴らしい楽曲を幅広く、心地いいお話とともに届けてくれるラジオ番組です。リラックスした雰囲気もありながら、音楽やそれにまつわるお話も盛りだくさんで私自身、毎週楽しみに聞いています。        
そんな大好きな番組についてもっと知ってもらいたいのと自分用のメモを兼ねて放送内容を文字にしてみました。野暮なこととは思いますが、まだ聞いたことのない方にも興味を持ってもらえたら最高です。
こちら香川県RNC西日本放送から毎週木曜日の夜11:00~11:30に放送していますが(2024年4月からは土曜日の19:00~19:30で再放送も始まりました)、ラジコのプレミアム会員になれば日本全国から聴取可能です。気になった方はぜひ聞いてみてください。


1月1週目(2024年1月4日)  ジミーさんインタビュー

1.The Faithful Brothers / Dance My Hurt Away
2.The Valentinos / Sweeter Than the Day Before
3.The Dayton Sidewinders / Slippin' Into Darkness
4.Maurice McAllister / Baby Hang On

2024年第1回目の放送です。昨年末からの放送300回を記念したメール紹介に加えてスペシャルな企画を行っていく回になりました。

まずはタキさんからのメールをご紹介。
タキさんといえばノーザンソウルといった感じかなと思いますということで現行のアーティスト、2023年の9月にアルバムを出したThe Faithful Brothers「Dance My Hurt Away」(楽曲1)から今年の放送はスタートです。

続いてはボブカットさんからのメールをご紹介。
今回300回記念のメールを募るなかで沢山の質問が寄せられたのでこの機会にジミーさんへのインタビューをボブカットさんにしてもらったそうです。こちら話が盛り上がりすぎて2時間くらいになったのでオンエアされる以外はボブカットさんのミックスクラウドにアップされるとのこと。

