先は全く見えないけれど立っている場所はわかっている。

会社の窓から遠くを見ると、
深い赤色が静かに燃えている。
黄色は銀杏、赤は紅葉、
共に散る準備をしている。
昼間、雨が降っていた。
路面が濡れている。

教えて欲しいことがあるのに、
上司はフラッと営業に出る。そのまま直帰。
仕方がないからメールをする。
お客さんと仕事の話をする。
初めてお会いする方々だったので少し緊張。
他、なぜ私を呼ぶんだろうと思うような会議に出る。
私の必要性は多分ない。

風呂上がりに山山を見渡すと、
ずっと遠くからもやがかかっていて、
辺り一面先が見えない。
満月の前日、あたりは煌々としていて
もやがかかった山をすっぽり包んでいた。
微睡の中、自分は一体どこにいるんだろうと思わせた。