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マイマップに地質図を追加

前回のブログでマイマップの鉄道・高速道路のレイヤーにホバー効果を追加したことを報告しました.もう一つ大きな追加機能があります.「地質図」です!!むしろ,こっちの方がマイマップのオリジナリティ的に大事!!ぜひとも触ってみてください.


シームレス地質図

産総研の「20万分の1日本シームレス地質図」を利用しています.この地質図の凄いところは,クリックした地点の岩相や形成年代をポップアップで表示できる点です.


岩相・年代をポップアップで表示

仕組みを簡単に説明します.

  1. Maplibre GL JSの機能でクリックした地点の緯度経度を求める

  2. 産総研のWeb APIの機能で,指定した緯度経度の地質情報を求める

ブラウザのURLバーに"https://gbank.gsj.jp/seamless/v2/api/1.3.1/legend.json?z=11&y=777&x=1827&i=112&j=3"と打ち込むことで体験できます.

ソースコードの下の箇所が,「クリック->地質情報を表示」の機能部分です.変数lng, latにクリック地点の緯度経度を入れ,地質情報は変数srcにJSON形式で代入されます.変数elementには,地質図レイヤーがオンのときだけにTrueが代入され,「クリック->地質情報を表示」機能が地質図レイヤー表示時のみ有効にしています.

// クリック地点の地質情報の表示
map.on('click', function (e) {
    let element = document.getElementById('geology');
    result = element.checked;
    // elementにchackボタンの値を代入
    // resultはチェック済みならTrue

    if( result ){
      // シームレス地質図のレイヤー表示時
      const lat = e.lngLat.lat;
      const lng = e.lngLat.lng;

      // 経緯度表示
      var src = 'https://gbank.gsj.jp/seamless/v2/api/1.2.1/legend.json?point=' + lat + ',' + lng;
      fetch(src)
      .then((response) => {
        return response.text();
      })
      .then((text) => {
        var data = JSON.parse(text);
        var titulo = data.title;
        var symbol =  data.symbol; //凡例記号(文字列)
        var age = data.formationAge_ja;
        var group = data.group_ja; //大区分
        var rock = data.lithology_ja; //岩相

        popup_str = "年代:" + age + "<br>大区分:" + group + "<br>岩相:" + rock;
        // ポップアップを表示する
        new maplibregl.Popup({
          offset: 10, // ポップアップの位置
          closeButton: true, // 閉じるボタンの表示
          maxWidth: "1000px",
          className: 'popup',
        })
        .setLngLat([lng, lat])
        .setHTML(popup_str)
        .addTo(map);
      });
    }
});

地質図を追加したマイマップを使ってみた!

白い山や変わった形の岩がたくさんある山


木曽駒ケ岳の地質図(ピンク色が花崗岩)
甲斐駒ヶ岳と鳳凰三山の地質図(ピンクが花崗岩)

木曾駒ヶ岳や甲斐駒ヶ岳,鳳凰三山の共通点といえば,すべて白っぽいところですかね.これは,これらの山が花崗岩で構成されているからです.花崗岩は墓石でよく使われる石で,御影石とも呼ばれます.これらの山に登るときによく見ると,お墓の石と同じ岩石なのにきっと気づくはずです.花崗岩は浸食に弱いため,奇岩や険しい地形になりがちです.甲斐駒ヶ岳が男性的な山と呼ばれることや鳳凰三山にオベリスクがある理由は,すべて花崗岩で構成された山だからです.

鳳凰三山のオベリスク

そして,次は奇岩が有名な奥秩父の山に登りたい...さて,どこでしょう?

至仏山に珍しい植物が多い理由と至仏山の登山道が雨の日に滑りやすい理由


至仏山周辺の地質図

至仏山周辺では,超苦鉄質岩が広く分布しています.超苦鉄質岩は,Mg(マグネシウム)やFe(鉄)を多く含む岩石です.このような環境では,多くの植物は生きていけません.そのため,マグネシウム等に強い珍しい植物の楽園となっています.至仏山を構成する岩石は,主に蛇紋岩です.蛇紋岩は上部マントルを構成していた橄欖(かんらん)岩が海水と反応して形成された岩石です.私が所属していた学部の実習で初めに習った岩石であり,思い入れの強い岩石です.岩石・鉱物は大の苦手分野で,教授の説明は私にとってちんぷんかんだったことは内緒です...教授の説明のときに,きれいなハロ(大気光学現象の一つ)が見えたことは覚えていますがw.

あと,蛇紋岩は濡れていると滑るので,注意しましょう!!

今後の展望

  • 河川・流域のデータも載せたい!

  • 山と地質・流域は切っても切り離せない関係だが,それをすべて揃えた地図はまだないはず!!

リンク

  • マイマップ

  • 産総研「シームレス地質図」


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