カートゥン調VTuberが日本で流行る要因
APOKIみたいなVtuber事業を考える際、韓国市場の調査から始めることが重要です。
現状、APOKIのYouTube登録者数は約30万人、TikTokでは約450万人ですが、YouTube上での伸びが感じられないため、韓国市場の特性を理解することが必要です。本記事では、これを端的にまとめます。
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■韓国のコンテンツ産業とアニメ文化
◆韓国のアニメ、漫画文化、ゲームが全体的に市場的に日本の3分の1
内閣官房の新しい資本主義実現本部事務局
と
経済産業省の韓国コンテンツ産業支援政策調査 報告書
によれば
韓国の全体のコンテンツ市場は日本の約3分の1ということがわかりました。
日本は約14兆円に対し、韓国は4,5兆円。
その中でも、アニメ市場は下記の図のように日本と韓国では大きく差があるのがわかりました。(2024年近くでは日本のアニメ市場だけで約1,4兆円に登ります)
そして、国としてもアニメ文化よりも、韓国ドラマやK-POPのように実写に方に主軸をおいているようです。
日本のアニメ、漫画、ゲームの割合↓
また下記の資料はより多くのコンテツを含んだ資料なので韓国の市場が13兆円となっていますが、
アニメ産業だけに絞ると日本の3分の1になり、割合は小さいです。
◆韓国ではアニメ産業が発達していない
上記の資料からも、
韓国ではそもそもコンテンツ産業が全体でも4,5兆円しかなく、
アニメ市場の占める割合が低くい。
日本では子供から大人まで楽しめるコンテンツが多くあり、世界にも大きな影響を与えている状況の中、
韓国ではアニメ産業が発達していないといえるのではないと思えます。
◆韓国の文化として、アニメは「子供が見るもの」で実写が強い
この背景には、韓国人の方にインタビューやネットで集めた情報によると、
「アニメは子供見るもので大人の趣味ではない」というのが韓国の慣習のようです。
その為、韓国で展開されているアニメのほとんどが幼児~子供向けのアニメばかりで、日本のようにに大人が楽しむコンテンツではないのが現状です。
ちなみに韓国のアニメ制作会社の大半が子供向けの会社であり、大人向けのは2社しかありませんでした。
またAnycolorのNIJISANJI KRも一番登録者が多いライバーでも30万人で平均をとると3万人程度しかいないのが現状。
国として、実写のドラマやアイドルコンテンツに圧倒的に力をいれている手前、
このように韓国のコンテンツ市場、アニメ文化を考えるとVtuberやAPOKIのようなコンテンツはそもそも市場が小さく、また日本の様に大人が楽しむという慣習がないのを踏まえると人気になる要因が少ないと思われます。
■ディズニーの人気度と日本との違い
APOKIの運営会社のクリエイターがディズニー出身で、
見た目もカートゥン調の為、ディズニーとの相性も調べてみました。
◆ディズニー映画の興行収入
韓国にはディズニーランドがないため、ランドの入場数から人気の指標が読み取れません。
ですので国別の映画の興行収入から見ていきたいと思います。(日本の人口は約1億2,600万人、韓国の人口は約5,200万人です。したがって、韓国の興行収入を2.4倍に補正して比較します。)
基本的には日本に比べ、興行成績はアナ雪2の例外以外は大きく下回る数字になりました。
ですが、人口が半分なので2.4倍の人口補正をした場合の数字を見ると韓国でのディズニー映画に関しては興行成績全体で日本と同等かそれ以上の人気を示すことがわかります。したがって、韓国でもディズニー映画はかなり人気があると思われます。
ただターゲット層を見ると、日本はファミリーとしてみていて大人も好きな人が多い中、韓国では子供向けのという見方ではないかと思われます。日本ではディズニー作品全般が幅広い年齢層に支持されていますが、韓国ではそこまでの浸透度はないようです。日本のようなディズニーに対するオタク文化も韓国にはあまり見られません。
