めぐる春
3月の北海道は、よく晴れた日でも空気は冷たい。雪の白さで落葉した林の奥は、茂った夏とは違い遠くまでよく見える。
「ああ、ここの地形はこんな形だったのか…」
とか
「あんな所に太陽光パネルが設置されてたのか…。」とか
夏だと生い茂る草木が邪魔して見えない川も見えたりする。
シャーベット状になったぐしゃぐしゃの雪を車で跳ね飛ばしながら、のたのた走っていると山の麓で鹿の群と遭遇した。
まだまだ雪深く「ここまでは誰も来ない」と
鹿達は、実に悠々たる面持ちだ。
夏には、なかなか見られない…。
これから雪が溶け春が来る。
夏には草木は生い茂り濃い緑の葉で覆われて林の奥は見えなくなる。
満開の花にはミツバチ達が飛び廻り、蝉の合唱が響く。
生き物たちは、活発に動きまわり大忙しだ。
しかしどうだろう?
私の頭頂部の形は年がら年中よく見えるのだ。