
緊急事態宣言とジョン
最近はコロナよりインフルエンザの方が流行している印象がある。一時は薬が足りなくなるなど混乱が続いたようだが、ようやく終息しつつある。
コロナが猛威を奮っていたの頃、緊急事態宣言があった。都合4回出されたが、今回のコラムは第2回目の緊急事態宣言が出された頃のもの。
見えない敵に四苦八苦していた。
2025年2月
かつてこれほどの政治不安になったことがあるのだろうか。
1960年代の安保闘争や米軍基地建設、成田空港の紛争など一つの意思に対して反発する意志がぶつかり合ったことは歴史をみればわかるが、今回のコロナの対応についての政治家の動きは耳を疑い、目を覆うようなものばかりだ。
政治家がリーダーとして振舞えなくなったら、ただの人である。
しかし、今の時代誰も声を高らかに上げない。それは、コロナという正体不明の敵と戦う中で、答えが見えないから・・・。
感染拡大阻止、経済活動の確保・・・どちらを取るかという選択は誰も決められない。まさに終わりなき戦いだ。
しかし、戦いには必ず終わりがある。その終わる時間を1秒でも早く起こすことが生きている我々の使命ではないだろうか。
かつて終わりが見えないベトナム戦争に対し、ジョン・レノンはヨーコ・オノと「ベッド・イン」という意志を提示した。2人は、1969年3月と5月の2回に分け、記者をホテルのベッドルームに招き入れ、みんなで平和を語り合った。
この平和活動パフォーマンスは「War Is Over! (If You Want it) 」(戦争は終わる!もしあなたたちがそれを望めば)のメッセージとなり、全世界の新聞各紙や街頭の看板に打ち出された。世界規模のキャンペーンである。

また、5月のベッド・インでは「平和を我等に」をその場でレコーディング。この音源に別のスタジオでの音が足され、のちにシングル発売している。そして、その歌は今でも世界各国で歌われ続けている。
この一連の活動は、「平和」という信念だけで行動したジョンとヨーコというその時代が生んだ産物だ。
この事を今の世界的不安に当てはめることはできないかもしれないが、一つ言えるのは自己犠牲の精神が無いとこの意志は中々貫けないのではないかという事。
1969年のジョンはアメリカから反逆者(テロリスト)や薬物使用者の疑いで入国を拒否されていた。また、ビートルズにおいて『アビーロード』(1969)の制作や「ゲット・バック・セッション」(映画「レット・イット・ビー」)の創作活動中で落ち着かない状況の中にあった。
ジョンがヨーコと急接近し、結婚を決定したことでビートルズもそのファン達もみな難色を示したというが、そんな雑音もジョンにとっては預かり知れぬこと。それよりも自分が結婚すれば話題作りと共に世間が注目するに違いないと読んだジョンは、平和活動としてベッド・インという手法を取ったのだ。
人や物を動かすには、戦略や金が必要だ。
増してや「戦争」という誰もが望まないその行為に反対することは、表向きは賞賛されるが裏に回ると抹殺されかねない。だから、世間に広く認知させるための手法として自分の結婚をジョンは選んだのだろう。
そんな動きをするから、再び過激活動家の汚名も被されてしまうが、本人はお構いなしだ。
ビートルズも空中分解し、ジョンはソロ活動を推し進める。そして、1971年に『イマジン』を発表。国家や宗教や欲による対立や憎悪を無意味とし、みんなが進むべき道はユートピアの創造であると。人類愛に満ちた作品であるが、この歌に辿り着くまでに様々な困難があったことは容易に想像される。つまり、ビートルズという成功者でも悩み苦しみ、世間との闘いを経て、幸せを掴むことは容易ではない。そして、明日の食事に困る悩みも戦争を憂う悩みも一緒なんだということがわかる。そうでなければ、自己犠牲のもとにあのような平和活動までいかないはず。口では「愛と平和」を叫ぶロックシンガーや俳優はいたとしても、ジョンのように私生活をさらけ出すことまではしないだろう。だから、語り継がれるのだ。
緊急事態宣言って何?
人の行動を制限するって何?
そうしたら感染者は少なくなる?でも、宣言解除したら、また数字は上がるだろう。
その繰り返しに翻弄される?
終わりの見えない戦争はいつまで続くのか。誰もわからないが、少なくともジョンが今生きていたら、何かしらの発信をしたのではないか・・・。
我々の使命は、この戦いを1秒でも早く終息させること。そのためには、私利私欲の塊の政治家や官僚の言うことは信用できないね。
かといって経済人も計算高いから動きは鈍い。特に日本の経済人はセコイ。もともとボランティアという勉強をしていないから。
だから、たまにはロックンローラーの言うことに従ってみるのもいいんじゃない?
永ちゃんが「外に出るなよ。金はなんとかするから・・・よろしく!」とか言えば、40~60代の永ちゃんのステッカーを車のリアガラスに貼って、首からE.YAZAWAのバスタオル掛けている人たちは素直に従うんじゃない?
ジャニーズは、この状況でイベントも開けないんだから、その莫大な製作費に回す金を若い人の生活援助基金にする、なんて言ったらみんな外に出ないでじっとしてるんじゃない?
こんなの日本だけでなく、世界レベルでやればいい。
ポールが「イギリスのロックダウン期間は僕がみんなの生活費を印税から供出するよ」とか、
マライアが「私は毎年クリスマスになるとメッチャ印税が稼げるからその分、あげちゃうから、みんな静かにしててね」なんてことにならないかね。
ふざけて聞こえるかもしれないが、バカな政治家より説得力や影響力はあるよ。
ジョンは天国できっと嘆いているんだろうな。
2021年1月8日
花形