地球温暖化関係
今回は,苦手な一般知識の地球温暖化関係をまとめます.特に苦手なのは具体的な数字を聞かれる設問です.例えば,100年間で実際の気温変化や人為起源の二酸化炭素の何%が大気に残るのかといったかんじです.これらの問題を解くために必要な知識をまとめます.
年平均気温のトレンド
上のグラフは地表の全球平均した気温の経年変動.トレンドの値は0.74[degC/100 yr].1980以前とそれ以降では気温のトレンドの傾きが大きく違うようにみえる.「気象庁の世界の年平均気温」を確認すると,北半球の方が南半球よりも気温の上昇トレンドが大きい.
次に各場所における気温のトレンドを図2に示す.北半球の特に高緯度で気温の上昇が速いことを示している.極東でも温暖化の速度が大きい.
大気の二酸化炭素濃度
図3は各観測地の二酸化炭素濃度.1985年は約350ppmだったが,2021年は415.7ppm.工業化(1750年)では約278ppmだったらしい.
図3は全球平均したものだったが,図4は各緯度帯で平均した二酸化炭素濃度である.z軸と色が全く同じで,2種類の表示で見せる必要はない気もするが...二酸化炭素濃度のトレンド自体は緯度帯にほとんど依存しない.しかし,北半球の方が経年変動が大きいことを端的に示している.
熱収支
図5は各システムに蓄えられたエネルギーの変化である.海洋の吸収が9割に達し最大.図1を見ると,2001-2010で気温の上昇は抑えれられているが,海洋へのエネルギーの蓄積が続いていることを示している.
二酸化炭素の収支
図6は人為起源の二酸化炭素がどこに貯まるのかを示している.人為起源二酸化炭素の約5割が大気で留まる.次に多いのが陸上と海洋による吸収.補足だが,図6の単位はギガトン(Gt)で,各物質に含まれる炭素の質量である.このような特殊な単位で計算するのは,二酸化炭素が植物に吸収されるとセルロースになったり,海洋で固定された炭素の多くは石灰岩であるなど,二酸化炭素だけを追うのではなく炭素の循環として追いかける必要があるから.例えば,大気中の二酸化炭素であるば,図6で示された値に44(二酸化炭素の物質量)/12(炭素の物質量)をかけることで,大気中の二酸化炭素の重量を計算できる.
参考
気象庁の世界の年平均気温:https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/temp/an_wld.html
気象庁の大気中二酸化炭素濃度の経年変化:https://www.data.jma.go.jp/ghg/kanshi/ghgp/co2_trend.html
気象庁の海洋への熱の蓄積について:https://www.data.jma.go.jp/kaiyou/data/db/climate/knowledge/glb_warm/ohc.html
海洋の炭素循環:https://www.data.jma.go.jp/kaiyou/db/mar_env/knowledge/global_co2_flux/carbon_cycle.html
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