このあとはジミーさんへのインタビューの様子が放送されました。そこから一部を抜粋します。

ボブカットさん:僕がたぶん高校、大学くらいの時にレコード袋を持つみたいのが流行っとった時があったと思うんですけど、その時ジミーさんは東京とかにいたとかそういう感じですよね。
ジミーさん:いやもう地元の高松なんですけど、高松もまあレコード屋さんはありましたけど、どうですかね私の周りでレコード買ってる人は正直1人もいなくて、我々のトレンドはビームスのショッパーの袋を体操服入れたり部活の服入れたりそるのがもうイケてる高校生のスタイルですね。
ボブカットさん:ビームスはあったってことですか。
ジミーさん:ビームスありました今もあります。
ボブカットさん:そんなかでレコードどこで買っとったんですか。
ジミーさん:まぁその地元、当時はヴォイスさんというお店と今もあるルーツさんがちょうど私が高2くらいの時にルーツさんができて、まぁ地元のお店も当然行きつつあとはいわゆるレコードの催事。あるじゃないですかいろんなお店が集まって。催事のアルバイトは当時してたんで搬入搬出と催事会場の荷物を預かったりするやつはしてたんで催事でもらうアルバイト代を全部レコードに変えたりとか。あとやっぱ通販はもうしてましたよ高校の時は全然。
ボブカットさん:通販ってのはどこの通販っすか
ジミーさん:えっとソウルのレコードはそれこそボブさんは知ってると思うんですけどダウンステアは凄い使ってましたね。
ボブカットさん:あー、ダウンステア。名古屋の名店。
ジミーさん:いわゆるネタ系のソウルは安かったんで。
ボブカットさん:そうなんすか。
ジミーさん:はい。
ボブカットさん:そうだったんすね。いわゆる紙のやつですよね。
ジミーさん:そうそう紙の通販のリストで。
ボブカットさん:で電話とかFAXする感じですか。
ジミーさん:そうですねそれこそ手紙というか封筒にオーダー書いてみたいな世界だったと思いますよ。
ボブカットさん:その時いわゆるベーシックなネタものみたいなソウルとかってのを買ってた?
ジミーさん:いや、全然買ってないですねそういうの。ヒップホップを聴いてないんで。
ボブカットさん:ずっと7inch?
ジミーさん:いや最初はねちょっとLP買ってたんですよソウルのLPを。
ボブカットさん:じゃあ基本はソウルの…
ジミーさん:なんかソウルというか時はあのフリーソウルとかレアグルーブとかのムーブメントがあったじゃないですか、90年代後半。それであのレキシントンとかの再発でジャズファンクとかレアグルーブの再発がめっちゃでてたんですよ。
ボブカットさん:あー確かに時々中古屋で見るっすね。
ジミーさん:で私もギターを当時はまだ弾いてたんで割とプレーヤー指向的な聴き方をしていて‥そういういわゆるジャズファンクのデヴィッド・T.ウォーカーとかコーネル・デュプリーとかそういう人のギターがあるやつを買ってましたね当時は。
ボブカットさん:バンドやってたりとかもしてたんですか。
ジミーさん:バンドは正直そこまでバンドやるほどまではやってなくてそこまでいってないですね。
ボブカットさん:じゃあ好きでプレイもしてたし聴いてもいたっていう。
ジミーさん:プレイはもう早々に正直諦めてそういういったらデヴィッド・T.ウォーカーってギタリストがスゴイ好きだったんでデヴィッド・Tが入ってるやつをひたすらジャケットの裏見て探して買うみたいな。
ボブカットさん:それは単純にデヴィッド・T.ウォーカーを掘りたくてというか。
ジミーさん:まぁ掘りたくてというかいっぱい聴きたくてっていうそれだけっすね。
ボブカットさん:それで裏を見てっていう。なんか僕裏を見るっていうとデヴ・ラージさんとかが裏のやつを見ろみたいなのを本で読んで、あっそうやって裏見て探すんだみたいの知ったんですけどそういうのをナチュラルにやってたみたいな。
ジミーさん:ナチュラルっていうかだって裏見たらメンバー載ってるじゃないですかアルバムは。
ボブカットさん:まぁまぁ確かにそうっすね。
ジミーさん:それだけですよ。はい。
ボブカットさん:なんかまぁそこらへんがヒップホップの人だと誰かが使ってたみたいなところから入っていくんですけど、あんまりミュージシャンってとこにまだ僕その時は辿り着いてなかったです。
ジミーさん:まぁたまたま自分はそのギターに興味があったというだけでそれだけだと思いますよ。
ボブカットさん:その時はソウルジャズファンクとかフュージョンとかそういうのを聴いて。他には聴いてなかったですか。
ジミーさん:そうですねどっちかっていえばそういうファンクって言われるやつを主に、レアグルーブを聴いてましたね。
ボブカットさん:前なんかラジオとか時々出てたいわゆるハードロックみたいなのってのはその時はまだあらわれてない?
ジミーさん:いやもちろんずっと聴いてますね。だから小5くらいのときからハードロック、ヘビィメタルを聴いてたんで。
ボブカットさん:小5っすか。
ジミーさん:そうですね。たまたまいとこがそういうの好きで。
ボブカットさん:いとこ経由で聴いてた。
ジミーさん:そうですね。それで中学の時はそういう音楽をみんなCDをダブらないように買って貸し借りとかしてたんですけどなんかすぐ差別化を図りたがり少年だったんですよ。
ボブカットさん:(笑)
ジミーさん:そういうバンドもソウルとか主にブルースが多いんですけどそういう曲をカバーしててでブルースの元のほうを聴いてみようと。なけなしのおこづかいをはたいて買ったけど最初はよさに全く気付かないわけですよね。でも貴重なお小遣いを払って買ってるわけなんで何回も何回もとかいやこれはいいはずだと思って聴くわけですよ。いいものに聴こえてくるというかそれでいわゆるブラックミュージックの方にどんどんシフトしてった。それがまぁ中3とかですかね。

ここまでがインタビューの前半でした。ここでこのインタビューを行うきっかけとなった方からのメールをご紹介。
この方は岡山県の牛窓テレモークで行われたピーター・バラカンさんとのピンポンDJがきっかけになって番組を聴き始めたとのこと。そこにジミーさんについての質問があり、その質問に基づきインタビューが行われたそうです。
またボブカットさんから昔の気分に浸れるような楽曲とのリクエストがあり、先日はこのメールの方と同じ岡山県のコナポンさんからのリクエストでボビー・ウーマックの「It's Party Time」をオンエアしていました。
『そんなリクエストとかもらったらそっからこういろいろ連想して楽曲を思い出したりとか、改めて調べるきっかけをいつももらってるんですけど。ボビー・ウーマックがもっとスゴイ若いころにヴァレンティノズっていうグループにいてそれこそシカゴのチェスっていうレーベルから素晴らしいノーザンソウルの7inchを出してるんですよ。じゃあここで私の中で昔に浸るような気分の楽曲ということでお聴きください。ヴァレンティノズで「Sweeter Than the Day Before」(楽曲2)になります。』