またズートピアに関しては、日本特有で動物系キャラのコンテンツは世界でも飛び抜けて人気が出やすい印象です。
女性からも、グッズと購入し易いという声が多かったです。
◆日本ほどディズニーランド文化がない韓国
・テーマパークの影響:
韓国にはディズニーパークがないため、日本ほどディズニー文化が深く浸透していない。
ディズニー映画は見るが、ディズニー文化が日常生活に溶け込む機会が限られていると思われる。
・キャラクターグッズの親和性と店舗数:
日本には40以上のディズニーストアの店舗があり、韓国には4つのディズニーストアがあります。
日本ではディズニーキャラクターのグッズが多く販売され、日常生活に溶け込んでいますが、韓国ではその規模や多様性は小さいです。
■APOKIが韓国で伸びていない理由
◆APOKIの方向性とターゲット層
運営チームはAPOKIを「バーチャルK-POPシンガー」として育成しようと計画していましたが、APOKI自身は自分の好きな曲を歌い、自分のやりたいように活動するアーティスト的な立場を取っています。これが、APOKIが独自の路線を歩む理由となっています。
そのため、APOKIの方向性とターゲット層が韓国の一般的なK-POPファン層やディズニーが好きな子供層と完全に一致しない部分があるかもしれません。K-POPファンは、よりプロデュースされたアイドルグループやアーティストに慣れているため、APOKIの個人アーティストとしての独自路線が大衆的な人気を得るのに時間がかかっている可能性があります。
◆オリジナルソングばかり
韓国語でのオリジナルソングは新規ファンを引き込むのが難しく、カバーソングやコラボレーションが少ないため、より広範な視聴者層にリーチできていない。
最近はKPOPアイドルとコラボし始めたが、配信の初期の頃は登録者がおらずできなかった可能性があります。
■日本で展開した場合
◆「カートゥーン調アバター」✕「K-POPアイドルグループ」✕「Vtuber」の魅力
カートゥーン調アバターとアンケート: ディズニー風のキャラクターデザインは、日本の幅広い年齢層に親しみやすく、視覚的にも魅力的です。
まだ数十人ですが、ネットと街中で女性にアンケートをすると、過半数がAPOKIの見た目を支持。
また、子持ち層には子供が見出したら見ると思うなど、前向きなコメントが多かった。
K-POPアイドル: K-POPの人気が高い日本市場では、K-POPスタイルの音楽やダンスが受け入れられやすい。
KPOPの市場は10年で34倍になっていて、今や世界中のティーン層から支持をさています。音楽、アイドル観点からみてもJPOP市場はアニソン市場はそこまで飛躍しないと思われる。
Vtuber: 日本ではVTuber文化が浸透しており、ライブ配信、アニメ市場、ゲーム市場、音楽市場と相性が良いバーチャルアーティストとしてのAPOKIのような活動形式が馴染みやすいと予想。
◆キャラグッズと推し文化が根付いた日本
キャラグッズ市場: 日本はキャラクターグッズの市場が発達しており、APOKIのようなキャラクターグッズ展開が期待できる。
世界トップ10で日本とアメリカが独占状態です。
Vtuberのマネタイズは、半分がグッズ収益にな為、
グッズ購入の親和性が高いアメリカと日本で展開に期待できる。
推し文化: 日本では「推し文化」が広がっており、ティーン層から大人までが自分の好きなキャラクターやアーティストを熱心に応援する傾向がある。APOKIをKPOPアイドルとして展開していった時に「推し」としての支持を得やすいのではないかと思われる。
まとめ
APOKIみたいなVtuberが日本で成功するための要因として、「カートゥーン調アバター」✕「K-POPアイドルグループ」✕「Vtuber」という組み合わせが非常に魅力的であることが挙げられます。さらに、日本にはアニメ文化が根付いており、VTuberの人気やディズニー文化の浸透、K-POPファンの多さ、そして推し文化の存在がAPOKIみたいなVtuberの成功を後押しする要素となります。これらの要因を活かして、日本市場からスタートさせ、ゆくゆくはアメリカのIPO上場を目指していきたい。