2022年12月のジミーソウルラジオ

”ジミソラジオ”ことJimmie Soul RadioはDJのジミーソウルさん(日本人)が"メロウ&グルーヴィー"をキーワードに素晴らしい楽曲を幅広く、心地いいお話とともに届けてくれるラジオ番組です。リラックスした雰囲気もありながら、音楽やそれにまつわるお話も盛りだくさんで私自身、毎週楽しみに聞いています。        
そんな大好きな番組についてもっと知ってもらいたいのと自分用のメモを兼ねて放送内容を文字にしてみました。野暮なこととは思いますが、まだ聞いたことのない方にも興味を持ってもらえたら最高です。
こちら香川県RNC西日本放送から毎週木曜日夜11:00~11:30の放送してますが、ラジコのプレミアム会員になれば日本全国から聴くことができます。気になった方はぜひ聴いてみてください。


12月1週目(2022年12月1日) JPさん、ナカバさん出演回

1.Mac Gregor / Nan Ye Lilan
2.Khruangbin / So We Won't Forget
3.Robohands / Leaves
4.Lee Fields & The Expressions / Precious Love
5.Bobby Oroza / Strange Girl
6.Lady Wray / Do it Again
7.Chocolat Plus / I Feel Pretty

今週はリスナーひできちさんのメールからスタート。クルアンビンの東京でのライブに行かれたそうで、開演前の客入れSEで気になった曲Mac Gregor「Nan Ye Lilan」 (楽曲1)を紹介してくれました。もちろんライブも最高だったとのこと。
ジミーさんはライブに行けなかったそうですが、大阪公演に行ったというJPさんがスタジオに。感想をきかれ、JPさんもかなり控えめに言っても最高でしたと話していました。
ここで楽曲1.のオンエア。

この曲は2018年に再発でレコードも出ていますが、元は1981年にアフリカコートジボワールの女性ソウルシンガーMac Gregorが残した楽曲。
JPさんは公演前のSEについて酔っ払って覚えていないとのこと。
ジミーさんの元には週末、定期的、不定期?に泥酔したJPさんから立て続けにメールがくるけど全部シカトしているそう笑。クルアンビンのときもめちゃくちゃ来てましたねとジミーさん。
とにかくライブは最高だったということでJPさんから今の気分でクルアンビの「So We Won't Forget」(楽曲2)を選曲、オンエア。

単純な感想として3人で演奏しているのが信じられない。音の薄さが感じられないと語り合うおふたり。
ライブも3人だけで行われ、JPさんは特にベースのローラ・リーさんがお好きだそう。
このままだとぼんやりライブレポートで終わっちゃいそうなんで私のほうからこの2曲を受けて1曲ご提案させてもらいますとジミーさん。紹介するのはRobohandsさんでロンドンのコンポーザー、マルチインスタルメンタリストです。アルバム『shaps』に収録されている「Leavesl」(楽曲3)をご紹介。

ここからはナカバさんがご出演。先月アナウンスしたBig CrownのミックスCDに向けた意気込みをきいています。

ジミーさん:はい、ナカバ君こんばんは。
ナカバさん:こんばんは。今日もよろしくお願いします。
ジミーさん:前回ですね今後のナカバ・コタジマプロジェクトとして、とりあえずニューヨークのインディペンデントソウルレーベルBig CrownのオフィシャルミックスCD、ミックスが発表できるように動いていこうってことに私が勝手にしたんですけど。
ナカバさん:(笑)そうですね。Big CrownかTimmionかみたいなところでしたけど、まぁBig Crownで。はい。
ジミーさん:Big Crownということで今日はですねナカバ君の選ぶ、こうBig Crownって2016年からですねやってるレーベルなんですけどそのBig Crownのカタログのなかでナカバ・コタジマが選ぶBig Crownのトップ3、ベスト3を紹介してもらってリスナーの方にもナカバ君の選ぶBig Crownの世界観っていうのはこういうことっていうのをちょっとねシェアしてもらおうかなと思うわけなんですが。早速もう1曲目のご紹介よろしくお願いいたします。
ナカバさん:それでは1曲目Lee Fields & The Expressionsで「Precious Love」(楽曲4)です。そうぞ。