ボブカットさん:僕の記憶だと2020年に一緒にイベントやってるんですよね。
ジミーさん:あれ2020年ですか。
ボブカットさん:たしか19か20かそれぐらいだと思います。
ジミーさん:私が岐阜にねたまたま行った際に。
ボブカットさん:そうそう。その時に英語1年くらい勉強してるんだっっていう話をすごい…
ジミーさん:あーじゃあもう結構コロナ直前くらいなんですかねあれはね。
ボブカットさん:でそれぐらいからインスタとかでもどんどん英語を使って投稿されたりとか、英文のポストが増えてきたりとかして、なんかあっホントに英語マジでやってんなみたいな思ったのスゴイ印象的で。その時しゃべっとったことでサーディアレコードの大橋さんに自慢するんだみたいな話してなかったでしたっけ。
ジミーさん:そうですねまぁ明確にこないだもねこの放送で言ったんですけど岡山にニュメロレコードのふたりロブとジョンが来たときに目の前にいるのに全然しゃべれなくて。当時もう番組持ってたんでもったいないな。だったらもう自分でやるしかないべって思ってそっから始めたんですよね。逆にもうこのジミソラジオでそういう人たちにインタビューするっていう目的のためだけにやったんで、まぁやって当時はねそれこそサーディアの大橋君も一緒に、一緒じゃないけど同じタイミングでオンライン英会話やってたんですけど、大橋君になめられちゃいけないなって思って(笑)。頑張んないとと思ってやってましたね。
ボブカットさん:かなり毎日のようにやっとったっていうイメージがツイッターとかを見る限りあって。どうやって。お子さんもいらっしゃるすんもね。
ジミーさん:いますよ。
ボブカットさん:どうやってその社会人がそういう時間作っとんのかっていうの結構我々世代の人みんな思ってるんじゃないかなと思うんですけど。
ジミーさん:どうすかね。でも世の中がコロナになって自宅にいる時間とか長くなって、そんなときは1日10時間くらいやってましたよ。
ボブカットさん:1日10時間すか!
ジミーさん:はい。
ボブカットさん:それココさんの昔のDJの練習時間と同じくらいやっとんすね。
ジミーさん:いやまぁココさんと並べられるほど大したことないですけどでも。さっき言ったように明確にインタビューしたいっていうのがあったんで。だったらまず聞けないとまずいじゃないですか。
ボブカットさん:そうっすね。うん。
ジミーさん:自分しゃべれなくても。聞けること分かんないとホントに失礼だし下手したら責任問題にも発展する可能性があるから本当に今でもですけど1日中聞いてますよ。
ボブカットさん:ホントにその英語のまま英語を聞き取るっていうか日本語に変えるとかってそういうレベルじゃなくて。
ジミーさん:まぁ自分では自分のことはわかんないですけど。まぁでもそういうのはやってないと思いますよ。いわゆる脳内で翻訳はやってないですね。
ボブカットさん:はぁーそういう。じゃあホントに時間を見つけてやってるっていう。
ジミーさん:そんな大したもんじゃないっすけどね。まぁあとね昼の仕事というか割と営業だったり外でたりするんでそん時はもうフリーダムですからね。
ボブカットさん:(笑)移動中の車とか。
ジミーさん:もうずーっと聞いてますよ。
ボブカットさん:すげえな。そこまでやるかどうかみたいな。なんかストレートなとこあるんですねジミーさん。
ジミーさん:でもスゴイって言ってもらうほど大したことしてなくて。だって音楽とか映画とか好きじゃないですか。
ボブカットさん:はい。
ジミーさん:英語をやる前も普通に日本語で見聞きしてたんですよね。やれ記事読んだりとか映画のポッドキャスト聴いたりとか。それを全部英語のものに置き換えてるだけだから苦はまったくないですよ。
ボブカットさん:ストレスもないんですか。
ジミーさん:まったくないし本当に面白いです。だって一次情報が拾えるじゃないですか。
ボブカットさん:まぁそうですね。
ジミーさん:だからまったく苦じゃないですよ。
ボブカットさん:でも聞き取れないとかそういうことも最初のほうはあったりするじゃないですか。
ジミーさん:今もいっぱいあります。
ボブカットさん:でもそれもストレスじゃない。
ジミーさん:全然ストレスじゃないですよ。
ボブカットさん:それよりも情報が入ってくることに喜びが勝ってるっていうか。
ジミーさん:あとなんか自分のことだけど面白くて。単に映画とか観てても日本語と英語が脳内で同時に鳴るんすよ。だから字幕を読んでるのと英語が直で入ってくる感じがあって。なんかOSがふたつあるような感じが今スゴイあるんですよね。
ボブカットさん:それ面白いですね。
ジミーさん:スゴイ自分のことだけど他人ゴトにのように面白いですね。あとは昔とかスゴイ聴いてたライブ盤のMCとかが何言ってるか分かるわけじゃないですか今。
ボブカットさん:そっかそっかそうですね。
ジミーさん:カーティス・メイフィールドのライブとか、ダニー・ハサウェイのライブとか。何言ってるか分かるんすよ。めっちゃ感動しますよ。
ボブカットさん:やっぱ改めて聞き直せるっていう面白さもあるんですね。
ジミーさん:そう。ホントに感動しますよ。

