ブルータス

読んだ本の感想や旅行記、日常などを雑多に投稿します。 アウトプット・文筆の練習目的で利用しておりますので、文章の拙さはご愛嬌。

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最近の記事

自分の親に読んでほしかった本

最近、自分が親になるという話が具体的になりつつあるタイミングでの読書体験。タイトルこそ親子関係に焦点を当てたものであるが、人間関係全般に当てはまる話が多いように感じた。 一番は「相手の気持ちを想像する」これに尽きると思う。決めつけるわけでもなく、相手に対する想像力を働かせ続ける。これこそが愛なんだとしみじみ感じる。 と同時に、会話の際は自身の感情を伝える。相手がこうしてほしいだろうからしました、ではなく、自分がこうしたいからする、といった伝え方。普段から意識していきたい考え方

    • 「人の上に立つ」ために本当に大切なこと

      を読んだ。ジョン・C・マクスウェル著、弓場隆訳のビジネス書。私は人の上に立つような立場ではなく、ピチピチの若手と呼ばれるような年齢ではあるが、それでも参考になる点が多々あった。 「他人を10点満点と思う」は特に印象に残った考え方だ。自分が話したい事だけを話すのではなく、どうすれば相手が気持ち良く話すことができるかに焦点を当てるといった考え方で、リーダーと呼ばれる立場でなくともコミュニケーションにおいては重要なのではないだろうか。 また本書は21の大項目から構成されており、それ

      • ホームシック

        実家に帰ることにした。一時的な帰省ではなく一人暮らしを辞めて両親と同居するのだ。2021年の8月に実家を出て一人暮らしを始めたので2年半ほど一人暮らしをしていたのだけれど、情けない話、ホームシックになってしまった。 転機は間違いなく転職にあると思う。2023年の7月に現職に転職をした。それまでは自社ビルに勤務するSEだったのが、客先常駐の働き方に変わった。単独での常駐はないと聞いていたのだが、なんといきなり単独で常駐させられた。常駐先の社員さん方は親切な方々だったが、どうして

        • 何者

          朝井リョウの小説、「何者」を読んだ。これを読んだ後で批評めいたことを書くのは気が引けるが書かずにはいられない、影響力のある作品だった。 大学生の就活をテーマにした作品で人物描写がとてもリアルな作品という印象。 主人公視点で語りの人物となる拓人、バンド活動をしていて明るい性格の光太郎、留学経験があり冷静な印象の瑞月、同じく留学経験があり様々な活動のアピールをしていて活発な印象の理香、理香と同棲しており就活に否定的な態度の隆良、主にこの5人を中心に物語は進んでいく。 表面的には就

          ゼロ年代最高の本

          ジャレド・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」上巻を読んだ。朝日新聞「ゼロ年代の50冊」第一位を受賞した作品で、有名な本なので知っている人も多いと思う。 内容としては人類がどのように発展してきたかについての著作である。著者の知人の疑問「なぜ世界の様々な地域によって、文化の発展の精度や速度にこれほどの差が生じたのだろうか」に答える形で、人類の発展過程が解説される。 結論としては、タイトルの通り、鉄などの資源の豊富さや狩猟採集物、農産物の豊富な地域ほど、発展しやすいことが挙げられる。

          ゼロ年代最高の本

          史上最高の哲学入門

          飲茶著の「史上最高の哲学入門」を読んだ。今まで何冊か哲学書を読んだけれど、退屈に感じてしまい、途中で挫折するようなことが何度もあった。しかし本書は全くそんなことはなく、最後まで面白く読むことができた。 著者が漫画「バキ」シリーズのファンということもあり、哲学者による真理のぶつけ合い、といったコンセプトを導入して描かれているためエンタメ感覚で読むことができる。 「真理の真理」、「国家の真理」、「神様の真理」、「存在の真理」の四篇で構成されており、ある哲学者が何に対して思索を巡ら

          史上最高の哲学入門

          殺人出産

          村田沙耶香さんの小説、「殺人出産」を読んだ。恋愛を経ての妊娠、出産という概念が消えつつあり、人工での妊娠がスタンダードとなった世界の話。10人出産した人は1人の人を殺める権利が得られる設定。その権利を得るために出産をし続ける人のことを「産み人」と呼ぶ。 主人公の姉も「産み人」である。彼女は幼いころから破壊衝動に駆られることが多く、その衝動に動かされるように産み人となった。最終的には面識もあまりない人を殺したことからも、相手は誰でも良かったのだろう。 この本には表題作以外にも、

          天才ゆえの悩みに感動

          ダニエル・キイスの名作、「アルジャーノンに花束を」を読んだ。物語の主人公は、IQは低いが純真な心の持ち主である、チャーリー・ゴードン。彼はパン屋で働いているが、IQが低く、それ故に心無い人から意地悪な行動を受けている。それでも周囲の人を友と信じる健気な人柄である。 そんな彼がIQを高める手術を受ける。手術とはいえ、それまではラットに施されてきたような、人体実験である。そんな手術を受けてチャーリーはIQがみるみる向上していく。彼は賢くなりたいと常々望んでいたため、幸せになるかと

