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うちの子は、魔法使い

 息子が4歳だった頃の話。

 産まれた時からビックサイズだった息子、4歳になった頃には、身長は100㎝を超え、体重は出生時の5倍。言葉が遅くて1歳半検診でひっかかってしまい、一生懸命読み聞かせをしていたのが嘘のように、ペラペラ、いや、ベラベラとおしゃべりするようになりました。「寝る前にビールで乾杯しようぜ」「歯を磨いたら、ゴルフの練習でもしよっかな」などと言ってくるので、別の意味で心配になっております。

 ちなみに、発語を促すために読んでいたのが、『頭の良い子を育てる日本のおはなし366』。どういうわけか、頭ではなくノリの良い子に育ってしまったようです。そして、戦隊シリーズの沼にハマってしまってからというもの、24時間何かと戦う男子になりました。車になると、コックピット(チャイルドシート)に座るやいなや、サングラス(100均)をかけ、水鉄砲を片手に戦闘モードへと突入。日よけ用のカーテンから外をちらっとのぞき、地球の平和を脅かす敵を探しています。本人はいたって本気なので見て見ぬふりをしていますが、極めつけは自動ドア。どうやら、魔法の力で開閉していると信じているご様子。想像してみてください。サングラスをかけた子どもが「ひらけー」と手をパーにして鬼の形相で走ってくる姿を…。全く親の顔が見てみたい。まったく、どんな育て方をしているのかしら。

 「男の子っておバカだな」とつい口にしてしまうのですが、ふと自分が幼かったある日の光景を思い出しました。当時放送していた「魔法の天使クリーミーマミ」が大好きだった私。鏡の前で魔法ステッキを使って遊んでいたときに、突然部屋の電気が消えたのです。その瞬間か、世界がオワタと本気で思い、魔法で世界を救わなくては!と泣きながらステッキを振り続けたピュア度1,000%の私。パッと電気がついた瞬間、「ついに魔法が使えた!」と己の能力に驚き、それじゃ次はと、空を飛ぶことを決意。翌日、幼稚園の階段から思い切って足を踏み外し、そこから勢いよく転げて落ちたのは言うまではありません。

魔法の使いの子は、やっぱり魔法使い。すみません、魔法男子を育てのは間違えなくこの私です。

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