ジミーさんのインタビューはここまで。インタビューの続きはボブカットさんのアップしたものをチェックしてくださいとのこと。

この後はタカノブックさんからのメールをご紹介。タカノさんもラジオ巡りのツアーをし、先ほどお名前の挙がったサーディアレコードでウォーの7inchを購入されたそうです。
そこでウォーの楽曲をリクエスト。
ここでひねりを加えてオハイオのThe Dayton Sidewindersというものすごいカッコいいファンクグループがカバーしている「Slippin' Into Darkness」(楽曲3)をオンエア。

最後に本をご紹介。『シカゴ・ソウルはどう世界を変えたのか』帯にはピーター・バラカンさんの推薦コメントもついています。なんとこの著者のアーロン・コーエンさんとZoomをすることになったそうです!
ということで最近ジミーさんの中でシカゴソウルが熱いそう。そこで先ほど紹介されたヴァレンティノズと同様にシカゴを代表する名門レーベルチェスから出ている素晴らしいノーザンソウルを最後にオンエアです。「Ain't No Big Thing」というスーパークラシックチューンでお馴染みのThe RadiantsというグループのリードシンガーMaurice McAllisterの「Baby Hang On」(楽曲4)。

このあとはメール募集の呼びかけなどを行い番組は終了となりました。

https://m.mixcloud.com/bkfinest/interview-with-jimmiesoul/


1月2週目(2024年1月11日) nu_soulさん、こも選曲回

1.The Impressions / Sooner or Later
2.Men I Trust / Ring of Past
3.Jungle / Dominoes
4.Otis Kane / Smile
5.Ohtoro, Nick Kurosawa / Sugarmoon Son feat. Maryanne Ito
6.Mckinley Dixon / Run, Run, Run
7.Ghostface Killah / Forever
8.The L.B's / Gazing Lovingly feat. Rezin Tooth

先週の放送最後に紹介していたアーロン・コーエン著『シカゴ・ソウルはどう世界を変えたのか』。こちらが本当に面白くその影響でジミーさん自身もシカゴソウルブームが来ているそうです。そこで今週はシカゴソウルからスタートです。お馴染みインプレッションズ。ですがカーティス・メイフィールドとリロイ・ハトソンが抜けたあとの1975年『First Impressions』に入っている「Sooner or Later」(楽曲1)をオンエア。

この後は2週目の企画で私(こも)が出演し選曲をさせていただきました。
ジミーさんから流れの説明が行われた後さっそく曲へ。
私(こも)の選曲1曲目Men I Trustは「Ring of Past」(楽曲2)
今回の3曲は2023年に選びきれなかったなかから紹介をさせていただきました。カナダの3人組によるシングル。こちらロースケート場でのビデオも甘酸っぱい素晴らしいものになっています。

ここで今回の選曲をしていただいたnu_soulさんをご紹介。ジミーさんから事前に依頼し曲とコメントをいただきました。
ここでそのnu_soulさんの1曲目。 Jungle「Dominoes」(楽曲3)
ロンドンのプロデューサー二人組が2023年にリリースした最新アルバムから。こちらは「Back On 74」も最高とのこと。
またこのアルバムはColemineレコードのTerry Coleさんもインスタグラム上で2023年のベストのひとつに挙げていたそうです。

