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掴みはOK
今日は、フィットネス講師の仕事。
コロナ禍以降、ほぼオンラインでの実施となった。
個人で仕事をしているわけではなく業務委託なので、委託先の会社には行かなくちゃならないけれど、都内なので、往復の移動時間も労力も交通費もそれ程かからないから、楽。
オンラインでのセミナーは、個々のデバイスでそれぞれの場所から受講することが基本。けれど、1アカウントで、広めの会議室にみなさんが集合して参加されるケースもある。
今日も後者のケースで開催された。
参加されたのは、北関東方面の高齢者施設で働く方々。画面越しからの様子を見る限り、おそらく施設内の食堂のような場所で、介護ヘルパーさんや相談員さん、看護師さんもいらしたようだ。
ところで、私の母は都内の高齢者施設で暮らしている。なので、セミナー冒頭の自己紹介の時に、その話をした。
「皆さんこんにちは、かずのと申します。私の母が高齢者施設で暮らしておりまして、いつも施設の方々に親切にして頂いて、母を助けて頂いていますいます。なのでいつもお世話になっています!ありがとうございます!本日はどうぞお願いいたします!」
もちろん参加されている方々に直接お世話になっているわけではない。
が、そういう気持ちでいたのでそう伝えた。
すると画面の向こうの皆さんがにこやかに手を振って下さったりしている様子が見えた。
心が通った、と感じた。嬉しい。
そして、その後のセミナーがとてもやりやすかった。
オンラインで実施するセミナーの難点は、相手がよく見えないということ。画面オフだと物理的に見えないし、画面オンであっても、表情というか空気感というか、そういうことが見えてこない。つまり伝わってこない。
一方通行というか、手応えがない。暖簾に腕押しってきっとこんな感じなのかな。
けれど、今日のセミナーは見えた。
画面の画角をちゃんと参加者さんが映るように調整してくださったということも大きいと思うが、それだけではなく手応えを感じた。ちゃんと同じ空気感の中にいる感覚。
そうすると、伝える内容の言葉に厚みが持てる。立体的3Dな感覚。だから、それ程多くを語らなくても、ちゃんと伝わる。
対して、暖簾に腕押し状態の見えない感覚でセミナーを実施すると、手応えがないからその手応えを求めて、言葉数が増える。マシンガンの如く。
伝えよう、伝えなければならない、伝われ〜と念じている、その念ばかりが伝わってしまい、内容を届けている手応えがない。
もちろん、それでもちゃんと受け取って下さる方々はいらっしゃるのだろうが。
掴みが大切。と言われるけれど、まさに今回のセミナーで体感したこのことか。
冒頭に私の母の話を伝えたことで、参加者の方々には、「こちらのことを分かってくれている」ということが伝わり、私のことも画面越しの無機質なスピーカーではなく、体温も感情もある人である、という認識で話を聞いてくださったのだろう。