ジミーさん:はい、1曲目はLee Fieldsということで。Lee Fieldsはもうでもリバイバルって言っても90年代だから、90年代後半のいわゆるソウルのリバイバルって言われるなかでももう20年超えるんでね。完全に自分がいま40何歳っていうのを実感しているわけなんですけど。その90年代末のいわゆる最初のリバイバルの中で発掘されたシンガーですよね。Lee Fieldsはね。
ナカバさん:そうですね。あのとき出たときはそんな引っかかるもの、まぁ自分もこういう音楽にあまり深く興味持ってなかったところもあったりしたんですけど、やっぱりこのBig Crownでこうリリースしてバーンと出てきたときにおおーって感じ取るものがありました。
ジミーさん:あっ、そうなの。
ナカバさん:はい。えっ、
ジミーさん:というのはちょっと意外で結構Lee Fieldsがリバイバルで出てきたときはかなりそのディープファンクシーンっていうか、そういうDescoからでてきたと思うんですけどSteam Trainの曲とか結構みんな好きでかけてたりなんかして。かなり話題になったんですけどそんとき当時はナカバ君はヒップホップを聴いてたと。
ナカバさん:そうすね。まぁ一応ファンクも聴いてたんですけどそん時に新譜のファンクのNew Mastersoundsとかいろいろ出てたと思うんですけど、その中でのLee Fields、なんか他のバンドを凄く聴いてたのとLee Fieldsはこういう感じかと思って割とスルーしちゃってた気がするんですよね。1枚アルバム出てそれ通しで聴いて1曲だけたしかシングル買った気がするんですよね。
ジミーさん:なるほど。まぁそこに繋がってくるんですけどこのBig Crownのレコードレーベルのファウンダー創始者はLeon Michelsって人で、その彼は10代からもうプロデビューしてて当時はMighty Imperialsってバンドでデビューして、でそこからもアルバムとかリリースしてるんですけど、その彼らがバックを務めたりなんかをしてその彼は後にTruth & Soulレコードレーベルやって2016年から改名してBig Crownって背景があるんですが。そんなニューヨーク。ニューヨークの人でLee Fields、あとSharon Jonesのバックなんかもしたホント腕利きのミュージシャンのひとりであるわけですが。それのレーベルの音源をナカバ君が今回選んでるわですけどじゃあ次2曲目いきましょうか。
ナカバさん:はいそれでは2曲目Bobby Orozaで「Strange Girl」(楽曲5)です。どうぞ。

ジミーさん:2曲目はもうお馴染みBobby Orozaの曲ですけど。これレコーディング自体はフィンランド、Timmionのメンバーとやってるんですかねコレも。
ナカバさん:そうですね。バックバンドはお馴染みCold Diamond & Minkが担当してますね。
ジミーさん:なるほど。この曲もなんかBobby Orozaの曲聴いて最近思うのはなんかソウルミュージックって言うかシンガーソングライターっぽいなっていう印象が強まってて。ていうのはライブの映像見てもギター弾きながら歌ってるし。私はちょっとそういう印象があるんですけど。どうでしょう。
ナカバさん:自分も同感です。もうホントにソウルミュージックってよりかはなんかちょっとサイケデリックなところだったりですとかを垣間見れたりするので、なんですかねBobby Orozaっていう音楽のジャンルになってくるのかななんていうふうにライブを観ながら思ったりもしてました。あ、でこの曲自体は実はカバー曲になるんですよね。2016年にさっきジミーさんから名前がでましたLeon MichelsのEL Michels Affair。でそのEL Michels AffairがShacksを迎えて「Strange Boy」っていう曲を先行してだしてるんですよね。でそれのカバーっていうことでボビーのカバー、ストレンジガールをだしました。
これはアルバムの中にも入ってなくてシングルオンリーの曲になりますね、はい。
ジミーさん:なるほど。じゃあまあ今日トップ3ということで3曲目お願いいたします。
ナカバさん:はいそれでは最後3曲目Lady Wrayで「Do it Again」(楽曲6)です。どうぞ。