私(こも)の2曲目はOtis Kane「Smile」(楽曲4)
こちらはLAのマルチインストゥルメンタリスト。穏やかなギターも声も素晴らしいです。

nu_soulさん2曲目は Ohtoro, Nick Kurosawa「Sugarmoon Son feat.Maryanne Ito」(楽曲5)
ハワイの日系トラックメイカーOhtoroさんが2023年に出したアルバムからMaryanne Itoさんをボーカルに迎えたスロウな1曲。同じくAloha Got Soulレーベルからアルバムを出している人気のNick Kurosawaさんがコーラスで参加しています。ハワイのミュージシャン達が脇を固めた『Univibes』は素晴らしいソウルアルバムでおススメとのこと。

私(こも)の3曲目Mckinley Dixon「Run,Run,Run」(楽曲6)
こちらも去年リリースされたアルバム『Beloved! Paradise! Jazz⁉』からの1曲になります。生演奏でソウルフルな感じもあるかなと思い選んでみました。

nu_soulさんの3曲目は Ghostface Killah「Forever」(楽曲7)
アルバム『Ghostdini : Wizard of Poetry in Emerald City』からの1曲。ソウルフルなヒップホップといえばその後のBadbadnotgoodジョイントアルバムも最高だったご存じニューヨークのヒップホップクルーWu-Tang Clanのメンバー。The Whatnautsの「We'll Always Be Together」を早回しでサンプリングした70'sソウル感たっぷりな名曲ですとのこと。

ここで世界に先駆けてシアトルのレーベルWax Thematiqueからの音源をお届けします。Joel RicciさんのプロダクトFunkwaysの新しい7inchが2月にリリースされます。そちらから今回はB面のThe L.B's「Gazing Lovingly feat. Rezin Tooth」(楽曲8)を特別にオンエア。

曲が続く中ジミーさんからnu_soulさんのインスタグラムアカウントをフォローしチェックしてもらえたらと思いますといったお話があり、そのまま番組は終了となりました。

1月3週目(2024年1月18日) 『Move On Up シカゴ・ソウルはどう世界を変えたのか』著者、アーロン・コーエンさんインタビュー

1.6 Pak / There Was A Time
2.思い出野郎Aチーム / 愛とパーティー
3.Curtis Mayfield / Move On Up
4.Curtis Mayfield / So In Love

この週はスタジオにJPさんがご出演。JPさんと軽く挨拶をした後にミスターブルースカイさんからのメールが紹介されます。
その中で最後にケブ・ダージさんとトレードしたレコードについての質問がありました。それについてはマイアミのシックスパックというオブスキュアなグループの「There Was A Time」(楽曲1)で、ジェームス・ブラウンのカバーだそうです。その楽曲1をここでオンエア。

ここでジミーさんも出演するパーティーのお知らせ。JPさんが主宰するパーティーが2月2日スペシャルゲストにサモハンキンポーさんを迎えて行われます。
そのサモハンさんも在籍する思い出野郎AチームからJPさんの選曲。「愛とパーティー」(楽曲2)

ここからは最近ジミーさんが大プッシュしている書籍「Move On Up シカゴ・ソウルはどう世界を変えたのか」の著者、アーロン・コーエンさんへのインタビューをお届けします。

まずアーロンさんからの挨拶に続き日本版が出版された経緯について聞いています。

(インタビュー音源)
オリジナルの方は2019年にアメリカで出版されましたが他の国で翻訳されたバージョンが欲しいと思っていました。こちらの原書を書く際にも日本でリイシューされたシカゴソウルやシカゴブルースの音源を聴き、文献にあたったりと日本の資料をたくさん使用したので日本には大変ゆかりのある本です。この音楽のテーマや日本からのどういったアプローチがあったかということにも興味があってぜひ日本語版を出したいと思っていました。そうした中でアメリカの出版社であるシカゴ大学出版局が日本の出版社と協力して日本版を出せることになりました。

続いてこの本はどのようなどのような意図をもって書かれたのかと質問しています。

(インタビュー音源)
アーロンさんはシカゴに住んでいてシカゴのソウルミュージックの一環である関係者の声を多く取り入れたかったそうです。
この本自体は1950年代後半から1980年代半ばまでのシカゴのソウルミュージック、リズムアンドブルースに関するものですがその期間及び以後にも音楽に関するイベントは当然沢山あったのでそれらも含める必要がありました。音楽を創造した人々の声をできるだけ多く取り入れたかったのでこの本の為に約120名にインタビューしました。
そのうちの多くの人は当時インタビューしたときもシカゴに住んでいたそうです。プラス当時のニュースレポート、雑誌、新聞、ラジオ放送などのメディアについてもチェックを行ったそうです。

