海外ドラマ ハンニバルより
グレアム「後悔はあるか?」
ハンニバル「選択肢の数だけ後悔はある。
後悔の無い人生はない」
これは映画のハンニバルとは
別の海外ドラマの私が最も好きな画廊での
ハンニバルを逮捕するために、自らも犠牲に
して追い続けたグレアムとの会話である。
静かな画廊で知的な二人の会話を
重ねる関係は、グレアムの意に反して
ハンニバルの魅力と、自らの禁じられた病は
少ない会話からでも確実に二人の距離を縮めていた。
グレアムは自分でも間違いだと気づいては
いたが、ハンニバルの世界は実に心地よかった。
それは彼の闇の底に潜む呪われた欲望を、
彼の前では隠そうとしていても、隠し通すことは
困難であるが故か、己の願望がそうさせるのかは
自分でも分からない事であった。
グレアムだけがハンニバルの恐ろしさを見極めたが、
彼の古くからの友人であった女性や、グレアムに
信頼を寄せて仕事を頼んだ者たち全てに、信じて
もらえず、殺されたと思っていた少女もハンニバル
に屈していた。
ハンニバルはグレアムの先手を取り、ハンニバルが
入るはずであった檻の中に入れられたのはグレアム
になっていた。
しかし、二人の知能戦は続いていた。グレアムは
精神病棟で巧みな言葉でハンニバルに向けて殺し屋
を仕向けた。ハンニバルはそれに対して、グレアム
を殺そうとして殺し屋を差し向けた。
両者ともに惹かれ合いながらも、グレアムは
ハンニバルを捕まえようと一人奮闘する中、
仲間の一人に協力を仰いだ。
彼女は疑心暗鬼になりつつも、グレアムのことを
信じ切る事ができないまま、真相を突き止めようと
動き出す。
そして彼女はハンニバルの家を探りに行った。
その頃、グレアムは後悔の念に囚われていた。
あまりにも無防備に彼女の心を焚きつけて
しまったことを。
そして、彼女はハンニバルの家に入り、彼の
真実の姿を知り、恐怖する。そして最悪の事態
をグレアムは招いてしまうが、彼女の死を
きっかけにグレアムの証言は真実なのでは?と
動き出す者が現れる。
これまでの事件の協力者であったハンニバルに
会いに行き、彼はグレアムの言葉が真実だと
確信する。それに気づいたハンニバルは、
話しかけて様子を探るが、両者ともがお互いに
気づき合う。
グレアムだけが気づいていた真相を感じ取り、
静かな部屋の中で、二人は会話をしながら
徐々に戦いの時を迎える。
グレアム「後悔はあるか?」
ハンニバル「選択肢の数だけ後悔はある。
後悔の無い人生はない」
この言葉の意味はハンニバルの人生から
生まれた言葉である。
彼を狂気の人間へと変えた答えは、彼の人生
の過去にある。
それは望んではいないことであった。
過去が知的で恐ろしい男を生んだ。
彼は彼を恐ろしい人間にした相手に復讐するが、
狂気に取りつかれた人間が元に戻る事は無い。
この物語をしっかりと味わうには見るしかない。