ジミーさん:こちらは2022年1月にだしたアルバム『Piece of Me』がもうズバリ傑作とみんな言っているLady Wrayの。このレーベルのデビュー曲でしたっけ。
ナカバさん:そうですね。このBig Crownからのファーストシングルになります。
ジミーさん:これいいっすよね。
ナカバさん:いやー最高ですね。もうBig Crownを知ったきっかけがまずこの曲かもしれないですね。
ジミーさん:あっなるほど。
ナカバさん:多分この曲だったんじゃないかなと思うんすよね。他にもリリースでてたと思うんですけど、やっぱりこの曲の破壊力ホント半端ないなーっていうふうに思ってて文字通り自分が現場にDJ行くときは毎回入れていく曲ですね。
ジミーさん:とはいえですね私の意見としてはこの曲は割とまぁオーセンティックなソウルチューンって感じなんですけど、さっき述べました『Piece of Me』の方は更に新しいことに挑戦、2000年代初頭とかにヒップホップとかR&Bでやってた早回しをいわゆるサンプリングを早回しを現行ソウルでやってドラムの質感とかかなりタイトでもう2022年最高の現行のソウルミュージックを作り上げたと言っても過言ではないと思ってるんですけど。
ナカバさん:間違いないですね。
ジミーさん:更に最近インストがでたんですよね。インストアルバムがね。
ナカバさん:でましたね。
ジミーさん:なのでそのサウンドプロダクションも楽しめる。Bobby Orozaのアルバムのインスト盤もでてましたよね。
ナカバさん:あっ、でてますね。
ジミーさん:やっぱりナカバ君の好みとしてはこうあくまで軸足はソウルミュージックの曲がいいって感じですよね。今日の3曲聴いても。
ナカバさん:そうですねーやっぱりその手の曲が大好きになるんでそうなってくるんですけども、ミックスではホントにいろんな今回3曲紹介させていただきましたけどここに入れられなかったアーティストさん、曲っていうのも沢山あったりするので楽しめる内容でふんだんに盛り込めたらななんていうふうに思ってます。
ジミーさん:2023年からはミックスとこのプロダクションの進捗に合わせてまた番組のほうに面白い情報届けてもらえたらと思います。
ナカバさん:これからもよろしくお願いいたします。
ジミーさん:こちらこそ引き続きよろしくお願いいたします。

この週最後に紹介するナンバーはこの番組ではもうお馴染み、あのWindyのキーボード・ピアニスト藤野さんのバンド、Chocolat Plusのニューアルバムがでました。2022年11月にリリースされましたセカンドアルバム『Au Théâtre』はフランス語で劇場という意味のようです。その中から「I Feel Pretty」(楽曲.7)をお届け。こちらのアルバムはライブ会場およびホームページから注文できます。ショコラプラスで検索するとでてきます。

この後JPさんがメール募集などの呼びかけを行い、「あなたに逢えない時は」の7inchをJPさんからも購入できるようになることがその場で決まり番組は終了となりました。



12月2週目(2022年12月8日) ジミーさん1人回

1.Cole Williams with Soul Tune Allstars / Organized
2.Carmy Love / In The Morning
3.Leonhart Brass Band / Snake Oil
4.Chicken Grass / Have A Break
5.Original Love / 侵略
6.Sam Dees / It's Over, Nobody Wins
7.ILLSUGI × YASU-PACINO / Sunlight

今週はあるミュージシャンのインタビューを入れられるかなと空けていたそうですが日程調整が上手くいかなかったため、ジミーさん1人でお届けです。現在インタビュー予定が5件ほどあるとのこと。
ただ色々嬉しいニュースがあるそう。以前インタビューをお届けしたCole Williamsさんの7inchがスウェーデンのSoul Tuneレコードから出ました。ただインタビューの際はA面が「A Better Woman」、B面「How We Care For Humanity」とアナウンスしていましたが、B面の方の曲は「Organize」となりました。日本ではSAADIA Recordsでのみ取り扱いがあります。SAADIA Recordsの大橋さんに連絡すると毎回「いや~すいません。最近ラジオ聞けてなくて」と言われるそうです笑。
ここで「Organize」(楽曲1)をオンエア。

ZOOMインタビューでも言っていましたがCole Williamsさんアルバムも準備中とのこと。また彼女のストリーミングサービスでの再生回数ナンバーワンが日本だったので連絡をくれたそうです。

今日もSAADIA Records大橋さんに聴いてもらえるようなラジオ番組にしていきたいんですが、ということで2曲目も女性ボーカルの楽曲をお届け。こちらも以前ZOOMインタビューに出てくれたロンドンBig ACレコードのCarmy Loveさん。7inchに入る曲でレーベルのソフィさんが送ってくれたそうです。
ここでCarmy Love「In The Morning」をオンエア(楽曲2.)

ホントBig ACレコードもSoul Tuneレコードと並んでレーベル買いをしていくべきレーベルかなと思いますねとジミーさん。

続いてはリスナータカノブックさんからのメールをご紹介。以前この番組でも取り上げられた映画『アザー・ミュージック』が12月9日より豊岡劇場映画センターで観れるそうです。この映画がニューヨークのレコード店のドキュメンタリーであることから続いてはニューヨークの新しいインディペンデントレーベルの楽曲をご紹介。レーベル名はMighty Eye Recordsで、Leonhart Brass Band「Snake Oil」になります。(楽曲3.)