次にそれだけのインタビューが行われたとのことでどれだけの執筆期間がかかっているのかを聞いています。

(インタビュー音源)
最初にインタビューを行ったのは1997年。この本の為ではなく記事の為でした。その相手はテリー・キャリアーという素晴らしいシンガーソングライターです。彼の自宅で話を聞きました。
その後にアーロンさん自身はダウン・ビートというジャズ雑誌の編集者であったためインタビューを行っていき、その中で本にしたいという気持ちになっていっいたとのこと。そして2010年に本にする契約を出版社と結び本として書きたいというアイディアが始まりました。そこから具体的に本を書くために数多くのミュージシャン音楽関係者にインタビューをしていき、2013年に出版社と契約を交わし、2016年にこの本に専念できるように助成金を受けたそうです。
2016年からの1年間は本を書くことに専念し、2017年に出版社へ提出しました。そしてめでたく2019年に出版されることになりました。なので2013年からとカウントすると6年ですがインタビュー自体は1997年からインタビューしてきたものの集大成となっています。

120名にインタビューしたとお話されているい通り沢山の人が本の中に登場しますが中でも印象に残った人はいますかと聞いています。

(インタビュー音源)
特にテリー・キャリアーとシル・ジョンソンは印象的でした。彼らの音楽が非常に異なっているのは明白だと思いますが彼らの個性も非常に異なります。経験もまた異なります。また私が出会った他の多くの面白く素晴らしい人もいます。シンガーのジャッキー・ロス、ミッティ・コリア、チャカ・カーンなどは皆、異なる音楽と異なる経験を持っています。本で確立したかったことの1つは経験と音楽がどれほど多様であるかということです。個々の人々がそれぞれ異なるため1つのシカゴのサウンドはないと言いたかったのです。人々は私に尋ねます、「シカゴには特有のサウンドがありますか?」と。いいえ、多くの異なるサウンドがありますといつも答えています。テリー・キャリアーとシル・ジョンソンはまったく似ていませんでした。カーティス・メイフィールドも非常に影響力があり重要なことを自分のやり方で行ったミュージシャンですが彼もまた違いますよね。カーティスメイ・フィールド自体は本の全体に渡って存在しますが彼も含めすべてのミュージシャンがそれぞれに違う音楽のアプローチで違った音楽をしていて、それがシカゴ・ソウルの特徴という感じですかね。

ここで1曲アーロンさんに選んでもらいました。
(アーロンさんからの曲紹介で「Move On Up」(楽曲3)をオンエア)

こちらの『Move On Up』は音楽のみならず当時のアメリカの政治情勢、公民権運動やいわゆるブラックパワームーヴメントと音楽が生み出された背景のことがものすごく詳細に書かれており、音楽の歴史とアメリカの歴史そのものを学べる本ですよねとアーロンさんに伝えています。

(インタビュー音源)
南部のソウルミュージックや公民権運動に関する本は以前から存在しました。ピーター・ギュラルニックの『スウィート・ソウル・ミュージック』がその1例です。またモータウンやデトロイトに関する本もありました。スザンヌ・スミスの『ダンシング・イン・ザ・ストリート』がその1つです。ただシカゴに関してはこういった本はなく、公民権運動は音楽が非常に重要であると感じていました。もちろん音楽自体が公民権運動にも深く関与していました。そしてシカゴの最もよく知られたソウルシンガーのひとりジェリー・バトラーは最終的にシカゴの政治家になりました。
このあたりの話は本の中でも語られています。
音楽と政治がシカゴで結びついていて最もよく知られた歌手の1人が地元の政治家になるならそれについての本が必要だと感じました。それが私の考えです。それに加えてシカゴでは公民権時代に多くの重要な出来事が起き、多くの重要なイベントがありました。公民権運動の後にはシカゴで多くの黒人向けのビジネスが始まりました。シカゴのレコード会社もしばしば黒人所有のビジネスでした。それはすべて同じ精神の一部でした。さらにシカゴ発祥の「ソウル・トレイン」のようなテレビ番組も公民権運動から生まれました。だからこそこれらの要素を包括的な形で語る本が必要だと思ったのです。