          天才ゆえの悩みに感動

          旅のラゴス

          筒井康隆の小説「旅のラゴス」を読んだ。数年前に一度読んだものの、内容がうろ覚えだったため再読した。 タイトルの通り、主人公のラゴスが世界中を旅する物語である。ファンタジーな要素があり、強く念じることで思い描いた場所にワープすることができる転移や壁をすり抜ける人物も登場する。そんな世界を旅しつつ、ある場所では奴隷とされて働かされたり、またある場所では一国の王となるなど、様々な人や出来事に遭遇する物語となっている。 ラゴスは有能な人物で、銀鉱で奴隷にされた際、採掘の効率化を提案す

          旅のラゴス

          教団X

          中村文則作の小説を読んだ。 主人公の交際相手が突如、姿を消した。主人公は知人の探偵に捜索を依頼したところ、交際相手がとある宗教施設に出入りしていたことが明らかになる。知らされたその場所に行ったところ、彼女はまた別の宗教組織の人間であることが分かる。次第にその組織を調べていく中で異常性が判明していき、日本全体に影響が及ぶような大事件が巻き起こされる。 簡単なあらすじはこんなところだ。登場人物はしばしば壮絶な過去を経験している。主人公が始めに尋ねた、アットホームな団体の長、松尾

          Keyの軌跡

          坂上秋成作の批評本を読んだ。Keyはビジュアルアール傘下のゲームブランドで、いわゆる泣きゲーを数多くリリースしている。学生時代にドハマりしており、久しぶりに再熱したといったところである。 「Kanon」はKeyの第一作目。冬にスポットを当てて、テーマは奇跡。当時は気づかなかったが、誰かの命を犠牲にして奇跡が起こり、他の人が救われるという、トレードオフの構図が展開されていたようだ。 「AIR」は夏の物語。過去の呪いが現在まで続いており、ヒロインの観鈴が現代でその呪いに苦しめら

          最愛のバンド

          「なきごと」というバンドをご存じだろうか。2人組のロックバンドである。目立ったヒットソングはないかもしれない。SNSでバズったこともないかもしれない。それでも、このバンドには確かな魅力と温かみがあり、私は何度も救われてしまった。 2023年10月9日、Shibuya eggman。このライブハウスにてなきごとのワンマンライブが行われた。新しいシングルをリリースしてのツアー2日目。本人たちもホームと呼ぶ、慣れ親しんだライブハウスはソールドアウト。当たり前だが、会場内は大勢の人

          最愛のバンド

          懸命に生きる人間のドラマ

          「季節のない街」を観た。原作山本周五郎の小説を宮藤官九郎が監督・脚本で作成された、ディズニープラス独占配信のドラマである。 舞台は仮設住宅。「ナニ」(東日本大震災を想起させる)によって住居を奪われた人々が仮設住宅で暮らしており、その仮設住宅に主人公の田中新助が引っ越してくる。新助はクライアントから依頼を受けて仮設住宅の住人達の暮らしを報告する仕事をしている。 仮設住宅に住む人々は当然、裕福な暮らしなどできず、日々を過ごすことで精いっぱいであるが、そんな中、立ち退きの話が出てく

          懸命に生きる人間のドラマ

          一番好きな野球選手の自伝。。WBCの活躍、本当にカッコよかったんだよ

          一番好きな野球選手の自伝。。WBCの活躍、本当にカッコよかったんだよ

          会いたくなって、飛んだバイト

          が素晴らしい。 yutoriという4人組ロックバンドの新曲である。9/6(水)にリリースしたアルバム「夜間逃避行」に収録されている楽曲だ。 このyutoriというバンド、弱冠20歳前後の4人で構成されたバンドであるが、とにかくライブパフォーマンスが一級品である。Vo.Gt.の佐藤古都子の歌唱力とフロントマンとしての風格は椎名林檎を彷彿とさせる確かな実力がある。Gt.の内田郁也のギターテクニックも圧巻であり、若手随一と感じさせられる。その演奏を支えているのが、Ba.豊田太一とD

          会いたくなって、飛んだバイト

          美波がすごすぎる話

          シンガーソングライターの美波さんがすごすぎる。 CMやテレビアニメの主題歌にも起用されているので、ご存じの方も多いだろう。アニメ「ドメスティックな彼女」のオープニング曲「カワキヲアメク」や、最近だと「うる星やつら」の「アイウエ」などが代表曲に挙げられるだろうか。数年前から注目して聴いていたが、9/13(水)にNHKホールにて開催されたライブに足を運んだ結果、魅力を再認識したので文章にしたためたくなった。 私が思う一番の魅力はリリックにあると思う。孤独や劣等感を歌い、同じよう

          美波がすごすぎる話