Mighty Eye Recordsはニューヨークブルックリンということで“specializing in original funk, disco and soul music”と書いてあります。
インスタグラムのフォロワーはまだ300人強なのでぜひぜひみなさんフォローしてみてくださいとジミーさん。
あとDaptoneなどの周辺のミュージシャンが作った10th Streetという新しいバンドがあり、そちらの音源もリリースしています。そちらの方はどちらかというとブギーっぽいものだったりのインストナンバーになっております。

続いては以前番組で紹介したフィンランドのChichen Grass。アルバムがリリースされてますのでそこからご紹介。このChichen Grassのリーダーミッコさん(フィンランドのJPさん)がよく酔っ払い、たくさんジミーさんへDMを送ってくるそう。フィンランドはロシアと隣接しまだ戦火の中でレコードの到着が遅れていますが、届いたらジミーさんへも送るのでそのタイミングでZOOMしようという話になっているそうです。「The war is here still. I hope it ends.」とメッセージをくれたそう。
1日も早くこのような状況が終わって欲しいという願いを込めて彼のバンドChichen Grassの楽曲を紹介します。基本的にアルバム通してかっこいいファンクと彼らスワンプソウルと呼ぶ、ニューヨークのスワンプミュージックとソウルを足したサウンドを作っています。アルバムの中からとびきりファンキーな曲Chichen Grass 「Have A Break」(楽曲4.)をオンエア。

続いてジミーさんの思いを田島の兄貴がズバリ代弁してくれているということでその楽曲をご紹介。オリジナル・ラブのニューアルバムがでました。タイトル『Music, Dance & Love』より1曲目「侵略」(楽曲5.)

「ミッコさんすごい面白い人で私にですね久保田利伸さんのユーチューブの動画をリンクを送ってきてこの日本のプリンスは知ってるか?って言われて知ってるも何も超有名な人ですよって言ったらよし分かったメールをしてみるって言ってたんで今回の放送もミッコさん送りますんでこれぜひ田島貴男さんにもメールして欲しいですね。コラボレーションとか楽曲提供のオファーでねそんなことを期待しております。」

続いては高松のROOTS RECORDSで久々にCDを買ったというジミーさん。『MASTERPIECES OF MODERN SOUL VOL.6』イギリスはAce / Kentという再発レーベルの人気シリーズの第6弾ということで、今回は2020年1970年代1980年代前半の未発表曲がかなり入っているそうです。この中にMaggabrainの「Have A Good Time」という曲が入っていいて、その名前からしてFunkadelicからバンド名が取られているグループです。ライナノーツにSam Deesの「It's Over, Nobody Wins」という楽曲のバックバンドはMaggabrainと書いてあり「うわっ、まじか!」と興奮してジミーさんは入浴しながら読んでいたライナノートを湯船に落としてしまったそうです。
「It's Over, Nobody Wins」(楽曲6)をオンエア。

今週最後に紹介するのは新しいビート集がでたこの番組ではおなじみYasu-Pacinoさん。今回はIllsugiさんとYasu-Pacinoさんということで「Sunlight」(楽曲7)をお届け。

このあとはメール募集の呼びかけなどを行い番組は終了となりました。


12月3週目(2022年12月15日) Nathan Johnstonさんインタビュー

1.Nathan Johnston & Angels Of Libra / Nine Angel Choirs for Christmas
2.Nathan Johnston & Angels Of Libra / In a Different World
3.Charles Bradley / The World (Is Going Up In Flames)
4.Nathan Johnston & Angels of Libra / All Your Love

クリスマスまであと1週間と少し。この番組では意識して曲をかけるといったことはしてきませんでしたが今回はクリスマスソングからスタートです。
Nathan Johnston & Angels Of Libra「Nine Angel Choirs for Christmas」(楽曲1)をオンエア。

今週はこちらの楽曲でもボーカルをとっていたNathenJohnstonさんとのZOOMの様子をご紹介していきます。

(BGMでCurtisに続いてネイサンさんの自己紹介)
以前番組では彼らの楽曲「Curtis」を紹介していますが、この曲も入ったアルバムが先日リリースされました。それが素晴らしい内容だったので今回インタビューをオファーさせてもらいましたとジミーさん。
まずはこのCurtisという楽曲についてきいています。

