行方不明展に行ってきた時の話
行方不明展に行ってきた。
「行方不明展」はその名の通り行方不明に関する展覧会であり、展示しているものは全てフィクションなので安心だ。
ただ、妙にリアルで生々しい行方不明の痕跡たちを眺めていると、本当に誰かが行方不明になってしまったのではないか、今も彷徨っているのではないか、と漠然とした不安に襲われる。
終了日間近に観に行ったからか会場内は結構混んでいて、音声作品は50分待ちだった。時間制限もあるため、他の作品たちもじっくり観たかったので今回は断念。
それに、1人で50分並ぶ勇気と根気は私にはなかった……。
来場者の方々が話している内容を聞いて知ったが、有名な都市伝説を元にしている展示作品もあった。
私はあまり都市伝説やホラーには明るくないので、元ネタを知らずにただ作品を見ていたが、そう言う知識があると更に楽しめて良さそうだなと思った。
勿論よく知らなくても、興味深いし十分楽しめる。
「所在不明」や「真偽不明」など、それぞれの行方不明についてのプロローグとエピローグが用意されており、展示物一つ一つにも説明文が書かれている。
その説明文を読んでいるだけでも引き込まれるような感覚がしてじっくり読んでしまった。
大量の携帯電話。久々にアンテナ付きの携帯電話見たかもしれない。
この大量の携帯電話がたった1人と繋がる為に集められたものと考えると胸が苦しい。因みに全然関係ないが携帯電話を見ていたら一時期、母が「携帯電話は有害な電波が出ていて盗聴されている!」と言って当時中学生の私から携帯電話を奪い取った時の事を思い出した。
(母は現在はiPhoneを持ちYouTubeを見ている)
特に印象に残ったのはこれ。行方不明になったであろう人物に向けての手紙なのだが、内容が心に来る。
誰しも多少、ここじゃないどこかだったらもっと上手く行っていたかもしれない、とふと考えてしまうことがあるかと思う。ただ、実際本当に全然違うどこかにいけたとして、成功する保証なんて全くない。
それがそのまま書いてあって、この手紙を読んだ時の人物の心情を考え頭を抱えたくなった。
こちらはホラーゲームにありそうな雰囲気で好きだと思った作品。
ビニールプールを覗き込むと底の見えない深淵に持っていかれそうな感じがする。ホラーゲームのワープとかでありそうだし、1発ゲームオーバーになる場所に見える。
制限時間ギリギリまでしっかり見て楽しかった。
他にも気になる展覧会があるので、ちょこちょこ見に行こうと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?