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ただただ、追悼

このところ急逝される方が多すぎて心がついていかない。
特に今日公になった「少佐」こと田中敦子さんの死は殊の外堪えている。

声優として唯一無二の存在だった。
なかでも【攻殻機動隊】の草薙素子は全オタクが好きだと言っても過言ではないキャラクター。
【攻殻機動隊】というジャンルの確立に貢献した人だとわたしは思っている。

闘病、急逝、追悼。
人はいつか儚くなる。
当たり前だ。
わかっているけどやるせなくてたまらない。

こどものころ聞いた母の嘆きを今ごろ思い出して身にしみる。

「小さい頃に見ていた人が大人になるとみんな亡くなってしまうんだよ。さみしいねぇ」

母の嘆き

そんなの嘘だと思っていた。
みんな若くてどこにもいきそうになかったから。

でもどうだろう。
最近はわたしが若いころ見ていた歌手や俳優やタレントがどんどん彼岸へ渡ってしまう。
つらいが見送ることさえいちファンには許されていない。
ただ、眼の前の現実を受け止めきれなくて、喪失感に押しつぶされそうになるだけ。

ひとはいつかいなくなる。
だけど諦めのつく年齢ってあるじゃないか。
なにもこんなにはやく向こうへいかなくてもいいじゃないか。

生き急ぐ命の輝きにこそ、わたしたちは魅了されていたのか?
だとしたらあまりに残酷で皮肉なものだ。

凡人でいい。長生きしてくれるなら。
だけど、生き急いででも表現したかった煌めきがあるとして。
わたしたちファンにできることはその光を忘れないことだけだ。
誰の終焉にも、そう在りたい。
さみしいけれど。
見送るのはもう、つらいのだけれど。

献杯


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