喧嘩稼業 喧嘩師 工藤優作
喧嘩稼業は、喧嘩商売の続編に当たるもので、喧嘩商売では戦う事の無かった魅力溢れるキャラクターたちでの陰陽《いんやん》トーナメント戦である。陰つまりは殺しの技を会得している人間と、陽は主に世間の誰もが知っている人物を使っている。度々訴えられる可能性もあるほど、喧嘩商売では酷似している芸能人などを度々使っていたが、喧嘩稼業では本気の漢たちの戦いをメインにして繰り広げている。
彼はヤクザに雇われている喧嘩師で、主にヤクザでは敵わない敵を倒す時に依頼される。どんな相手でも一律100万円で引き受ける。
誰もが、工藤優作には勝てないと思っていた。相手は梶原修人という同じヤクザから雇われている相手だった。喧嘩にルールは無い。
私の父からの教育は人生で1つだけ。
「武器は使うな。それ以外なら何をしてもいい」
弟はこの教育により喧嘩が本当にヤバい奴になった。
私も弟も少林寺拳法では有名な広島で習った。
そして、弟は喧嘩で技を使って破門された。
平然と殺しの技を使うように、弟は成長していった。
私は腕も折られ、肋骨も折られても弟は止まらなかった。
腕がブラブラと逆方向に揺れていて、防御するしか出来ない私に対して
一切手は抜かず、殺しにきた。
工藤優作は殺しはしないが、喧嘩なら誰にも負けた事は無かった。
しかし、本物の強者を相手にして、初めて今までの自分の喧嘩スタイルでは
勝てないと認めた。それは彼と戦った全ての相手を驚かせた。
主人公は佐藤十兵衛という高校生だが、前作の喧嘩商売では工藤優作を相手に持てる力の全てを使って戦ったが負けた。泣いて小便も漏らして許しを乞い、工藤優作にリベンジする為に、トーナメント出場者の一人を倒して、枠を作らせた。
しかし、工藤優作は試合中に猛毒を仕込まれ、倒れた。ルール違反ではあるが、バレなければ成立する。それが喧嘩だ。
私の経験上、喧嘩に必要なのは何でもできる奴だ。生温い奴は弱い。私は一度だけ弟と本気で闘ったことがある。目玉をえぐり出そうとしたが、止められた。マウンドポジションから目を突き、掌底で頬の骨を砕こうとしたが、防御に徹した為、私は立ち上がる時に、弟の肋骨に踵《かかと》をつけてから、立ち上がった。当然、肋骨は数本折れた。
工藤優作は倒れた時、夢を見た。一面真っ白な足跡が一つもない積雪が広がっていた。一匹の狼が近寄り、工藤に話しかけて来た。
「お前はこのまま死ぬのか?」と言って来た。
「身体に毒を入れられた」もっとも警戒していた事なのにと工藤は思った。
「身体が死ぬ準備を始めている。細胞が壊れていくのを感じる」と言った。
「——で? まさかそんな事で立てないとは言わないよな。俺はこんなヤツを知っているぞ。ションベンを漏らしながら、命乞いをした情けない野郎だ。そいつは立ち上がったぞ。立ち上がって、立ち上がって、立ち上がった。お前はそいつの前で言えるのか?! 身体に毒を入れられたから、身体が死ぬ準備を始めたから、細胞が壊れていくのを感じるから、もう立ち上がれませんと……」
工藤は積雪にうつ伏せのまま倒れたまま聞いていた。
「死んでも! 灰になっても! 消滅しても! 言ってはいけない言葉がある!! 譲ってはいけない事がある!! 自分を曲げる事だけは許さない!! お前は決意したはず! 誰にも媚びず、誰にも従わないと」
工藤は一切動けずにその孤狼の言葉だけは聞いていた。
「死ぬ事はすでに避ける事はできないが、殺される事は許されない!!
殺される事を唯一回避する方法は存在を無くす事———死ぬ前に殺せ!! 最後の仕事だ。笑いながら潰してやれ」
孤独な狼は自分自身の意識だった。
彼もまた自分の信念を持っている。それは現実も同じであるが、本物は少ない。偽物は多いのが現実の世界だ。
私は自分の信念を証明する為に、その時がきたら自分で人生の幕を下ろす。
これは自傷行為で興味を引く奴らとは違う。自分の意志を貫く為にする。
東京に出て来る前に、やる事は全て終わらせてきた。死ぬ為の用意もしてある。私は二度自殺に失敗した。本気で死ぬつもりが一度目は失敗し、二度目は見つかって止められた。
生きるも死ぬも、どちらの道も多くのエネルギーを使う。恐らくだが、死ぬ確率のほうが高い。何故なら私の二度目の自殺を止めた人間には、理解不能な思想だからだ。生きるという本当の意味を知らずに生きている奴には決して分からない。
守る者がいれば守る。会社などで部下たちを守る場合も、生きなければならない。私は私が居なくなっても大丈夫なように、全てを終わらせてきた。
ラインや電話番号も、知り合いのは全て消去した。
俺は俺である為に自らの命を絶つ。誰にも私の心は伝わらないが関係ない。
私は過去と決着をつけなければいけないのだ。あのクソ親父との戦いは地獄にいる奴を追って必ず仕留める。その記録を残している。
喧嘩稼業を見ると自信が湧いて来る。私の体内は傷だらけだ。だが、癌になって自分の為だけに最後までクズのまま生きようとした、あのクソッタレ親父のようには絶対にならないと誓った。
急性心不全にもなった。慢性心不全にもなった。今も小腸が裂傷していて、胃潰瘍も10年ほど続いている。治す事は誰にもできない。
俺は奴のように死の病になっても、絶対に死ななかった。
心不全は本当に死が見えるほど危なかったが、通常の心不全とは違い、俺のはストレスからの心不全だ。通常の方法では治せないし、対処法も違った。
だが、俺は立てなくなっても這ってベットまでいき、生き延びた。
その絶対的な強い信念があるからだ。
この意味を理解出来る人は少ないだろう。
人生は自分との戦いでもある。俺は叔母に言われた。
「俺のほうが親父よりも長生きすると」
クソッタレには分からないこの恨みを証明するには、
自ら命を絶つしかないのだ。全てを書き終わったら、そこが終着点だ。
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