ピアノコンクール その3
さあ、最終回のつもりで書いていきます!
曲の合間に
その父親と女の子が観客席に入ってきました
女の子はバツの悪そうな表情で母親を見てから
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少し離れた所に座り他の子の演奏を見ています
暫くして数分の休憩時間になりました
もはやケロッとして見える娘に母親が
この人が褒めてくれたんだよ
と教えたようです
何か言葉をかける必要な気配
「うまくやるよりもっとすごいことがあるよ
予想外の事があった時でも
やり抜いたり乗り越える事だよ
自信もって」
女の子は大きく頷きました
僕たち大人は
つい持ち時間や常識を優先して
2~3回のミスで駄目なら
飛ばす判断をしてしまうかもしれません
女の子は泣くほどつらい状況でも
よそ見せず勇気を持って
何度もピアノと曲に向き合い続けました
設定時間や常識にとらわれない
その不屈の精神や集中力は
大きな才能かもしれません
さらに女の子が最後の1音を弾き終えたその手を
気高く挙げて
音の余韻を丁寧に味わったシーンが
脳裏に残ります
この子は良く練習し
音楽が好きで
故に何とかやり抜きたいと思ったのだろうし
さらに音の余韻や静寂の大切さをも理解し
さらに失敗後にそれを見事に実践して見せたのでした
持ち時間を大幅にオーバーしている中でも焦らずに
大人が子供に学ばせてもらい
楽しくも胸熱くなる時間でした
スポーツなどでも
挫折の後に立ち上がってチャレンジする選手に
共感し応援したくなるのは
僕たちが皆
不測の事態や期待以外の事が起こったときに
それを自ら許し
周りからも許してほしいと
感じるからかもしれませんね
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ここまで長々と
3回の連載見ていただいた方々
本当にありがとうございました!