(インタビュー音声)
このカーティスを含む今回のアルバムのレコーディングは背景がちょっと奇妙だそう。2019年に彼がドイツハンブルグに住んでいた時にこのプロジェクトが始まリました。エンジェルスオブリブラのリーダー・ギタリストのDennis Ruxさんに会って1曲だけレコーディングしましたが、その後彼のスタジオが大規模火災に遭いレコーディングしていた音源の9割を失ってしまったそうです。
アルバムのコンセプトとして最初はソウルレビュー方式、MotownとかStaxとか最近ではDaptoneダップトンでもやっているいろんなシンガーがフィーチャリングボーカルで登場するスタイルを採る予定でした。しかしインストゥルメンタル、バックのトラックは残っていたけど録音したものがほとんど焼失してしまい、そんな中でネイサンに声がかかり今回のアルバム全てを歌うことになりました。
楽曲「Curtis」ですが、もちろんあの伝説のソウルシンガーCurtis Mayfieldにインスパイアされたもので彼の音楽こそが真のソウルミュージックであり心の底から湧き出てくるものだと語ります。
作詞もネイサンがしていていてCurtisの後に"Do you wanna be a star?"スターになりたいかい?と書かれていています。彼の詩は出身のアイルランド人としてのアイデンティティを感じさせるものが多いかなと思いますとジミーさん。

彼はアイルランド出身とのことですが、次に音楽的バックグラウンドについて質問しています。

(インタビュー音声)
彼は12歳くらいからギターと歌を歌い始めたそうで当時はStrokesだったり、Green Dayだったりのロック・インディロックミュージックを聴いていたそう。その後学生時代にとても仲が良かった友人ジョイさんからブルースを教えてもらったとのこと。そしてJimi Hendrixを聴くようになり、それからOtis Redding、Aretha Franklin、Curtis Mayfieldの楽曲を聴くようになり、この音楽に夢中になったそうです。

(インタビュー音声)
アイルランドでは何年も何年もの間イギリスとの関係で抑圧だったり権力闘争があり、アイルランド人であることそして自分がアンダードッグ・劣等生という感覚は非常に強い自分のアイデンティティになっているとのこと。この百年でアイルランドは明らかに変わりました。だからアイルランドのトラディショナルなフォークミュージック・フォークバラードと60年代70年代の初期の古いソウルミュージックとの間に相関関係・共通点を見出し、そしてそれが彼のミュージシャンとしてのアイデンティティになったと話してくれました。彼の音楽は心からくる音楽、魂からくる音楽、メッセージ性のある音楽そして本当の人生の意味や感情、つらい時期を乗り越えることを音楽を通じて伝えたいそうです。

ここで楽曲をはさみましょうかとアルバムからネイサンに選んでもらったNathan Johnston & Angels Of Libra「In a Different World」(楽曲2)をお届けです。
(ネイサンさんの説明に続いて楽曲2.をオンエア)
こちらの「In a Different World」は、正直ラジオフレンドリーな曲、ラジオで流れるようなタイプの曲ではないかもしれませんが何も持っていない人もしくは何も持っていないコトがどんな事かも知らない人の視点から書いた曲、つまりコインの裏表のようなものだそうです。
私はとても幸運です。アイルランドで生まれ、本当に素晴らしい家族の下でたくさんの幸運と特権に恵まれて生きてきました。この曲ではもしブルースを聴いたりソウルミュージックを聴いたり音楽を聴いたりすることがなかったら自分はどうなっていただろうかとその人生を想像してみました。世の中には何も持たずに育って何もない人達がたくさんいる。そこで生まれたのがソウルミュージック。何も持たずにそのために戦わなければならなかった人達のために歌いたい。
もし今言ったようなチャンスがなかったら自分はどうなっていただろうかということを歌詞に書いたそう。メロディ自身はベースからインスパイアされたものでボーカルの書き方としてはユニークな方法だと思うと話していました。

次にジミーさんからアルバムも出たのでツアーやライブを行う予定はあるのかをきいています。

(インタビュー音声)
やはりライブの予定があるようで4月からツアーが予定されています。ヨーロッパから始まってアメリカにも行く予定があるそうです。ドイツ、オーストリア、スイス、ポーランド、フランス、イタリア、オランダ、イギリス、アイルランドも周るそうでアメリカはニューヨーク、シカゴ、ボストン、サンフランシスコにも行きたいと言っていました。
また彼は最近『コーヒーが冷めないうちに』という小説を読んだそうでオススメし、日本にも行きたがっていました。
サウンドを聴いて分かるとおりスタジオを含め60年代70年代のビンテージ機材を使っており、特にキーボードはレアなのでツアーはそれを持ち運ぶのが大変とのこと。
それから写真を見るとわかる通り多くのメンバーがいるようです。人数を尋ねるとコアなメンバーは4人でプラスコーラスその名もLibrettesが3人、サポートのギター、ネイサンと9~10人の大所帯だそう。