アーロンさんへのインタビューはここまで。
そのあとはツイッターにて呼び掛けていたあなたの好きなカーティス・メイフィールドの曲から1曲オンエア。「So In Love」(楽曲4)。

この後はJPさんよりメール募集などの呼びかけが行われ番組は終了となりました。


1月4週目(2024年1月25日)

1.思い出野郎Aチーム / 君と生きてく
2.Eki Shola / Kaeru (還)
3.Isaiah Collier / Open The Door (Feat. Jimetta Rose)
4.Gene Chandler / Nothing Can Stop Me
5.Gene Chandler / All About The Paper
6.The Ringleaders / Baby What's Happened To Our Love?
7.The Temptones / Girl I Love You

今週もジミーさんの自称マネージャーJPさんがスタジオに。前回もアナウンスありましたが、この放送の翌週にサモハンキンポーさんを迎えてパーティーが行われます。サモハンさんは東かがわでは大人気なのでジミーさんがむしろアウェーになるのかもしれませんとのこと(笑)

ここでJPさんの選曲で思い出野郎Aチームの楽曲をオンエア。今週選んだ曲は「君と生きてく」(楽曲1)でした。

この後もいい曲を紹介していく放送になりました。
年末からメールを紹介していく中でピーター・バラカンさんと岡山で共演したことは大きかったと改めて感じたそう。
そんななか、そのイベントが行われた岡山県の牛窓でレコーディングされた音源をアーティスト本人から受けたったそうです。その楽曲をご紹介。Eki Sholaさんで「Kaeru (還)」(楽曲2)

この方はロンドン生まれで今はサンフランシスコのベイエリアをベースにし、日本にも頻繁に来ているようです。こちらは彼女のアルバムからのリードシングルで、アナログレコードを彼女のホームページから購入することもできます。

次に紹介するのはシカゴとニューヨーク、ブルックリンをベースに活動しているIsaiah Collierさん。彼のリリースした『Parallel Universe』というアルバムが素晴らしい内容だそうです。そこから「Open The Door」(楽曲3)をオンエア。

ここでJPさんからジミーさんへどのようにミュージシャンを探しているのですかと質問。
ジミーさんの答えは今月2週目に選曲してくださったニューソウルさんのプレイリストを参考にしたりしているとのこと。というのは半分冗談でインスタグラムで知ることが多く、また最近はミュージシャンの方からコンタクトを取ってきてくれることも多いそうです。

ここからはシカゴソウルをいっぱいかけていきましょうとジミーさん。
シカゴソウルでジーン・チャンドラーが凄い好きなそうですが、ジーン・チャンドラー好きの中ではそんなに聞かないなという曲を紹介とのこと。時代は60年代と80年代初頭と距離はありますが、2曲続けてかけていきます。「Nothing Can Stop Me」(楽曲4)と「All About The Paper」(楽曲5)になります。

ボブカットさんのインタビューを聞き、98年に高松にケブ・ダージさんが来ているというのを初めて知りましたとJPさん。それはインタビューでも語っていたようにジミーさんの人生を変えたような衝撃的な1夜だったそう。
その高松にケブ・ダージさんが来た98年の時の会話の中でシカゴソウルに関することがあるそう。
『シカゴのエムパックというまぁまぁマイナーなレーベルのリングリーダーズっていうグループの「Baby What's Happened To Our Love?」という曲の7inchを私多分もってたんすよね。この曲は持ってるって言ったらケブさんがレコードをまた別のレコードを探してきてこの曲が好きだったらこの曲が似てるから絶対こっちも好きだって教えてくれたのがテンプトンズっていうグループの「Girl I Love You」ですね。でテンプトンズって言ったらあのアレですよダリル・ホール&ジョン・オーツのダリル・ホールがいたグループなんですよ。でリングリーダーズをかけてくれてテンプトンズを高松で98年にケブさんのレコードから選んでかけさせてもらったっていう私個人的には凄い本当にイベントだったので今日は最後この2曲で終わりましょう。リングリーダーズで「Baby What's Happened To Our Love?」とザ・テンプトンズの「Girl I Love You」になります。」

このあとはJPさんからのメール募集などの呼びかけが行われ番組は終了となりました。


1月のプレイリスト

放送でオンエアされた曲をまとめてみました。見つけられなかった曲や放送時と違うバージョンもありますが、ご了承ください。
・アップルミュージック


・スポティファイ


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