学期はじめは「当たり前」こそ感謝の意を~学級便りに見る学期始めの技~
はじめに
学期はじめ。新学期に限らず学期はじめはいろんなことを頭において子どもたちの前に立ちます。きっと教職関係者の方々なら「うんうん」とうなずかれたのではないでしょうか。
あんなことしたい、こんなことしたいと、力が入っている、そんなこともあるでしょう。ただ、力の入れすぎは体がもちません。スーパー教師の方々ならもつかもしれません。私の尊敬する先生は
年間200個技をもっていれば、毎日新しい技がだせるよ。簡単でしょ!
とおっしゃっていましたが、私にはできません。
タイトルには「技」と書きましたが、見方を変えるだけで学期はじめ、スムーズがスタートが切れるのではないかと思っています。今日はそんな
学期はじめの技~見方をちょっと変える~
を書いてみようと思います。書き溜めた学級便りからの抜粋です。
当たり前に感謝
学期はじめの学級だより。私はいつも似たような内容になります。それは、
当たり前に感謝する
ところに焦点を当てるからです。
目が合う
列に並ぶ
席に座る
当たり前じゃないか、と言われてしまいそうなそんな子どもたちの姿に「ありがとう」をおくりたくなるのです。
新学期2日目に発行した学級だよりを読み解きながらどこに目をつけたのか、振り返ってみます。4月だけにとどまらず、9月、1月にも応用できるのでないかと思います。
学期はじめの学級便り
体育館での出会い
〇年■組ダッチ先生。
校長先生からそう呼ばれ、子どもたちの前に立ちました。何人かの子どもたちと目があったのですが、どの子も目を合わせてくれ、中には会釈を返してくれる子もいました。教員生活も〇〇年目に入りましたが学級担任発表というのは教師も緊張するものです。それが子どもたちの目や笑顔ですぐにとけていくのがわかりました。
ミニ解説
担任発表時にすでに「ありがとう」と言いたい場面に出会います。子どもたちの視線や表情です。目を合わせる、それだけでもうれしいものです。会釈や笑顔を返してくれる、もう天にも昇る気持ちです。初対面の場で視線を交わそうとしてくれる子どもたちの姿、感謝しかありません。
入学式練習で
始業式が終わったと、入学式の練習に入りました。
「後ろに下がりましょう。」
「各学年2列になりましょう。」
の指示が出され子どもたちが動き始めたのですが、その姿にとても驚きました。何も指示を出していないのに先頭に並んでいる子どもたちが手を挙げ、そして後ろに並んでいる子たちは前ならえ。これまで〇年間の生活経験、学習経験が身についている様子がわかります。入学式の練習では横や後ろから子どもたちの様子を見ていました。
「立ちましょう」の声掛けにサッと反応する子
「礼」の合図に合わせて礼を返している子
「校歌の練習をした人?」の質問にサッと挙手する子
6年生が持つ歌詞を見ようと身体を前に乗り出していた子
自分の姿勢が崩れてきたことに気づき、姿勢を正している子
たくさんの素敵な、そして「ありがとう」といいたくなる姿を見ることができました。
ミニ解説
教師の呼びかけや指示に従い子どもたちが行動する。当たり前っちゃ当たり前なのですが、でもよく考えると当たり前ではないですよね。大人だったら文句の一つも言っているかもしれません。文句もなしに、反応を示す子どもたち。おかげで時間内に教師側は準備を行う、練習を行うことができるのです。
他にもある、初日に感謝した場面
これ以外にも初日は次のような場面に目が留まりました。
「教室に入ったら座って待っておこうね。」とは私は言っていないのに、次々に自分の席に着いていく子どもたち。
私に視線を集めてくれる子どもたち
始業式、入学式の練習と合わせて1時間以上の「式」に参加していた子どもたち。とても疲れているはずなのにこのような素敵な目を向けることができる。
教科書運搬・配布を手伝ってくれる子どもたち
友だちの姿をみて、手伝う子ども
配られたプリントを読んでいる子
教科書を数えている子
教科書を読んでいる子
「何組かわかる人?」と尋ねるとパパパパっとあがる全員の手ます。
「質問がありますか?」と聞くと手を挙げる子。
まとめ
子どもたちのいっけん「当たり前」と思われる姿や行動。でもそれって、感謝の気持ちがわいてきますよね。極端に言えば、机に座っている、学校に来ている、それも感謝すべき点です。
新学期、子ども達にたくさんの感謝を伝えてみませんか。それはきっと教師側の見方をちょっぴり変えるだけで、でたくさんの「ありがとう」が出てくるはずです。