次に最近のソウルミュージックを聴くかと質問しています。
(インタビュー音声)
彼はDaptoneレコードの大ファンでCharles Bradleyが好きとのこと。Charles Bradleyについてはこの番組ではお馴染みJessica Lipskyさんの『It ain't retro』にも詳しく書かれていますが、ずっと清掃員とjanitor(管理人)として働いていましたが60を超えてジェームスブラウンのモノマネをしていてキャリアを掴み、Daptoneからアルバムを4枚リリースしています。そういう不遇の時代を過ごしてきた人にネイサンはシンパシーを覚えるようで本当に好きだと言っていました。あとVulfpeckやKhruangbinのようなバンドも好きで特にクルアンビンの中ではLeon Bridgesとやっているミニアルバムが凄く好きだそう。今はスポティファイ、ユーチューブ、ストリーミングサービスのおかげで私たちは指先ひとつでたくさんのあらゆる時代の音楽を聴くことができます。だから古いソウルミュージックを新しいアイディアやモダンのサウンドとしてブレンドしているバンドを聴くのが好きとのこと。私はそこは完璧に同意ですねとジミーさん。

最後にメッセージをもらいました。
(インタビュー音声に続いて楽曲4.Nathan Johnston & Angels Of Libra「All Your Love」をオンエア。)

この後メール募集の呼びかけなどを行い番組は終了となりました。


12月4週目(2022年12月22日)  Thee Illusionsインタビュー

1.Khruanbin / Christmas Times Is Here
2.Thee Illusions / Will You Love My Child
3.Thee Illusions / Baby Don't (Waste My Time)
4.The Soul Chance / Last Christmas

今回の放送日は12月22日。今年はクリスマスソングをたくさんかけていこうということで最近よく名前の挙がるクルアンビンのクリスマスナンバーからスタートです。
楽曲1.Khruanbin「Christmas Times Is Here」をオンエア。

ジミーさんはこの曲を7inchレコードで聴いたとき思っていたよりも5倍くらいスネアの音が大きくて驚いたそう。

今週はロサンジェルスのThee Illusionsインタビューをお届け。今回は時間の都合上短めになったとのこと。

まずジミーさんは彼らに日本で一番のファンが私ですと伝え、楽曲から聴いてもらいましょうということで楽曲2.Thee Illusions「Will You Love My Child」を紹介。
(楽曲2.のオンエアとメンバー自己紹介と楽曲紹介の音声)
この曲の7inchレコードがリリースされたということで今回話をきいています。

Thee Illusionsからリーダーでキーボードを弾いているトニーさん、ボーカルのアタラさん、フリューゲルホルンのダンさんの3人が参加してくれました。彼らは毎週月曜日の夜8時からレコーディングスタジオでリハーサル(練習のことも含めリハーサルと言うそうです。)しているそう。その前に時間を合わせてもらい、ジミーさんはお昼の12時(向こうの夜7時)に職場の昼休みを利用してZOOMしたそうです。

先ほども触れた通り7inchがリリースされましたがこの楽曲自体は去年の2月に発表されていました。時間がかかったよねという所から話をきいています。
(インタビュー音声)
2月に曲を送ったそうですがレコードができるまで10か月ほどかかりましたとトニーさん。そういったこともあり、まずはデジタルでリリースをしたとのこと。
この曲はAnna Rayeというシカゴのシンガーのカバー曲で7inchはまぁ珍しいレコードだそう。そこでジミーさんは職場にレコードを持参してアメリカロサンジェルス在住の3人にレコード自慢をしています笑。

(レコードを見せている様子の音声)
彼らはライブを含めいろいろカバーをしていますが、それがジミーさんは好みに完璧にマッチすると伝えます。そして持参したAnna Rayeのレコードを見せ、加えて彼らが以前カバーしたSunday WilliamsというシンガーのSunday名義の「Where Did He Come From」という曲のレコードも見せるとワォ!とみなさん驚いていました。
これらの楽曲は7inchを買っている人にはある程度有名ですが、彼らのコミュニティの中ではどうなのかと質問します。
「Will You Love My Child」はこの曲を聴いたことない人がたくさんいて、レコード関係者でも知っている人は少ないと思うとトニーさん。「Where Did He Come From」の方は彼らのコミュニティではある程度人気のある曲だそうです。「Will You Love My Child」はアタラさんがこのバンドに紹介し、この曲に惚れ込んで演奏することを始めました。そのあと本当に気に入ったのでレコーディングしてリリースしたいと思ったそうです。

