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きのことココダトレイル「4日目:心のカケラを置いてきました」
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(1) 日記から振り返る4日目
日記を読んでみました。少し時間が前後していまいますが、ここに書かれている事項から少し振り返ってみたいと思います。
だんだんと怪我をしていない人がいない状態になってきた。皆何かしら問題を抱えている。大半は足に問題を抱えている。頭痛がひどい人も1人、軍曹は荷物を持てない日がある。普段は休憩しないで弾丸で歩く人なのにかなりこまめに休憩をとっている。これはチームの体力に合わせているからか…(後々本人の体調がただ悪かっただけなこと分かりましたが…フーン)
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昨晩、テント隣同士のらんま1/2と会話していました。らんま1/2はココダを歩くにあたって情報は入れていなかったので、毎晩、私の持っていたガイドブックを読んでいました。この部分面白いねーと話しかけてくれます。この夜も私は日記をつけるのに必死だったのですが、らんま1/2が、あらやだ!今日のTHE WALLの登りと比べたら、明日の登りは3倍だよ‼︎きのこ見て!今日の登りがなんだったの?みたいな登りだから…と、とても心が……弱る……情報をくれました。2人でもう大爆笑…なんなんだ?全然今日の楽勝チック…じゃない??笑
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修学旅行の女子部屋みたいな感じで眠くなるまで、くだらないけれど、心がすーっと緩む会話をしていました。そして日記にも、お泊まり会みたいで楽しかったと書いてあります。女子のお泊まり会……最後にしたのはいつですか?🧐
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使ってない写真。
トレイルに咲く花をここに紹介。
行軍中、ふと可愛らしい花を見て気持ちが和らいでいたとしたら良いな。異国の地で亡くなられた人の近くでひっそりと咲く美しい花々。今、寂しい思いをしていませんように。
(2) マヨラ(Myola)
まずはcamp1900に到着。ここはボスが1番好きだというキャンプ地です。キャンプ地に荷物を置き、水だけ持ち、ルートを外れて散策します。向かったのはマヨラ。
ジャングルに突如として現れる、開かれた大地。戦時中にはここは物資補給場としてオーストラリアの航空隊が物資を投下していました。
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私の心のカケラを置いてきました
物資を受け取ったのは、時に日本軍。
そんな時には日本軍はしっかりと栄養補給できたそう。負傷している兵士達は口にしなかったそうです。戦力外の我々がこれ以上足を引っ張ってはいけない……
片道45minsの登り。
木々に囲まれた森をずっと歩いてきた我々にはこの解放的な景色の広がるマヨラが大好きになりました。ポーターのうちの誰かが、Myolaという名前を娘につけた知人の話をしてくれましたが記憶が薄れています。
ここでは若いポーターも生き生きと少年の顔に戻り、どんどんと先へ先へと歩く。軍曹は入り口で止まる。
私はポーターを追いかけるようにしてついていく。
あんまり遠くへいくなよー!
もっとずっとこの景色を見ていたい、体の隅々までこの開放感を味わいたいと思う自分がいました。
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ただただ歩いて行きたい…
次回ここに来た時には、もう少しここをじっくり歩いて観察したい、願わくばここに一泊したいと思いました。
戻るぞー!
の声で我に返り…マヨラにさよならを告げる。
またここには戻りたい…
(3)小人の住む村
この夜の宿泊は、キャンプ1900。
ホビット村のような可愛らしい雰囲気の村です。川は蛇行して村を包む。変な言い方ですが、箱庭、作り物の映画のセットのような村。標高が高いので夕方になると寒さを感じました。寒さに耐えて軽く水浴び…はしましたが。
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なんだこれ?チョコ?
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その時に私は借り物のリュックを整理していました。中に泥のついたものが入るジップロックが。なんだろうこれ?私入れてないけど。
よくよく見ると銃の弾の薬莢(やっきょう)でした。となると、このリュックを使った人が集めて持ち帰ろうとした?
軍曹に報告。
「〇〇だな。帰ったら話しておこう。」
この薬莢は軍曹経由でパプアニューギニアに返却してもらうことにしました。
(4) 日が暮れて
前菜はポップコーン。
ボロネーゼソースのパスタは美味しくておかわり。軍曹の誕生日ケーキがデザートでした。
焚き火をみつめて、まだ眠くならない。
トレッカーはテントに戻り始めたので、私は食器洗いのお手伝い。そしてポーター達のお食事を見ていました。量が凄い…中には洗面器の半分盛られたお米に、道端で摘んだ草から作ったおかずに、缶詰のお肉少し。味付けに少しラーメンがのっていたりします。うん、美味しそう。明日はポーターと同じ料理を食べたいとリクエスト。
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夜もふけてきました。日記を書く時間です。
テントに戻りハイライトをまとめ、夜ギャーギャーと泣き喚く鳥に、あれはどんな鳥か?と考える。それまではそこまで騒々しいタイプの鳥はいませんでした。夕暮れ時が一番酷く、今晩でこの世が終焉する悲しみを表現しているのか、、位の迫力で無数の同じ鳥が大音響で騒ぐ。
そこから少しずつ静けさを取り戻した夜になりました。
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(おしまい)
読んでくださってありがとうございました。