人生とは-見えないものを観る-
追い詰められていく
天仕の指導によりに行者らの各居住地域に拠点を作ろうとする動きが出てきた。そしてそれとは別にいつものように説明会的な催しをあちこちで開催し、行者獲得を目指す。東京では有名なホテルも多かったようだが、会場予約はすべて天仕だから指定された場所へ行けばよかった。
それでも行者獲得は大変だ。
みな、活動資金にも苦労しているわけで、その内「歓びの証」なるものが出るようになる。その実態はよくわからなかったが、おそらく「ひとりいくら」で報奨金が出るようになって、勢いづいたのは確かだったと思う。全ての人ではないにしても「肚を括らせる」「観いを定めさせる」ために強引な面も多々あったと思う。 そして、活動拠点としての支部は行者の家であったり、少しずつ動き出していった。
私と言えば、集合住宅でもあり、なかなか容易ではない。いろいろ考えた挙句、自宅は無理と判断。
ではどうするか?
「清水の舞台から飛び降りる覚悟」で夫が会社を辞め、退職金で事務所を借り、支部を開設・運営する。
よくこんなバカなことを考えたものだと今でも思うし、夫にはとても申し訳ない事をした思っているが、それでもあの時は他に良い方法は見つからなかった。
そして駅近くの不動産屋さんで物件を探す。何か所目だったかに場所もよく、静かな事務所が見つかる。8階の一室で見晴らしもよくセミナーをやるには最高の場所だった。
だからと言ってそう簡単に人が集まるわけではない。近くの支部の方にもこの事務所を活用してもらったりして少しずつ活気も出て、なんとかやっていけそうな気もした。
ある時、行者さんが一人の男性を連れてやってきた。なんだか疲れ切った表情で生気がない。聞くところによると大学卒業後上京し、就職したが仕事について行けず、何の楽しみもなく、笑顔もない。声は小さいし、目は澱んでいて、正に頭がついた状態。
紹介者もなんとかアタマを取って、元気になって若者らしく生き生きとして欲しいという思いだった。
そして、特訓を受けたのだが、期待通りの結果は得られなかった。彼女たちはその人のアパートにも行って部屋を片付けたり、少しでも気持ちが晴れるよう世話をしていたが、なかなか改善が見られない。
そして、どういう経緯だったか忘れたが、彼は右脳塾へ行くことになった。彼女たちもほっとしていたが、塾生活がどんなものであったかは詳しく聞いていないのでただ見守るばかりだった。
そして、状況はよくわからなかったが、天納金でお金を失って悲鳴を上げ、返済を訴える人たちが増え、マスコミも動き出していた。私の事務所ポストには支部名も書いてあったのでそれをカメラで写し、8階事務所のドアをノックされたこともあった。
なんでこんなことになるんだろうか・・・私たち仲間はみんな七観行にあるように、誰もが幸せになれるようガイド役をしているに過ぎないのにと。
七観行(毎日のことばの行)
一、 健康あふれた楽しい毎日です。
二、 家族全員がゆたかで明るい毎日です。
三、 希望にみちあふれた繫栄一筋の毎日です。
四、よろこびがいっぱいの毎日です。
五、感謝に満ちた幸せな毎日です。
六、 いつもたのしく三法行をやらせていただく毎日です。
七、親切あふれた生かしあい、ゆるしあう毎日です。
しかし、強引に「天の名を借りて」お金を搾り取れば、いつか堪忍袋の緒が切れて「許さん!」と怒り爆発ということもあるだろう。幸いというか当然というか私たちの仲間内ではそうした問題は起きていなかったが、それはみな世の中をよくしたい思いで動いていたからだと思う。
結局、事務所は契約解除で引き払うことにしたが、滅多にできない体験をさせてもらいよかったと思っている。後悔はない。
しかし、まだまだこれでは終わらせてはもらえない・・・
またまた「天声が下りた」と呼び出される・・・
今度は何?!
もう、いい加減にして!!
何度も渋谷へ呼び出され説得?されるが「無い袖は振れない」というと「借りてくればよい」と。
もう、呆れるばかりだったが、なんでこんな状況を引き寄せているのだろうか?これはどういう学び???と考える。
そこに私が学ぶテーマがあるはず。素直に文句も言わずやってきたが世紀末の課題とは?
とにかく、答えを引き出さなければ終われない。
悔しさもあったが、これは今までに無理やりお金を搾り取られ返済にも苦労していた人たちの「観い」を味わえということと受け取った。
そして、入塾式だったと思うが天納できた人たちの名前が読み上げられ、証書だかを受け取る儀式があった。みな嬉しそうに「最高です!」「最高です!」と声を上げていた。
この時ほど憤り感じたことはなく、私は肚から「最高です」と怒りを吐き出した。当然福永氏の顔など見る気もなく「ふん!」とそっぽを向いた。普通なら「なんだ、その態度は!」と叱られるはずだが何もなく、私は誰とも話をせず席を立った。
そして、一切の活動を停止した。
ーーーーつづくーーーー
私を生かし活かしてくだりありがとうございます。
心より感謝、感謝申し上げます。(-人-)