ここで残念なお知らせが。
(インタビュー音声)
レコードは彼らが数枚持っているくらいで他はもうすでに売り切れてしまったそうです。日本からもラブコールを送って再プレスしてもらいましょう。

ここからはオリジナル楽曲の話題もということで今回7inchレコードの反対面、楽曲3.Thee Illusions「Baby Don't (Waste My Time)」をご紹介。
(紹介の音声に続き楽曲3のオンエア)
楽曲も素晴らしいし何よりアタラさんの声も可憐なのとディープな感じが凄いバランスでマッチしていて好きだというジミーさん。

続いては彼らのオリジナル楽曲の作り方についてきいています。
(インタビュー音声、バックに「Once In A Lifetime」)
誰かが曲を書いて作っていくのとスタジオでジャムって作っていくのと両方の方法があるそう。例えば前のオリジナル曲「Once In A Lifetime」はトニーさんがピアノでコードを書いて歌詞も書いたんだけどアタラさん自身の喋る部分は何を入れたらよいか思いつかなかったので、そこはアタラさんがしてくれたそう。この曲に関してはブリッジの部分はベースのエリックさんが作ったということでやはりみなさんで共作しているそうです。

7inchもアタラさんが入って2枚でているのでアルバムの予定があるのかをきいています。
(インタビュー音声)
まさにここのインタビューが終わったあとのタイミングでボーカルを何曲か入れる予定があり、アルバムに向けて楽曲製作をしているそうです。またL.A.で精力的にライブも行っていて他の都市にも行けたらいいと話していました。

続いて西海岸のシーンについての質問。
(インタビュー音声)
L.A.の特徴としてレゲエやスカバンドがたくさんいて彼らも最近はソウルミュージックを演奏するよりそっちになったと笑いながら話していました。彼ら自身はソウルミュージックとレゲエ、ロックステディ、スカミュージックを垣根無く(クリススロス)聴いているそうです。元々はそれらを演奏していたけど今はソウルミュージックを演奏していてもちろんずっと聴いている好きな音楽とのこと。
西海岸のレコードは抜けがよいというかレゲエオリエンテッドなミックスが総じてあるなと思っていたとジミーさん。

(アタラさんのメッセージ、Thee Illusiond「Where Did He Come From」がしばらくオンエア)

最後にもう1曲なんとまたクリスマスソングのご紹介です。Thee Illusionsと同様に西海岸で活動しているThe Soul Chance。あの「Last Chrismas」(楽曲4)のカバーがでました。楽曲4.をオンエア。

このあとメール募集の呼びかけなどを行い番組は終了となりました。


12月5週目(2022年12月29日) リスナーさん2022年ベスト曲紹介

1.Nou Jazz feat. Maki Zeniya / Night and Day
2.Leon Bridges / Summer Moon (feat. Kevin Kaar)
3.Takuya Kuroda / Time Coil
4.Young Gun Silver Fox / West Side Jet
5.Mad Honey / Setback
6.The Crane / Natural Ability

2022年最後の放送。まずは楽曲の紹介からスタートです。茨城のDJ YAMAさんがプロデュースしている脳ジャズ第4弾7inchシングルがリリースされました。今回はオリジナル曲。『DJ Yamaと脳ジャズを結び付けた7年前の曲「Night and Day」を初のヴァイナル化。脳ジャズの代表曲ともいえるこの曲をアナログ化してほしいという要望に応える形で実現させた。』ということでボーカルは脳ジャズとも親交の深いMaki Zeniyaさんが務め作詞もなさっているそうです。楽曲1.「Night and Day」をオンエア。

今週は前々から募集していたリスナーさんの2022年リリース音源ベスト3を紹介していきます。今回は多くの方からメールをいただいたので駆け足になるかもしれませんとジミーさん。

1通目はチェンマイL特急さん。さっそく掟破りの10曲送ってくださったそうです笑。
その中から3曲
・Domi & JD Beck / WHATUP
・Ghost Funk Orchestra / Scatter
・Leon Bridges & Kevin Kaar / Summer Moon 
ここからLeon Bridges & Kevin Kaar / Summer Moon(楽曲2)をオンエア。
このKevin Kaarさんはメキシコ出身の若干21歳のシンガーだそうです。

お次はタカノブックさんの3曲
・黒田卓也 / Time Coil
・Windy / あなたに逢えない時は
・一の宮BIGBAND / あなたに逢えない時は
ここから黒田さんの「Time Coil」(楽曲.3)をオンエア
黒田卓也さんはラジオもやっていてジミーさんも結構聴いているそうです。

続いてはMr.Blueskyさんの3曲
・Bobby Oroza / The Otherside
・The Young Gun Silver Fox / West Side Jet
・Browse Depart / citylights blues
こちらの中からThe Young Gun Silver Fox「West Side Jet」(楽曲4)をオンエア
最近ジミーさんが聴いている40 Minutes of Funkという、40ミニッツなのにいつも1時間を超えるポッドキャストがあるそうなのですがそこへThe Young Gun Silver FoxのShawn Leeさんも出ていて興味深いエピソードをたくさん話していたそうです。このポッドキャストはコールマインの創始者Terry ColeさんやGhost Funk Orchestraと番組で紹介している方が出演しているのでオススメとのこと。

こんどはBabymarさんの3曲
・MATT BERRY feat. EMMA NOBLE / Beatmaker
・Mad Honey / Seatback
・windy2020 ・ 一の宮BIGBAND / あなたに逢えない時は
こちらの中からMad Honey「Seatback」(楽曲.5)をオンエア
この楽曲をリリースしているのはイギリスの新興レーベル、Space Grapes Records。こちらのレーベルは出す盤すべてクォリティが高いのでレーベル買いできるかなと思いますとのこと。

さらに みか@mikahriさんの3曲
・STUTS feat. Julia Wu, 5lack / World’s End
・The Crane / Natural Ability
・Hybs / Go Higher
1曲目はトラックメイカーSTUTSと台湾を拠点にする中国系オーストラリア人Julia Wuとラッパー5lackのコラボ。夏の終わりから秋にかけてよく聴いたそうです。2曲目は台湾のシンガーソングライター、プロデューサーThe Craneの最近でたファーストアルバムの1曲目。ちょっとスティーヴィーを感じるとのこと。3曲目は2021年デビューというタイの男性ポップデュオ。タイBLドラマ好きの方々もご存じらしいです。
こちらの中からThe Crane 「Natural Ability」(楽曲6)をオンエア。

最後はnasbiさんからのメール。2022年のアルバムベスト3を紹介してくれました。
・Thee Sacred Souls『THEE SACRED SOULS』
・Lady Wray『Piece Of Me』
・Bobby Oroza『Get On The Otherside』
新曲以外では8月25日のパトリックアダムス追悼特集で選曲していたThe Fantastic Puzzles「Come Back pt.1」が特に好みだったそう。そこでこの曲が好きならコレも好きではという曲をかけて欲しいとのリクエスト。
それについては作業を始めたら止まらなくなってしまったので新年1回目の放送で紹介しますとジミーさん。

「そんな訳でみなさん2022年1年もありがとうございました。みなさんのおかげでですね私もですね年末に素晴らしい楽曲を知ることができましたし来年も引き続き極力まぁね、なかなか他の番組では聴けないような楽曲をご紹介していければと思っております。ジミーソウルラジオではみなさまからのメッセージをお待ちしています。メールアドレスはjimmie@rnc.co.jpジミーの綴りはjimmieです。ツイッター、インスタグラムアカウントもあります。ハッシュタグはカタカナでジミソラジオとなっております。メッセージをご紹介させていただいた方には番組ステッカーをプレセントしています。それでは来週1月5日の夜11時にお会いしましょうジミーソウルでした。よいお年を。」

12月のプレイリスト

放送でオンエアされた曲をまとめてみました。見つけられなかった曲や放送時と違うバージョンもありますが、ご了承ください。今回は5週目のリスナーさん2022年ベスト曲もまとめてみました。
アップルミュージックが調子悪いようなのでスポティファイでも作ってみました。

・アップルミュージック

https://music.apple.com/jp/playlist/2022%E5%B9%B412%E6%9C%88/pl.u-MDAWv86tA8jP5YD


https://music.apple.com/jp/playlist/2022%E5%B9%B4%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%81%95%E3%82%93%E3%83%99%E3%82%B9%E3%83%88/pl.u-EdAVzEdTDr3LZ0l


・スポティファイ



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